ハマスタ外野席「全面ホーム化」発表に波紋、選手の本音は… CSの席割りに分かれる賛否

外野席から選手たちに声援をおくるDeNAファン=横浜スタジアム(荒木孝雄撮影)

11日に開幕するプロ野球のクライマックスシリーズ(CS)で、セ・リーグ2位のDeNAが発表した本拠地の外野席を全面「ホーム指定席」とする席割りが波紋を呼んでいる。勝ち取ったファーストステージのホームアドバンテージを最大限に生かすのが狙いだが、対戦する同3位・巨人のファンを中心にSNS上で批判が噴出。賛否が渦巻く中、実際にプレーする選手たちの本音を聞いた。

応援するDeNAのファン =横浜スタジアム(今野顕撮影)

左翼席上部へ〝移転〟

DeNAの本拠地・横浜スタジアムではレギュラーシーズン中、左翼席をビジター応援席に設定していた。巨人戦では主に左翼席の3分の1~半分がビジター応援席に割り当てられていたが、CSでは2020年に新設された左翼席上部のウイングエリアへ〝移転〟。これにより、外野スタンド全体が、DeNAファンで埋め尽くされることになる。

背景には球団が掲げるテーマ「勝ちと価値の共創」がある。ファンの滞在時間を延ばし、声援量を最大化させることでビジネス面からチームの勝利を後押しする-という発想のもと、今季は特に力を入れて取り組んできた。

球団によると、今回のCSでビジター応援席は約1000席設けられ、シーズン中より200~300席ほど多いという。内野席の大半はホーム指定こそされていないものの、巨人ファンが確保することは現実的には難しく、席割りを発表した直後から「他球団へのリスペクトに欠ける」「相手あってのスポーツなのでは」と批判が相次いでいた。

「影響ない」「配慮欠ける」

思わぬ〝場外乱闘〟に選手は何を思うのか。巨人の選手たちは「(ビジター席が少ない)甲子園である程度慣れている」「プレーに大きな影響はないと思う」と断言する。ただ、ある投手は「完全アウェーにしたい気持ちはわかるが、ファンのことを思うと配慮が足りないんじゃないか。巨人ならそんなことはしないと思う」と苦言を呈した。

チャンピオンフラッグを持って場内を一周するDeNAの(左から)牧秀悟、筒香嘉智、三浦大輔監督=2024年11月3日、横浜スタジアム(渋井君夫撮影)

一方、大声援を受けるであろうDeNAの選手も複雑な胸中をのぞかせる。主力の一人は「ウイング席は高さも角度もある。応援しに来てくれた巨人ファンの子供たちが今まで通り、ハイタッチしたりして盛り上がれるのかは気になる」。また、別の選手も「自分たちだけいい思いをすればいい、というのは違う。お互いに敬意を持った中でやるのがプロ野球の魅力」と語った。

もちろん、球場全体から注がれる声の後押しは励みになる。「僕たちのことを考えて企画してくれたことは率直にうれしい」「360度からの声援は心強い」「ホーム開催の強み。力に変えたい」と口をそろえた。

他球団でも、日本ハムのエスコンフィールド北海道、広島のマツダスタジアムなどは左翼席が狭く、同様の位置にビジター席が配置されている。日本のような応援団がない米大リーグでは、ビジター席が区切られていない球場も多い。新たな一手は、プロ野球の応援の常識に一石を投じるのか。DeNAらしい革新の答えは、CSのグラウンドで試される。(川峯千尋)