自尊感情、小学4年時に急低下…日本女子大が児童に〝自信つける授業〟「進路に役立てて」

豊明小5年の児童らが「自尊感情を回復させるための特別授業」に参加した=1日、東京都文京区の日本女子大付属豊明小(外崎晃彦撮影)
小学校4、5年生時に自尊感情が急激に低下するのを抑制することで、将来のキャリア選択や進路などに役立ててもらおうとする研究が日本女子大学(東京都文京区)で進められている。同大の人間社会学部心理学科は1日、付属豊明小学校(同)で児童らに「自尊感情を回復させるための特別授業」を実施し、報道陣に公開した。
「いいところは自分で見つける」

児童らに授業をする日本女子大学の塩崎尚美教授
同科によると、自身を肯定的に評価する「自尊感情」は、小学4年から5年生にかけて大きく低下し、その後6年生でやや回復するという。一部ではそのまま回復しないケースもあり、日本人の自尊感情は米国などの諸外国と比べ低いと指摘されている。
そこで、同科では、自尊感情が低下する時期の児童らに自信を持たせることで、低下に歯止めをかける方法を研究。同大が幼稚園から大学・大学院まで一貫教育を行うなかで、人格形成やキャリア選択に役立てる教育につなげることを目指している。
この日の授業は、同科の塩崎尚美教授が行い、5年生の女子児童約110人が参加した。塩崎教授は「わたしのいいところ」と書かれたシートを児童らに配布。シートには「やさしい」「いつも笑顔」「おもしろい」「おだやか」「がんばりや」「親切」など30項目が書かれており、児童に、自身が当てはまると思うもの全てに丸印を記入させた。

「わたしのいいところ」を記入する児童
その上で塩崎教授は、「自分のことがいやだなって思う時もある。あっていい。でも、そういうときはこれを見返してほしい。自分のいいところは自分で見つける。それが大事なんです」と説明した。
児童らは熱心に教授の話を聞き、「先生、あたたかい、ってどういうことですか?」などと、次々に質問した。
授業後、児童の一人(10)は産経新聞の取材に「テストのことで落ち込むこともある。でもそんなときに、先生のお話を思い出そうと思う」と笑顔で話した。
否定的評価されやすい日本
塩崎教授によると、小学4、5年時に自尊感情が低下する背景には、日本の文化や習慣があると考えられるという。海外でよく見られるような、友達同士で良いところをほめ合うといった習慣が日本ではあまり見られなかったり、家庭の中でも、成績に対して、親は子のできている部分よりもできていない部分に目がつきやすかったりなど、否定的な評価がされやすい傾向があり、「他人の目を気にしだす時期に、そうした影響を受けることが、自尊感情の低下の一因と考えられる」(塩崎教授)という。
豊明小の宮城和彦校長は「授業や研究結果をほかの担任らと共有し、授業中や日常の児童への語りかけの際などに生かしたい」と話した。
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