名作『走れメロス』をラブコメパロディ化…王女をメロスが“口説く”展開に「友情どこいった(笑)」【漫画】

約束通りに王女のもとに戻ってきたメロス

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。

今回はLINEマンガで『ルナの恋愛実験ログ』を連載中の木村ぴこりーのさんに注目し、X(旧Twitter)に投稿された『口説け!!メロス』をご紹介しよう。

同作は太宰治氏の短編小説『走れメロス』をラブコメパロディ化した一作。以前木村さんのXにポストされると、多くの人の関心を集めて1.2万もの「いいね」が寄せられている。そこで作者の木村さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。

メロスが戻ってきた理由は“友情”ではなく…

『口説け!!メロス』(1/4)

身代わりとして置いていった親友・セリヌンティウスを救うために“ディオニス王女”のもとに戻ってきたメロス。王女は「本当に戻ってくるとはな」「バカな男よ」とメロスを哀れむと、メロスは「当然だ」「お前が待ってると思ったからな!」と言葉を返す。どうやらメロスは王女に惚れてしまったようで…。読者からは「セリヌンティウスのツッコミで笑った」「新解釈で面白い」などの声が上がっていた。

作者・木村ぴこりーのさん「“知っているのに知らない話になっていく感じ”を楽しんでもらえたら嬉しいです」

『口説け!!メロス』(3/4)

――『走れメロス』や『鶴の恩返し』など過去の名作を漫画化するようになったきっかけをお教えください。

以前からXで漫画を読んでもらうには、最初の数秒で「何の話か」が伝わることがとても大事だと感じていました。

Xは読者のタイムラインに突然作品が流れてくる場所なので、読者とすでに文脈を共有できている題材は入り口として強いんです。『走れメロス』や『鶴の恩返し』のような名作は、多くの人が大まかな内容を知っています。

だからこそ、少し改変するだけで「そこをそう変えるの!?」という驚きが生まれやすい。私はもともとラブコメを描くのが好きなので、名作の強い文脈に、恋愛のすれ違いやツッコミ、ヒロインの可愛さと言った自分が得意なテイストを入れたら、面白い化学反応が起こるのでは?と思いました。それがこのシリーズを描き始めたきっかけです。

――『口説け!!メロス』を創作したきっかけや理由があればお教えください。

『走れメロス』は、原作の強さはもちろんのこと、以前からネット上で文体をいじったパロディを見かけたりして、自分の中でもかなり印象に残っている作品でした。

内容自体も、友情、約束、暴君、処刑、全力疾走と、要素がとても強いんですよね。だから『口説け!!メロス』のアイデアは、散歩中にふっと降りてきました。

「メロスが走る理由を、友情ではなく恋愛にしたら?」

「暴君ディオニスを女王にしたら?」

「説得ではなく、口説く話にしたら?」

そう考えた瞬間に、一気に形が見えました。原作の“命がけで走る”熱量はそのままに、友情の物語をラブコメにずらす。そのズレが自分の中でしっくりきたのが、描くきっかけです。

――描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。

一番注目してほしいのは、名作の文脈がどのように変換されていくかです。

ただキャラクターを恋愛させるだけではなく、原作の有名な構造や印象的な要素を残しながら、そこを変えたのか!と思ってもらえる形にすることを意識しました。

読者が知っている物語だからこそ、改変したときのズレが笑いになる。その“知っているのに知らない話になっていく感じ”を楽しんでもらえたら嬉しいです。

あとは、ラブコメヒロインとしての作画にもこだわりをもっています。名作パロディであっても、最終的には「このヒロイン可愛いな」と思ってもらえることが大事だと思っています。ギャグとして読めるけれど、ちゃんとラブコメとしても成立している。そのバランスを意識して描きました。

――読者へメッセージをお願いします。

読んでくださってありがとうございます。今後もXでは、名作をラブコメに変換するシリーズを展開していく予定です。「この名作がそうなるの!?」と思ってもらえるような、ちょっと変な、でもちゃんとラブコメとして楽しい作品を描いていきたいです。

また、LINEマンガでは縦スクロール・フルカラー作品『ルナの恋愛実験ログ』を連載中です。恋愛が滅びた星から来た研究者の女の子が、地球で恋愛実験をするドタバタラブコメです。こちらも読んでいただけたら嬉しいです。