集団感染か…乗客ら約150人が下船開始 “退避作戦”始まる【バンキシャ!】

ハンタウイルスの集団感染が疑われているクルーズ船「MVホンディウス」が、日本時間の午後2時ごろ、スペイン・テネリフェ島の港に到着し、午後6時前から乗客の下船が始まったという。クルーズ船には、日本人1人を含む乗客乗員およそ150人が乗っていて、これまでに6人の感染が確認されている。【真相報道バンキシャ!】

■集団感染か…クルーズ船到着

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10日午前5時すぎ(日本時間午後1時すぎ)、夜明け前の港に我々は到着した。ここは、カナリア諸島・テネリフェ島。すでに多くの海外メディアの姿があった。パトカーや警察官も配置され、物々しい雰囲気だ。

そして午前6時すぎ──。

NNNテネリフェ島・本岡英恵記者

「1隻の船が湾に近づいてきました。当該のクルーズ船とみられる船が近づいてきました」

到着したのは、ハンタウイルスの集団感染が疑われているクルーズ船「MVホンディウス」だ。

NNNテネリフェ島・本岡英恵記者

「クルーズ船の中には、人の様子が少し見えますね」

乗客だろうか、船内を歩く人や、窓から外の様子をのぞく人たちが確認できる。

日本人1人を含む、およそ150人が乗っているこの船では、これまでに、6人のハンタウイルス感染が確認されていて、3人が死亡している。

■死者3人…これまでの経緯

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4月1日にアルゼンチンを出港し、大西洋の島々を巡りながらアフリカのカボベルデへ向かう予定だったクルーズ船だが、出港のわずか5日後から異変が起き始めた。

4月6日に乗客のオランダ人男性が、発熱や下痢を訴え、11日に船上で死亡。その後、男性の妻も、体調不良を訴え下船したが、26日に死亡した。

さらに、5月2日には、発熱と倦怠感を訴えていたドイツ人の女性も死亡した。

集団感染が疑われるこの船は、乗客を退避させるため、10日にテネリフェ島へ寄港した。

■乗客らの“退避作戦”始まる

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ヒトからヒトへの感染がまれに起こる恐れがあることから、乗客らの“退避作戦”は、細心の注意を払って行われた。

NNNテネリフェ島・本岡英恵記者

「こちら(乗客を)受け入れる場所となっているんですけれども、まず、この一番手前の部分に防護服を着た警察官がいます。またその奥に、乗客が乗る予定とみられる赤いバスが到着しました」

乗客らを乗せるバスは、感染対策だろうか、車内はテープのようなもので仕切られ、座席はシートで覆われていることが分かる。運転手も防護服姿で、マスクのようなものを手にしている。

そして、防護服を着た人を乗せた小さな船が、クルーズ船へと近づいていった。

■規制エリアで…“退避作戦”の流れ

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スペインメディアによると、乗客を退避させる流れはこうだ。

まず、クルーズ船は、島民などと接触しないように、規制されたエリアに停泊する。そして、最大5人ずつ小型の船に乗り込み、陸へと移動する。健康に問題がなければ、そのままバスに乗り換え、空港へ向かう。

バスの車内でも、運転手との距離を確保するため、前3列には座らず、乗客同士も一定の距離を保って座る。

全員が高性能マスクを着用し、窓をあけ、エアコンは使用しないという。

■ハンタウイルスとは…「遺伝子病制御研究所」へ

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集団感染が疑われる「ハンタウイルス」とは、どのようなものなのか。

バンキシャは、北海道札幌市にある「北海道大学 遺伝子病制御研究所」へ向かった。話を聞いたのは吉松組子准教授。研究歴36年、ハンタウイルス研究の第一人者だ。

吉松准教授は、マイナス80℃の冷凍庫から、1枚のプレパラートを取り出し、それを顕微鏡にセットして、我々にハンタウイルスを見せてくれた。感染力をなくしたもので、見やすいように緑色に着色されている。

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■感染するとどうなる?

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感染すると、どうなるのか。

北海道大学・遺伝子病制御研究所 吉松組子准教授

「今回のアンデス株は、肺が主な症状が出るところで、肺が水っぽくなって、溺れるような感じになってしまう。ワクチンも薬も基本的にはありません。対症療法が中心になります」

日本国内で、感染拡大の可能性はあるのか。

北海道大学・遺伝子病制御研究所 吉松組子准教授

「一般的な消毒には弱いです。だいたい構造はインフルエンザと同じなので、インフルエンザを消毒できるようなものでは、消毒できます。(感染の)可能性はゼロに近いですね、日本では。コロナのようなパンデミックになることはないです」

(5月10日放送『真相報道バンキシャ!』より)