実はダイエットに欠かせない「避けがちな栄養素」

筋肉をつけて体組成を変える, 糖質をしっかり摂らないと筋肉はつかない, 消費エネルギー「プラス300kcal」で筋肉をつけやすく, 1日1800kcalのエネルギー摂取を目指す

筋トレの強度を上げるために必要な「意外な栄養素」とは(写真:ふじよ/PIXTA)

「単に体重を減らすこと」と「体重にとらわれずスタイルがよく見えること」の2つではアプローチの方法がまったく違う――。そう語る運動指導者の森拓郎氏は、ダイエットのプロセスに欠かせない筋トレの効果を上げるためには、避けられがちな「ある栄養素」が必要だと指摘します。
一般にダイエットの大敵と見られているその栄養素とはいったいなんなのでしょうか。摂取が必要な理由と合わせて、森氏の著書『筋肉をつけて脂肪を減らす やせるしくみ化』から、一部を抜粋・編集する形で解説します。

筋肉をつけて体組成を変える

ボディメイクのゴールは体重を減らすことなのか、体重にとらわれずスタイルがよくて健康的に見えることなのか……。この2つは似ているようで、アプローチの方法がまったく違います。

【イラストで見る】筋肉を作るのは「運動刺激」と「栄養素」

体重を減らすなら、「摂取カロリー<消費カロリー」にするだけ。食事量を減らすか、有酸素運動などでエネルギーを消費することを意識します。

しかし、この方法では筋肉は増えることはまずないですし、むしろ減ってしまうことになります。筋肉が元々少ない人は、ますます健康からは遠ざかってしまうのです。

ではどうすればいいのか。標準値より体脂肪多め、筋肉少なめの割合を、筋肉多めにすることです。それにより肥満が解消する3つの理由を説明しましょう。

1つ目は代謝率が上がること。筋肉は脂肪と同じ重さでも、代謝率が高い。安静時も活動時もエネルギーの消費量が脂肪より多いので、太りづらくなります。

2つ目は血糖値の乱高下が起きづらくなること。筋肉がブドウ糖をグリコーゲンとして蓄えやすくなり、インスリンという血糖値を下げるホルモンが効きやすくなります。血糖値の急上昇も起きにくく、脂肪を合成しづらくなります。

3つ目は筋肉がついていると体が引き締まって見えます。筋肉が脂肪の下にあるかないかでも、脂肪の重力に対しての引き上がり方は違います。

また、筋肉は姿勢の保持にも関わるため、同じ体重でも見た目に違いが出る要素となります。

糖質をしっかり摂らないと筋肉はつかない

筋肉を増やすのに必要なのは、筋トレなどの運動刺激と、運動するための栄養です。筋肉を増やすためのシグナルは、運動の強度によって決まり、十分にエネルギーがあるなかで筋肉は増えます。

有酸素運動では、消費エネルギーは多いのですが、刺激が足りないうえに、代謝に必要なエネルギーまで消費してしまう恐れがあるので、筋肉を増やすには非効率です。

また、筋肉の材料としてたんぱく質は必要ですが、筋トレの強度を上げないことには筋肉はつきません。

筋トレで強度を上げるには、運動の主なエネルギー源である糖質が必要。消費エネルギーより、糖を中心に摂取エネルギーを多くすることで強度の高いトレーニングができ、筋肉量を増やせるのです。

十分な糖質が筋トレの刺激を強くし、それに反応してたんぱく質が筋肉へ合成されるのです。

筋肉をつけて体組成を変える, 糖質をしっかり摂らないと筋肉はつかない, 消費エネルギー「プラス300kcal」で筋肉をつけやすく, 1日1800kcalのエネルギー摂取を目指す

(出所:『筋肉をつけて脂肪を減らす やせるしくみ化』より)

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消費エネルギー「プラス300kcal」で筋肉をつけやすく

基礎代謝量と通勤や仕事、家事などの活動代謝量、食事による消化・吸収・代謝で発するエネルギーを足したのが1日の総消費エネルギーです。

これにプラス300kcal分のエネルギーを摂取するのが、筋肉をつけることを目的としたこのフェーズの食事量。プラスした300kcal内で強度のある筋トレを行うことで、筋肉がつきやすくなるのです。

プラスした300kcal分を糖質で補えば、運動での消費分は筋肉へグリコーゲンとして取り込まれるため体脂肪にはなりにくいので安心してください。

ただし、糖質は1gあたり3gの水分と結合するため、体重が増える、筋肉に張りが出て太ったように感じることもありますが、一定期間過ぎれば体重は落ち着きます。

このフェーズでは、「身長160cm、体重55kg、体脂肪率30%、運動習慣なし」の人の総消費エネルギーを1500kcal程度と想定し、1800kcalの摂取を推奨。

しかし、摂取量を増やしたのに筋肉が増えない人は、ダンベルを持つ、回数を増やすなど筋トレの負荷を上げましょう。また体脂肪が気になる人は、この食事量を消化できていないか、インスリンの抵抗性が起きている可能性があります。

消化力が低い人は、段階的に食事の量を増やすか、消化酵素の多い食材を取り入れて。食事後に血糖値が上がってもインスリンがうまく働かないインスリン抵抗性が起きている場合、血糖値のコントロールが必要。摂取した糖が筋肉に運ばれず、筋肉に転換できないからです。

糖質の摂取を増やしたことで血糖値の乱高下が起きているので、分食をして食事量を減らさないこともポイントとなります。

1日1800kcalのエネルギー摂取を目指す

1日3食1600kcalの食事を、胃もたれもなくしっかり食べられるようになったら、次の段階は摂取エネルギーを300kcalプラスすることです。

この300kcalは筋トレに必要なエネルギー。しかも、強度が高いほど糖質の使用量は多いとされています。

筋肉をつけるには高強度で筋トレを行うことが大切です。ただし、筋肉をつけたいからとたんぱく質ばかり摂取するのはNG。

たんぱく質は、筋肉の材料にはなるけれど、筋トレに必要なエネルギーにはならないからです。

たんぱく質は総摂取エネルギーの15〜20%、「体重×1.5g」が目安です。

筋肉をつけて体組成を変える, 糖質をしっかり摂らないと筋肉はつかない, 消費エネルギー「プラス300kcal」で筋肉をつけやすく, 1日1800kcalのエネルギー摂取を目指す

(出所:『筋肉をつけて脂肪を減らす やせるしくみ化』より)