「Instagram 利用率はわずか22.7%」Z世代とは決定的に違う、スマートフォン≠SNSのα世代をデータで読み解く

 自分専用のスマホを持ち始めたα世代(現在10〜15歳)のX(旧Twitter)利用率は12.7%、Instagramは22.7%。Z世代と比べて圧倒的に低い。YouTubeはよく使われているが、アカウント登録をしているのは23.4%に過ぎない。SNSが「当たり前にある」世代にとって、SNSは必ずしも「使わなければならないもの」ではない。3世代・約1万7000人を対象にしたインテージと産業能率大学の共同調査が、マーケターの常識を覆すα世代の情報行動の実像を明かします。最新刊『なぜ日本人は、それを選ぶのか?』から一部を抜粋・再編集してお届けします。

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■「若い生活者」を理解することに意義がある

 本章では、若い生活者を中心として3世代(ミレニアル世代・Z世代・α世代〈概ね2010年以降生まれ〉)に着目して国内の大規模なアンケート調査とインタビュー調査の結果から考察します。

 日本経済にとって、現在の若い生活者は、未来の消費者であり、働き手であり、日本の経済活動の要になる存在と言えます。

 私たちは、将来の生活者の理解のため、現在小学生の生活者から着目しています。彼らは、集団教育の中で人格が形成されていく大切な時期であり、現在の行動や経験の把握、その背景にある価値観を定期的に調査し、さらに上の世代との違いを明らかにしていくことが将来の生活者理解の一助になると考えています。

 私たちは、20年から産業能率大学の小々馬敦教授とともにα世代を含めた3世代研究を行っています。最新の調査として、25年9月に全国の10~40歳(α世代・Z世代・ミレニアル世代)約1万7000人に、インターネットを通して、アンケートを実施しました。アンケート対象者の性・年代・居住エリアの構成は、日本の人口統計に合わせた比率としました。回収後、ウエイトバックを用いて構成を精緻化しました。

 本研究では、若者を理解するための一つの区切りとして世代に分類し、分析をしています。年代や職業(例えば、中学生と高校生のような)で分析をすると緩やかに変化していることがより鮮明に表現されることを理解したうえで、本調査は世代区分で分析をすることを選択しています。

 なお、本調査では、ミレニアル世代(1976~1996年生まれ)・Z世代(1997~2009年生まれ)とα世代(2010年以降生まれ)として分析しています。

■「若者のSNS離れ」が始まっている

 アンケート調査のα世代とは、2010年4月~2015年3月生まれ=10~15歳の小学校高学年~中学生という自身専用のスマートフォンを持ち始めるであろう年代を対象としており、実際に74%のα世代が自分で普段使える機器=自分専用の機器としてスマートフォンを保有していました(図1)。

 また、スマートフォン以前に初めて保有する自分専用のデバイスとして挙げられることが多い携帯ゲーム機(Nintendo Switch Liteなど)やタブレットの保有率も他世代と比較して高い傾向を示しており、この年代が正に主使用端末がスマートフォンへと移っていく過渡期であるのだと推察されます。

 スマートフォンの保有率を年代別に示すと10~12歳(小学生)で60%程度、13~15歳で16~20歳に迫る85%が保有している結果でした(図2)。

 スマートフォンを保有するきっかけとして、明確な理由がない(白紙、特になし、わからないなど)約30%を除くと「中学進学のため」が10%とトップで、現在のスマートフォンの個人保有開始のピークは、中学入学時と推察できます。

 22年にも同様のオンラインアンケート調査を行っているため、デバイスの保有状況は、ある程度想定内でした。

 本調査における新たな発見は、Z世代では中心的なスマートフォンの使い方であったSNSについて、α世代では大きな違いが見られたことです。

 それは携帯ゲーム機でも閲覧が可能なYouTubeは、他世代と同程度の利用状況であるにもかかわらず、X(旧:Twitter)の利用率は12.7%、Instagramは22.7%とZ世代と比較して圧倒的に低いという点です(図3)。

 さらに、唯一多くのα世代に利用されていたYouTubeであってもアカウント登録をしていると回答しているα世代は23.4%と四分の一にも達していない状況でした(図4)。

 自分で普段使える機器=自分専用の機器としてスマートフォンを保有することで、当然のようにSNSの利用を始めると考えていたため、この結果には大きな衝撃を受けることとなりました。

(執筆:主任研究員 小林春佳、モデレーター 大野貴広 )

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