大学授業で“四則演算”、“be動詞の基本”…なぜ?不要論も「平均より低い方をなんとか底上げする方向で議論しないと深刻」 質向上の必要性は

大学授業で“四則演算”、“be動詞の基本”…なぜ?不要論も「平均より低い方をなんとか底上げする方向で議論しないと深刻」 質向上の必要性は

15日に行われた、財務大臣の諮問機関。財政制度等審議会の分科会で大学への助成をめぐる議論が行われ、大学教育の質について、問題があるという指摘があった。

「定員割れの私立大学には義務・中等教育で学ぶような内容の授業が行われている大学も見受けられ、社会で活躍できる優れた人材を育成できるよう、教育の質の確保・向上が必要」(財政審分科会の資料)

分科会の資料で、財務省は定員割れ私立大学で実際に行われている授業の例を挙げ、数学では「足し算、引き算、掛け算、割り算」の四則演算や、パーセンテージの計算。英語では、文型の基本とbe動詞の基本的機能、現在形と過去形の違いなどを挙げ、「教育の質について事実上評価できていないのが実態」と指摘、私学助成の見直しを検討すべきだとしている。

分科会の見解について、SNSでは「高等教育の場。義務教育レベルの学校を助ける意味はない」「義務教育と高校教育をもっとしっかり支えるべき」と賛同する声や、「義務教育で置いていかれた人の、最後の教育機会を奪うべきではない」との声もあがっている。大学教育はどうあるべきなのか。教員とともに『ABEMA Prime』で考えた。

■「専門性がないまま卒業すると捉えられがちだが、そんなことはない」

大阪経済大学の准教授、秦正樹氏は、過去に「四則演算の基礎」「ローマ字」を大学で教えたことがあるという。「例えば、レポートや授業のコメントをオンライン上で書いてもらうとき、『キーボード触ったことがありません』と言われて、触ってみると、『ローマ字わかりません』と言われたので、1回目の授業はローマ字の授業になった」。

その大学について「体育会系が強く、スポーツ推薦みたいな形で入ってるのは、一般的な情報から分かっていた。しかし、そこまでなのか…とは思った」と振り返る。

財務省の指摘に関しては、「義務教育をやるような大学、学生はいらないっていう議論が起きることは、いたって自然だと思う」。一方で、「正直、学ぶ意欲に関してはそんなに大きな差はない」といい、「名前を知ってるような関西の有名大学でも授業したことあるが、異常にやる気があるとは思ったこともない」と明かす。

また、「学部によるが、最終的に卒業論文や成果物を出さないといけない大学は結構ある。それを我々は書かせないといけない。先ほどのローマ字が書けない子たちを、専門的な内容も踏まえて、1万5千字以上の文章を書けるように(大学教員が)引き上げてる。専門性がないまま卒業するみたいに捉えられがちだが、決してそんなことはないと思っている」との考えを述べた。

■日本の大学教育についての賛否

あおちゃんぺは、大学について、「就活でも大卒か否かみたいな感じで、その資格があればいいってなってるから、ある意味、教育というよりは資格ビジネス的な感じに近い。大学のあり方自体があまり良くないのと、懐深い日本らしいのが今の状況だと思っている。義務教育レベルの人を放出しても社会で活躍できない。それを親がお金払ってその人たちを学び直させて、まともな人間にして社会に出してくれるのは、最後の砦としてはいいんじゃないか」との見方を示した。

TikTokerでYouTuberのYunaは、アメリカの大学を卒業している経験から、「活躍できる人を育てることに、アメリカは力を入れてる感じがする。例えば高校のとき、日系人も多い中、『核を落としたのは正解だと思いますか?』という質問を先生がする。すごいセンシティブな質問を高校生に投げかけて、みんなが意見を言う。そういう環境が整ってるからこそ、社会に出て自分の意見を言える子、活躍できる子が増えてる気がするけど、日本の義務教育は、正解をみんなが出さなきゃいけない。正解を暗記するような教育が多い気がする」と語る。

お笑い芸人のカンニング竹山は、「日本とアメリカの教育、特に大学のシステムは全く違うわけで、日本は留年するかもしれないけど、卒業できちゃうシステムになってる。秦先生がスポーツ推薦の話をおっしゃっていたが、入れてる大学も責任あるんじゃないか。どういう試験で、どういう人選で選ばれてるのか。でもそれは結局、大学経営のためだと思う」とした。

■財務省の報告書は「単に下の大学を切るだけ」

前参院議員の音喜多駿氏は、専門的人材をさらに良くするために、「大学の教授や先生の力を使う方が社会にとってはプラスだと思う。そのためには義務教育の延長でしっかりと人材育成しなきゃいけない。日本は大学に行ってホワイトカラーで働くことを理想像としすぎた。これは反省しなきゃいけないことだと思う」と述べた。

秦氏は、財務省の報告書について、「いわゆるFランクの私立大学の補助金を切り、その切ったお金を、例えば上位大学に配るかと言ったら、そのようなことは書いてない。お金が移転して、上位大学の学費を無償にして、研究費も1人10万〜20万つけるんだったら、イーロンマスクみたいな人が生まれるかもしれない。でも、今の仕組みは、単に下の大学の人を切るっていうだけだ」と言及。

続けて、「例えば、朝から晩まで勉強している上位大学の学生がどれくらいいるのか。サークルもバイトも楽しいし、そういうのはいいと思う。だが、今の日本の大学生は基本的にそっちの方が問題だ。そもそもボトムラインが低くて、平均が低い方をなんとか底上げする方向で議論しないと、深刻だと思う」と訴えた。

(『ABEMA Prime』より)

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