《週2回でOK》長生きできる体づくりのために医師がすすめる2つの入浴法「40度のお湯に3分間肩まで浸かり…」

 意識しないと簡単に衰えてしまう筋肉。食事や運動などで筋肉を維持することは大切だが、普段の生活習慣を少し変えるだけでも筋肉の維持につながると医師の土田隆さんはいう。著書の『医者が考案したたんぱく質をたっぷりとる長生きスープ』(アスコム)でも筋肉の重要性を説く土田さんに、筋肉を維持するための生活習慣について教えてもらった。

長生きに効果的な入浴法を医師が紹介(写真/Photo AC)

教えてくれた人

土田隆さん/医師

医師の土田隆さん

 つちだ・たかし。よこはま土田メディカルクリニック院長、日本医師会認定産業医、日本体育協会公認スポーツドクター。東邦大学医学部卒業後、東邦大学医療センター大森病院脳神経外科学教室入局、磯子脳神経外科病院設立と同時に赴任。1989年、同院副院長就任。磯子中央病院合併と同時に同院副院長就任。磯子中央病院健康管理センター発足とともにセンター長兼任。2011年、よこはま土田メディカルクリニック開設。著書に『たった2週間で内臓脂肪が落ちる高野豆腐ダイエット』(アスコム)など。

筋肉にプラスの効果を与える入浴法2つ

 普段通りの入浴でも、筋肉をほぐしたり、血行を促進したりなど、筋肉にプラスの効果があるが、土田さんが特にすすめているのが、「温冷交代浴」と「HSP入浴法」だ。

入浴とシャワーを繰り返す「温冷交代浴」

 「温冷交代浴」は、温かいお湯と水に交互に浸かるもので、近年はアスリートが疲労回復や筋肉痛の緩和を促すために採り入れている。サウナと水風呂を交互に行き来するのも温冷交代浴の一種だ。

温冷交代浴は疲労回復などに効果的(写真/Photo AC)

「ただし、そこまで温度差があるものは、高齢の方にはオススメできません。私がオススメしたいのは、40度のお湯に3分間肩まで浸かり、その後湯船から出て、シャワーから30度くらいのぬるま湯を出し、手の先と足の先に30秒ほどかける方法です。これを3回繰り返し、最後はお湯に浸かって上がります。極端な温度差で始めず、ぬるま湯は心臓から遠い場所からかけることを意識してください」(土田さん・以下同)

ヒートショックプロテインを増やす「HSP入浴法」

 「HSP入浴法」は、体温を上げることで、傷ついた脂肪を修復するたんぱく質「ヒートショックプロテイン」を増やす入浴法だ。HSP入浴法の場合は、40度のお湯なら20分、41度のお湯なら15分、42度のお湯なら10分程度肩まで浸かり、舌下用の体温計で38度まで体温を上げることが重要。平熱が低い場合は、プラス1.5度が目安だ。

「入浴後に体が冷えると効果がなくなるので、体をふいて、15分ほどガウンやタオルで体を包んで保温してください。これにより、傷ついた筋肉の回復や成長をサポートできると考えられています」

どちらも頻度は週2回程度

 筋肉が衰えるのを防ぐのに寄与する「温冷交代浴」と「HSP入浴法」だが、どちらも入浴前後に水分補給し、浴室を暖めたうえで、湯船に浸かる前に体を洗っておくことがポイントだ。

 基本的には週に2回程度が目安だが、体調が悪いときは無理せず、通常の入浴をしよう。

温冷交代浴とHSP入浴法は週2回程度にすること(写真/Photo AC)

「特にHSP入浴法は体への負担が大きいので、無理は禁物です」

筋肉のためにはアルコールを控えたほうがいい

 筋肉のために控えたほうがいい生活習慣は「アルコール」だ。運動のあとにビールを飲むのが好き、という人もいるだろうが、運動後にアルコールを摂取すると、筋肉が作られるプロセスに影響を及ぼすため、運動の効果をなくしてしまう可能性がある。

アルコールは筋肉を作ることを妨げてしまう(写真/Photo AC)

「筋肉を作るスイッチをオンにするのは『エムトール』という酵素です。この酵素をはたらかせるには、運動をしたり、たんぱく質、なかでもBCAAの一つであるロイシンをとったりすることが有効なのですが、運動後にアルコールを飲むと、エムトールの働きが落ち、筋肉の合成率も落ちてしまいます」

アルコールを取るなら週1回の休息日に

 それでもお酒はやめられない、という人におすすめなのが、休息日を設けることだ。

「週に1回、筋肉のことを忘れる休息日を設けて、その日にお酒を楽しむこと。そうすることで、運動が苦にならずに長続きします」

 週1回では足りないという人は、朝に運動をして、十分に時間を空け、夜にお酒を楽しむようにするのでもよい。

 一方で、たばこは煙に含まれる一酸化炭素の働きで酵素が細胞にいきわたらなくなったり、コルチゾールというストレスホルモンが筋肉を分解したり、筋肉にいいことがないため、おすすめできないという。