【年金生活者支援給付金】6月15日支給分から3.2%増額へ。手続きしないともらえない「追加給付」の仕組み

対象者は?いくらもらえる?《年金生活者支援給付金制度のイロハ》見落としがちな手続き方法を解説します

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【年金生活者支援給付金】6月15日支給分から3.2%増額へ。手続きしないともらえない「追加給付」の仕組み

2026年6月15日、いよいよ新年度の改定額が反映された年金の支給が始まります。

2026年度の公的年金は、前年度から国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%のプラス改定となりました。しかし、この増額は手放しで喜べるものではありません。

前年の物価が3.2%上昇しているにもかかわらず、今回の年金額はそれより低い「賃金の伸び(2.1%)」を基準に改定されました。

さらに、将来の制度維持のための調整(マクロ経済スライド)が差し引かれた結果、この改定率にとどまっています。

つまり、日々の買い物で感じる物価高のスピードに年金の増額が追いついておらず、実質的には「目減り」しているのがシビアな現実。年金収入に頼るシニア世帯にとって、家計のやり繰りはより一層厳しさを増しています。

こうしたなか、所得が一定基準を下回る年金受給者を支える「年金生活者支援給付金」という制度があるのをご存知でしょうか。実はこの給付金も、物価高を反映して増額されています。

本記事では、この給付金の詳しい内容や対象となる方の条件、そして「請求手続きを行わないと受給できない」という重要な注意点や手続きの方法について、わかりやすく解説していきます。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

年金生活者支援給付金とはどのような制度?3つの種類を解説

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年金生活者支援給付金制度について

年金生活者支援給付金は、公的年金に上乗せして支給される給付金制度です。

この給付金には、以下の3つの種類が存在します。

・老齢年金生活者支援給付金

・障害年金生活者支援給付金

・遺族年金生活者支援給付金

これらは「老齢・障害・遺族」の各基礎年金を受給している方で、公的年金などを含めた所得が一定の基準額に満たない場合に、2カ月に一度支給されるものです。

年金生活者支援給付金の支給要件とは?年金とは別に支給される対象者を解説

3種類ある年金生活者支援給付金には、それぞれに支給されるための要件が定められています。

3つの給付金に共通する基準は、受給者本人の「前年の所得」です。

老齢年金生活者支援給付金については、所得基準に加えて、いくつかの要件が設けられています。

「老齢年金生活者支援給付金」を受け取るための具体的な要件

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「老齢年金生活者支援給付金」支給要件

・65歳以上で老齢基礎年金を受給していること

・同じ世帯にいる全員の市町村民税が非課税であること

・前年の公的年金などの収入金額(※1)と、その他の所得の合計額が、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下(※2)であること

※1 障害年金や遺族年金といった非課税収入は合計額に含まれません。

※2 昭和31年4月2日以降に生まれた方で合計額が80万9000円を超え90万9000円以下の方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下の方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

障害・遺族年金生活者支援給付金の対象者について

・障害基礎年金または遺族基礎年金のいずれかを受給していること

・前年の所得(※)が479万4000円以下であること(扶養親族の人数に応じて増額されます)

※ 障害年金、遺族年金などの非課税収入は所得に含まれません。

それぞれの給付金について、上記の要件をすべて満たしている場合に、年金生活者支援給付金を受け取ることが可能です。

【2026年度】年金生活者支援給付金の基準額は3.2%増額

2026年度における年金生活者支援給付金の額は、前年の物価変動率を反映し、3.2%の引き上げが決定しました。

2026年度における年金生活者支援給付金の具体的な金額

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年金生活者支援給付金の給付額

・老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円

・障害年金生活者支援給付金:障害等級1級で月額7025円・2級で月額5620円

・遺族年金生活者支援給付金:月額5620円

老齢年金生活者支援給付金については、上記の基準額を基に「保険料を納付した期間や免除された期間」に応じて、実際に支給される金額が計算されます。

年金生活者支援給付金の手続き方法:対象者には日本年金機構から請求書が届く

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年金生活者支援給付金の手続き方法

年金生活者支援給付金の支給対象になると判断された方には、日本年金機構から請求手続きのための書類が送付されます。

書類の形式や郵送される時期は、年金の受給状況によって変わります。

ここでは3つのケースに分けて、送られてくる封筒や手続きの流れを説明します。

ケース1:これから老齢年金の受給を開始する方(緑色の封筒)

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年金請求書の封筒

これから老齢年金の受給を始める方には、65歳に到達する3カ月前に、年金を受け取るために必要な「年金請求書(事前送付用)」と一緒に「年金生活者支援給付金請求書」が送られます。

必要事項を記入したあと、受給を開始する年齢の誕生日前日以降に、年金の請求書とあわせて年金事務所へ提出してください。

ケース2:すでに年金を受給中の方(うす緑色の封筒)

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年金生活者支援給付金請求書の封筒

すでに基礎年金を受給しており、新たに給付金の対象となる方には、2025年9月1日以降、「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次送付される予定です。

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令和7年度の年金生活者支援給付金請求書(はがき型)

必要事項を記入し、同封されている目隠しシールを貼り付けます。

そして、差出人欄に自身の住所と氏名を書き、切手を貼ってからポストに投函します。

※支給要件に該当するかどうか確認ができない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)と、所得情報を確認するための所得状況届が送付されます。

ケース3:老齢基礎年金を繰上げ受給している方(うすだいだい色の封筒)

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年金生活者支援給付金の請求書封筒、繰上げ受給中の人用

老齢基礎年金を繰上げ受給している方のうち、給付金の受給権が発生する見込みの方には、65歳になる誕生月の初旬(1日生まれの場合は前月の初旬)に「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が郵送されます。

必要事項を記入後、同封の目隠しシールを貼り、差出人欄に住所・氏名を記載のうえ、切手を貼ってポストに投函してください。

※支給要件に該当するか確認できない方には、年金生活者支援給付金請求書(A4型)および所得情報等を確認するための所得状況届が届きます。

一度申請を済ませれば、支給要件を満たし続ける限り、翌年度以降の手続きは原則として必要ありません。

もし所得が増加するなどして支給要件を満たさなくなった場合には、「年金生活者支援給付金不該当通知書」が届き、給付金の支給は停止となります。

なお、2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき)」が届いた方は、電子申請での提出も可能になっています。

電子申請を利用して提出した場合は、郵送での提出は不要です。

65歳以上の高齢者世帯の収入実態:43.4%が公的年金のみで生活

厚生労働省が公表している「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」を基に、高齢者世帯(※)の収入状況を確認してみましょう。

まず、高齢者世帯全体の平均所得構成を見ると、収入の63.5%を「公的年金・恩給」が占めています。

次いで、仕事による収入である「稼働所得」が25.3%、「財産所得」が4.6%という順になっています。

ただし、これはあくまで全体の平均値に過ぎません。

「公的年金・恩給を受給している世帯」に限定して見ると、全収入を「公的年金・恩給」が占める世帯の割合は43.4%に達していることが明らかになっています。

※高齢者世帯:65歳以上の人のみで構成されるか、または65歳以上の人に18歳未満の人が加わった世帯を指します。

総所得に占める公的年金・恩給の割合ごとの世帯数

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出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況

公的年金・恩給が総所得に占める割合が100%の世帯:43.4%

・公的年金・恩給が総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:16.4%

・公的年金・恩給が総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:15.2%

・公的年金・恩給が総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:12.9%

・公的年金・恩給が総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:8.2%

・公的年金・恩給が総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.0%

このように、シニア層全体で見ると稼働所得なども一定の割合を占めていますが、年金受給世帯に絞ると、その半数近くが公的年金からの収入のみで生活している実態が浮かび上がります。

まとめ:給付金の活用と将来への備え

本記事では、公的年金に上乗せされる「年金生活者支援給付金」の仕組みについて解説しました。

2026年度は物価上昇を反映して給付額が引き上げられましたが、日々の買い物で感じる物価高のスピードには追いついておらず、年金が実質的には目減りしていると感じる場面も多いでしょう。

先ほどのデータでも見たように、シニア世帯の4割以上が収入のすべてを公的年金に頼っています。年金収入のみで生活を維持することは容易ではなく、日々の支出を見直して、いざという時のための「貯蓄」を少しずつでも確保しておくことが大切です。

そして、それと同じくらい老後の生活を守るカギとなるのが、公的な支援制度に対するアンテナを高く張っておくことです。

今回ご紹介した年金生活者支援給付金をはじめ、世の中の公的な支援の多くは、「自ら気づいて申請しないと受け取れない」仕組みになっています。制度を知らずに見落としてしまうと、もらえるはずだったサポートを逃してしまうことになりかねません。

「もしかして自分も対象かもしれない」と思ったら放置せず、届いた郵便物をしっかり確認したり、年金事務所や市区町村の窓口へ積極的に相談したりする姿勢を持つことが、安心できる老後への第一歩となるはずです。

※当記事は再編集記事です。

参考資料

・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額をお知らせする「年金額改定通知書」、「年金振込通知書」の発送を行います」

・日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」

・日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」

・厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」

・厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」

・厚生労働省「年金生活者支援給付金」

・日本年金機構「老齢基礎年金を新規に請求される方の請求手続きの流れ」

・日本年金機構「個人の方の電子申請(年金生活者支援給付金請求書)」

・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況

・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明

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