GSユアサの日本庭園、環境省の自然共生サイトに認定 健全な生物多様性の維持を評価

環境省の自然共生サイトに認定されたGSユアサの日本庭園「緑橙苑」=4月21日、京都市南区(格清政典撮影)

電池大手、GSユアサの京都事業所(京都市南区)内にある日本庭園「緑橙苑(りょくとうえん)」が、環境省の「自然共生サイト」に認定された。園内には準絶滅危惧種を含む236種もの動植物が生息しており、健全な生物多様性が維持されていることが評価された。

同苑は同社が京都事業所を構えた昭和18年、北東部に造園された。約3600平方メートルの敷地内には、取引先などの来賓らをもてなす茶室や、社員らが安全祈願をする稲荷神社が併設されている。

昨年夏、同社が企業価値向上を目指して園内の生物調査をしたところ、植物160種に加えて、動物76種が生息していることが確認された。準絶滅危惧種に指定されているキシノウエトタテグモが巣を作っていたことが判明したほか、渡り鳥を含む鳥類も多く飛来していた。また、京都三大祭りの一つ、葵祭で使用されるフタバアオイを園内で栽培。上賀茂神社(同市北区)に奉納する活動を通じて、伝統文化継承に貢献していることも評価されたとしている。

緑橙苑内で育成されているフタバアオイ=4月21日、京都市南区(格清政典撮影)

環境省に申請する際にあたって、同社は社員を対象に日本庭園の名称を公募した。100件以上の応募の中から、同社のコーポレートカラーの緑とオレンジにちなんで「緑橙苑」と命名された。

自然共生サイトは、民間の取組などによって生物多様性の保全が図られている区域を環境省が認定している。全国で500カ所以上、京都府で10カ所以上が認定されており、認定された区域は国際データベースに登録され、ネイチャーポジティブ(自然再興)の実現などを進めていく。

GSユアサの日本庭園「緑橙園」=4月21日、京都市南区(格清政典撮影)

同社によると、緑橙苑は同社社員か取引先しか立ち入ることができないが、「日本庭園の景観を損なわないように生物の多様性を維持し、人と社会と地球環境に貢献する企業理念に取り組む」(同社関係者)としている。