「時間かかっても目指せ政権交代」岡田元外相ら落選の立民出身3氏が語る中道の今 「危険な賭けだった」と受け止めも、リベラル結集へ揺り戻しは来るのか?

厳しい表情でメディアのインタビューに臨む中道改革連合の野田佳彦共同代表(左)と斉藤鉄夫共同代表(当時)=2月8日、東京都内のホテル

 衆院選で大敗した中道改革連合は、党の存続へ模索が続く。中道結成に参加しなかった参院の立憲民主、公明はそれぞれ地方組織と共にそのままで、肝心な合流への道筋は見えない。

 なぜ、こうした結果になったのか。

 台湾有事を巡り、高市早苗首相から「存立危機事態になる可能性が高い」との答弁を引き出したが、交流サイト(SNS)などで非難を浴び、議席を失った岡田克也元外相。新潟4区で落選した米山隆一氏。立民の代表代行だった吉田晴美氏。

 議席を得ていれば、国会論戦や党務で重責を担ったであろう3氏に、敗因や党と自身の今後について聞いた。(共同通信=小野塚未来)

インタビューに答える岡田克也元外相=3月6日午後、衆院議員会館

▽「時間をかければ真意は理解されると思っていた」

 岡田氏は、新党結成について「衆院が予想より早く解散される以上、この選択肢しかなかった」と理解を示す。

 岡田氏は昨年11月の国会審議で、高市首相から台湾有事は存立危機事態になる可能性が高いとの答弁を引き出した。

 首相が従来の政府見解を踏襲すると確認するのが本意だったが、想定外の踏み込んだ答弁。外交に悪影響が出かねないと懸念し、それ以上の追及は避けた。

 しかし、SNSでは岡田氏への非難が相次いだ。

 選挙期間中は売国奴と呼ばれたり、ポスターに「中国」との文言を貼られたり、過去にない事態が起きた。

 経済と安全保障の観点から、中国とコミュニケーションを取れる関係をつくる重要性を訴えたが、結果は落選。「普段集会に来ないような人の中には、SNS上の誹謗中傷を真に受けた方がいた。時間をかければ真意は理解されると思っていたが…」と悔やむ。

 今後の立民と公明の在り方については、来春の統一地方選は国政選挙と区別し、野党議員による地域政党を結成して活動する方法もあると提案する。

 ただ、次の参院選までに、国政レベルでは合流することが必要だと考える。「覚悟を持って大きなかたまりをつくり、時間はかかっても政権交代を目指すべきだ」と断言した。

三重3区で落選が決まり、支持者と握手を交わす中道改革連合の岡田克也元外相=2月9日、三重県四日市市

▽「立て直しの道筋は見えない」

 岡田氏は、公明党との選挙協力に関し対応を代表に一任した議員総会で、両党の合流に異論はほとんど出なかったとの認識だ。だが、選挙の直前に執行部から新党結成の方針を聞き、十分な議論はなされなかったと考える議員もいる。 

インタビューに応じる米山隆一元衆院議員=3月10日、東京都内

 新潟4区で落選した米山氏は、主な敗因は首相の人気にあるとしながらも、新党結成は失敗だったと断じる。

 「野合批判というネタを、ネット世論に提供してしまった。変な手を打つより、再生のために潔く負けるのも大事だった。そうすれば、負けるにせよ負け方は小さかったのではないか」と厳しい。

 合流を巡る意見聴取の会合前、執行部から反対論などを言わないよう「異論封じ」ともとれる働きかけを受けた。出席すれば反対を主張してしまうからと会合を欠席したが「何を言っても方針は変えられない」という諦観もあった。「自分の責任であることは大前提だが、常識的に考えてまっとうな議論ができる状況ではなく、直後の選挙を考えれば選択肢もなかった」と振り返る。

 その後の都道府県連幹部に対する説明会合の場で、公明出身者を比例代表名簿の上位で処遇するのは良いが、公明が前回衆院選で得た比例の議席数にとどめるよう求めた。立民と公明の候補者の扱いを公平にしたかったためだ。

 しかし幹部の答えは「1足す1は、3にも4にもなる」と、合流の効果を主張するだけだった。米山氏は「結局、執行部は前回選以上に勝つと信じ切っていたのだと思う。出身政党によって運命が分かれ、負けた時に収拾がつかない危険な賭けだった」と嘆いた。

 党の将来については「期待はしているが、立て直しの道筋が見えない」と語る。「真ん中に寄ろうとして失敗した。しかし今なお『真ん中から左』の有権者は健在だ。大きなリベラルの固まりを結集するとの立ち位置に戻り、揺り戻しを待つべきだ」との考えだ。

 今は東京都内で弁護士として働きながら、地元活動を続け捲土重来を期す。

インタビューに応じる吉田晴美元衆院議員=3月9日、東京都内

▽「結論の先延ばしは良くない」

 吉田氏は立民の執行部の一員だったが、新党結成に違和感や不安を抱いた。しかし、別の幹部から新党の説明を受けた際に「みんな賛成している」と言われた。

 ただ、吉田氏は成り立ちが異なる2党が一緒になってうまくいくのかとの思いが拭えず、国民民主党も含めた複数の野党が結集できたら有権者に期待してもらえると伝えた。

 幹部会合で、参院と自治体議員は立憲民主党に残ることなど分かりにくいと意見した。「みんなが望んでいることに水を差してしまうのではないか。(違和感を持つ)自分がおかしいのかな」(吉田氏)

 選挙期間中には、有権者からこの先どうなるか分からない党には投票できないと言われた。党の今後に関しては「結論の先延ばしは良くない。思い切った再生の道へ、あらゆる選択肢を考えるべきだ」と訴える。

 今後は落選議員らで結成する政治団体に加わりつつ、集会や地元回りを重ねる予定だ。SNSによる逆風を選挙で実感した今、自らの政策をより広く有権者に届けられるよう、SNSの活用にも取り組むつもりだ。