VTuber事務所二大巨頭がダブルで「減益」予想…市場やファン驚き エニカラ、カバーの理由説明とは

VTuber事務所二大巨頭がダブルで「減益」予想…市場やファン驚き エニカラ、カバーの理由説明とは
国内VTuber業界を牽引する二大大手であるカバー株式会社とエニカラー株式会社が、当期決算予想にて微減益および減益の見通しを示した。これに対し市場やファン層から注目と一部懸念の声が上がっている。
【画像】カバー、ANYCOLORそれぞれの今期業績予想に関する詳細説明(全3枚)
両社は成長を継続しつつも、先行投資や規律ある運営を重視する姿勢を強調しており、両社はそれぞれの背景を決算書にて説明している。
直近では昨日10日に「にじさんじ」を運営するエニカラー株式会社が2027年4月期の業績予想を公表した。
エニカラは1〜10%レンジでの減益予想、理由に「人件費増」
売上高は560億円から600億円で前期比0.6%から7.8%増と幅を持たせた慎重な見通しだが、営業利益は180億円から200億円で同10.8%減から0.9%減、経常利益も同様に2桁減から横ばい程度のレンジを提示した。当期純利益も123億円から137億円程度と同12.5%減から2.8%減の見込みとなる。
売上の予想について同社は「VTuberの起用頻度などでこれまで以上に規律を持った運用を行う方針を考慮した結果」売上全体を慎重に設定したと述べている。
一方、利益面では「従業員数の増加による人件費関連費用の上昇」が主な要因でコストが増加する見込みであることを明かし、利益を調整する計画を示した。

ANYCOLOR株式会社決算より
同社はライブストリーミング、コマース、イベント、プロモーションでのさらなる上振れを目指す一方「ファンコミュニティの盛り上がり次第で業績が変動する可能性」を考慮しレンジ形式の予想とした。
実際、前期には当初予想から数回の業績上方修正を実施(9月、12月)していたため、当期も期中に上振れる可能性もあると指摘されている。
しかし2026年4月期通期実績は全指標で20%を超える大幅な増収増益を記録し、力強さを示した反面の減益予想となったことで相対的なインパクトが大きい開示に。同日の同社時間外取引でも一時17%急落する値動きを見せていた。
そして本発表が行われた前月、国内大手として双璧をなす「ホロライププロダクション」を運営するカバー株式会社は2027年3月期の業績予想を発表した。
【関連】ANYCOLOR、本決算で20%超の大幅増収増益 “グッズ売上だけ”で100億円増加…全社牽引
カバーは先行投資で微減予想も「不可欠なプロセス」と捉える
カバー社も売上高は513億5000万円で前期比4.1%増と過去最高を更新する計画だが、営業利益は70億円で同0.8%減、経常利益も同1.0%減と横ばいか微減となる見通しを示した。当期純利益は巨額減損となった前期からの反動もあり同62.4%増を計画するものの、全体として利益面は慎重な姿勢を示した。
会社側はタレント構成やコミュニティ環境の変化に伴う一時的な調整局面を保守的に予算に織り込んだと説明している。
特に利益面においては同期を次なる飛躍に向けた「成長基盤強化に向けた投資期」と位置づけ「クリエイティブ制作環境の高度化やタレントマネジメント体制の拡充などへ集中的に資本を投下する」と言及。
これにより上記のような開示となったが、同社は「中長期的な成長加速と、外部環境の変化に左右されない強固な収益体質の構築に向けて不可欠なプロセスであると考えております」と重要性を強調し、理解を求めていた。

カバー株式会社決算より
具体的な下振れ要因としては原油価格の上昇による商品製造原価の高騰や為替・物価変動に伴う海外消費者の需要後退といった外的要因や、配信および自社EC売上の減少を挙げている。
一方、上振れ要因として新規タレントのデビューによるファン層拡大や、大型スマートフォンゲーム「hololive Dreams」のリリースを想定した。
市場では会社予想が慎重な内容となったため、成長鈍化への懸念が指摘され、株価に圧力がかかる場面も見られた。ファン層からも長期的なIP価値拡大や安定成長を支持する声がある一方で、急成長からの調整局面を不安視する意見も散見される。
両社とも中期的な成長目標を据え置き、投資と規律のバランスを図る方針を維持しており、今後の進捗が注目される。
※本記事は「オタク総研(https://0115765.com)」で掲載された内容の二次配信です