有原航平はソフトバンク残留か巨人移籍か メジャー再挑戦狙う右腕が鍵握る前田健太の去就

今オフの去就が注目される前田健太(左)とソフトバンク・有原航平(右)。実績十分の両右腕は来季、どのチームでプレーするのか

有原航平投手(33)はソフトバンクに残留するのか、それとも巨人移籍を決断するのか-。水面下で勃発した争奪戦は、日本球界復帰を宣言した前田健太投手(37)=前ヤンキース3Aスクラントン=の進路にも影響を及ぼすかもしれない。

5年ぶり日本一に貢献

プロ野球のフリーエージェント(FA)宣言選手が12日、コミッショナーから公示され、ソフトバンク・東浜巨(なお)投手(35)や日本ハム・松本剛外野手(32)ら8選手(国内、海外含む)のFA交渉が13日から解禁された。各選手の動向に注目が集まる中、今オフの目玉といえるのは今季限りでソフトバンクとの3年契約が切れる有原だ。

ソフトバンクは今季、パ・リーグ連覇を飾り、日本シリーズでも阪神を4勝1敗で下して5年ぶりの日本一に輝いた。有原はレギュラーシーズンでは26試合に登板して14勝9敗、防御率3・03。日本ハム・伊藤大海投手とともに最多勝のタイトルを獲得した。日本シリーズでも第1戦と日本一を決めた第5戦の2試合に先発するなど、投手陣の柱として大活躍。当然ながら球団は全力で慰留に努めているが、有原サイドは「メジャー再挑戦」を念頭に、米大リーグ30球団とプロ野球11球団の評価も聞く姿勢で、11月末でホークスの保留者名簿から外れる公算が大きくなっている。

日本シリーズ第5戦に先発したソフトバンク・有原航平。今季は14勝を挙げ、チームのリーグ制覇と日本一に貢献した=10月30日、甲子園球場(長尾みなみ撮影)

メジャーではわずか3勝

有原は2020年オフ、日本ハムからポスティングシステムを利用してレンジャーズに移籍。21年から2シーズン在籍したものの、移籍1年目に右肩動脈瘤(りゅう)の手術を受けるなど故障に悩まされ、メジャー通算3勝7敗、防御率7・57と結果を残せなかった。

23年に日本球界に復帰する際、古巣の日本ハムではなくソフトバンクに入団した。レンジャーズで残した成績は芳しくなく、大リーグ関係者は「とても有原に好条件を示すメジャーの球団はない」と言い切る一方、「有原に対して好条件を示す球団は日米合わせても2つだけ。ソフトバンクと巨人だ」と続けた。

レンジャーズ時代の有原航平。メジャーでは2シーズンで計3勝と振るわなかった=2021年4月14日

有原の選択は、来季の日本球界復帰の意向を示した前田の進路にも影響を及ぼす可能性があるという。

4球団が前田を調査

前田は15年オフにポスティングシステムを利用して広島からドジャースに移籍。その後、ツインズ→タイガース→カブス3A→ヤンキース3Aと4球団を渡り歩いた。日米通算165勝の実績を誇る右腕は「(タイガースと23年オフに)2年契約をしたときにこれを終えたら(日本に)帰ろうと思っていた」と話す。

前田については、巨人、ヤクルト、DeNA、ソフトバンクの4球団が獲得調査を進めている。仮に有原が巨人を選択した場合、前田はあえて同じチームを選ぶのか、それとも先発陣が薄くなるソフトバンク、あるいは首都圏のヤクルトやDeNAか。ある球界関係者は「有原が巨人を選べば、前田はソフトバンクかも…」と話している。

それにしても、有原に前田、東浜のほか、楽天から海外FA権を行使した則本昂大(たかひろ)投手(34)と、実績のある投手には常に巨人の影がチラついてくる。巨人の先発陣で今季、2ケタ勝利を挙げたのは11勝(4敗)の山崎伊織投手(27)だけ。来季のV奪回に向けて喉から手が出るほど先発投手が欲しいのだろうが、育成に自信がない裏返しなのかもしれない。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) サンケイスポーツ運動部記者として阪神を中心に取材。運動部長、編集局長、サンスポ代表補佐兼特別記者、産経新聞特別記者を経て客員特別記者。岡田彰布氏の15年ぶり阪神監督復帰をはじめ、阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。

ツインズ時代の前田健太。来季、日本球界に復帰する意向を示している=2023年3月7日