ロシア機がフィンランド領空を侵犯か:国境付近では軍事活動の活発化も
- 国境エリアで基地整備を進めるロシア
- ロシア機がフィンランド領空を侵犯か
- 南部の町ポルヴォー付近で発生
- ハッカネン国防大臣のコメント
- フィンランド国境でのロシア機の活動が活発化
- 初の事例ではない
- 懸念を呼ぶタイミング
- ロシア、フィンランドとの国境地帯で軍備を増強か
- 衛星画像から判明
- フィンランドのNATO加盟に対する応答か
- NATOとの軍事衝突を想定?
- フィンランドはウクライナ侵攻を受けてNATOに加盟
- ロシアはフィンランドのNATO加盟に恫喝的言辞で応じる
- 「今後は非友好国と考える」
- 国境地帯の軍備増強は宣言されていた
- ここ10年の動きから考えると
- 国境の向こうには仮想敵国
- フィンランド国防軍高官の発言
- インフラを整備し兵力を増強
- 大型倉庫や滑走路を整備
- 基地の整備が進む
- なんらかの戦闘行為に備えていることは確実か
国境エリアで基地整備を進めるロシア

ロシアがフィンランド国境周辺で軍事活動を活発化させていることが、最新の衛星画像分析から明らかになった。フィンランドがNATOに加盟したことを受けて一帯の軍事基地を再整備しているとみられるが、近い将来に軍事衝突を想定しているのではないかという見方もある。
ロシア機がフィンランド領空を侵犯か

5月23日、2機のロシア戦闘機がフィンランド領空を侵犯したという。フィンランド国防省が明かした。
南部の町ポルヴォー付近で発生

侵犯が起きたのは23日午後、フィンランド南部の町ポルヴォー付近でのことだった。この事態を受けて、フィンランド政府が詳細の調査に入っている。
画像:Wiki Commons By NormanEinstein, CC BY-SA 3.0
ハッカネン国防大臣のコメント

フィンランドのアンティ・ハッカネン国防大臣はこうコメントしたという:「我が国は今回の領空侵犯疑惑を深刻に受け止めており、現在詳細を調査中です」ロイター通信が報じている。
フィンランド国境でのロシア機の活動が活発化

ウクライナの軍事メディア「Militarnyi」によると、フィンランドのNATO加盟以来、ロシア機が同国国境付近での活動を活発化させているのだという。
初の事例ではない

同メディアいわく、ロシアは今年2月7日にもフィンランドに対する領空侵犯を行っているという。その時はロシア機が数分間にわたってフィンランドの領空を侵犯した。
懸念を呼ぶタイミング

今回の領空侵犯疑惑は、ロシアがフィンランド国境付近での軍事活動を活発化させているとの報道が出された直後に起こっており、懸念を呼んでいる。
ロシア、フィンランドとの国境地帯で軍備を増強か

その報道とは、最新の衛星写真から、ロシアがフィンランドとの国境地帯で軍備を増強していることが示唆されるというものだった。軍事の専門家は、戦略的な拠点での軍備増強はロシアが武力紛争の可能性を視野に入れていることを示しうると指摘している。
衛星画像から判明

スウェーデンの放送局「SVT」は米「Planet Labs」社が捉えた衛星画像を基に、ロシアとフィンランドの国境地帯4箇所の重要拠点で活動が見られたとしている。
フィンランドのNATO加盟に対する応答か

『The Finnish Times』紙は、軍事活動が認められた地域としてカレリア地峡のカーメンカやカレリア共和国のペトロザヴォーツク、セヴェロモルスク第2海軍航空基地、オレーニャ海軍航空基地を挙げている。同紙は、一連の活動はフィンランドがNATOに加盟した際にロシアが予告していた軍備増強にあたるものかもしれないとしている。
NATOとの軍事衝突を想定?

軍事アナリストらはロシアのこういった活動が、将来的なNATOとの軍事衝突を見据えてのものである可能性も指摘している。フィンランドは長年にわたり中立的な姿勢を取ってきたが、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて方針を転換、2023年4月6日にNATOに加盟している。
フィンランドはウクライナ侵攻を受けてNATOに加盟

2022年2月にロシアがウクライナへの全面的軍事侵攻を開始したことを受けて、フィンランドはNATO加盟手続きを開始、同じ北欧の国で長年中立を保っていたスウェーデンも同様の動きを取った。これによって地域のパワーバランスは大きく変わったうえ、NATO加盟国とロシアの国境戦は倍の長さになった。
ロシアはフィンランドのNATO加盟に恫喝的言辞で応じる

2023年4月、ロシアのディミトリ・ペスコフ報道官はフィンランドのNATO加盟は「我が国の安全、及びロシアの国益を脅かす」行為だと述べている。また、こういった振る舞いはフィンランドを危険にさらすことになるとも警告している。ロイター通信が報じた。
「今後は非友好国と考える」

ペスコフ報道官はこう述べている:「NATOに加盟したことで、フィンランドは自ら問題を招き寄せることになる。我が国はかつてはフィンランドのことを兄弟国とみなしていたが、今後は非友好国と考えるであろう」
国境地帯の軍備増強は宣言されていた

フィンランドのNATO加盟を受けて、ロシアは国境地帯の軍備増強を宣言していた。『ウクライナ・プラウダ』紙によると、2024年3月にはプーチン大統領がフィンランドとの国境に兵士や武装を配備すると述べていたという。
1年越しの応答

軍事アナリストのエミール・カステヘルミ氏はSVTに対し、フィンランド国境地帯における「活動の活発化」は、フィンランドがNATOに加盟したことに対する1年越しの応答だろうと述べている。だが、さらに憂慮すべき見解を示している専門家もいる。
ここ10年の動きから考えると

モスクワに拠点を置く防衛シンクタンク「戦略・科学技術分析センター」のルスラン・プーホフ局長は『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙にこう述べている:「ここ10年の動きから論理的に考えると、NATOとのなんらかの軍事衝突を想定していると考えられます」
国境の向こうには仮想敵国

プーホフ氏はこう続けている:「ウクライナから帰還した兵士が再配置される国境の向こう側には、仮想敵国がいると考えるべきです」ロシアが国境地帯で軍備を増強しているという報道が事実なら、フィンランド、ひいてはNATO全体は困難を予想しておくべきかもしれない。
フィンランド国防軍高官の発言

フィンランド国防軍で副司令官を務めるヴェサ・ヴィルタネン中将は4月中旬、独紙『ディ・ヴェルト』に対し、2022年時点ではロシアはフィンランド国境にわずか2万人ほどの兵力しか配備していなかったと語っている。
画像:Facebook @puolustus
インフラを整備し兵力を増強

ヴィルタネン中将はこう述べている:「それが今では新たなインフラを整備し、大急ぎで兵力を増強しています。まさに再編成の真っ最中なのです」ただし、配備されることになる兵力の具体的な規模は明らかになっていない。
大型倉庫や滑走路を整備

『The Finnish Times』紙によると、ペトロザヴォーツクにある基地では大型の倉庫が3棟増築されており、戦闘車両50両が収容可能な規模だという。また、セヴェロモルスク第2空軍基地では放置されていた滑走路が再整備された。
基地の整備が進む

衛星画像にはセヴェロモルスク第2空軍基地にヘリコプターが駐機している様子も映っている。また、カメンカの基地には2025年2月以来130もの軍用テントが張られている。この基地はこれまでは整備が進んでいなかったが、いまでは2,000人以上の兵を収容可能になっている。
なんらかの戦闘行為に備えていることは確実か

ロシアがNATOとの軍事衝突に際してフィンランドに対し攻勢をしかけることを計画しているのかは明らかではない。だが、規模や程度は不明ながら、同地域におけるなんらかの戦闘行為に備えていることは確かなようだ。
The Daily Digest をフォローして世界のニュースをいつも手元に