日ハムに小林誠司、高梨雄平が移籍の可能性も? 巨人が松本剛をFA獲得で気になる人的補償の行方

■日ハムはプラスアルファになる選手を獲得?
日本ハムから国内FA権を行使して巨人に移籍した松本剛が27日、東京都内のホテルで入団会見を行った。清水隆行、亀井善行(現・巨人1軍打撃コーチ)と巨人で活躍した外野手たちが背負った「9」を託されたことが、今季センターを固定できなかった巨人の期待値の大きさを表している。松本は守備能力の高さに定評があり、22年に打率.347を記録し、パ・リーグ首位打者とベストナインを獲得した実績を持つ。今年は66試合出場で打率.188と不完全燃焼に終わったが、新天地で復活を目指す。
松本のFA移籍に伴い巨人は、日本ハムに対して金銭に加えて、選手1名の人的補償を行わなければならない。外国人選手、育成契約選手、新人選手を除いた28人を巨人はプロテクトできるが、つまり、日本ハムはプロテクトされなかった選手から選ぶことができる。
「主力選手、将来が嘱望される若手を数えてもプロテクトの28人を軽く超えてしまう。日本ハムからすると、今年出場機会に恵まれなかった松本より、プラスアルファになる選手を獲得できる可能性があるのです。最も気になるのは山瀬慎之助です。27日の契約更改でサインしましたが、球団との話し合いの中で出場機会を求めて保留した経緯がある。今年はイースタン・リーグで打率.302をマークするなど、課題の打撃で成長の跡を見せた期待の若手捕手ですが、甲斐拓也、岸田行倫、小林誠司がいる中で、来季も出場機会が一気に増えることは考えづらい。本人の意向をくみ取った上で、巨人サイドがどう判断するかが注目されます」(スポーツ紙デスク)

■プロテクトから漏れる可能性があるのは…
巨人の捕手陣が飽和状態となっている中で、大城卓三もプロテクトから漏れる可能性がある。原辰徳前監督の時は正捕手だったが昨年、阿部慎之助監督が就任すると出場機会が減少。今年はプロ入り最少の56試合出場で打率.187、捕手として先発出場したのはわずか3試合だった。セ・リーグのある球団の元編成担当は「大城は昨オフに国内FA権を行使せず、複数年契約を結んでいます。契約事項に“プロテクトされる”という文言が入っていなければ、プロテクトから漏れる可能性が高い」と指摘する。
日本ハムの立場から考えると、補強ポイントで優先度が高いのは左腕のリリーバー、二遊間を守れる内野手、捕手ということになる。捕手の伏見寅威とのトレードで阪神から左腕の島本浩也を獲得したが、即戦力左腕は何枚いても困らない。二遊間は石井一成が今オフにFA権を行使したため、移籍を想定する必要がある。
「プロテクトから外れていたら左腕の高梨雄平、山田龍聖。巨人では先発要員だった森田駿哉も補強ポイントに合致する。リリーバーなら左右関係なく能力の高い投手を獲得する選択肢もあり得ます。伸び悩んでいる右腕の堀田賢慎、田中千晴、平内龍太はスケールの大きいタイプで、日本ハムが好む投手。きっかけをつかめば一気にブレイクする可能性を秘めている。島本を獲得する際に経験豊富なベテラン捕手・伏見を放出したため、小林誠司が外れていた場合は獲得を検討する価値があります。投手の良さを引き出す配球術に長け、田宮裕涼、進藤勇也と違う色を出すことができる」(日本ハムを取材するライター)

■江藤智、工藤公康なども、その後に人的補償で
巨人の過去のプロテクト枠を見ると、実績十分の選手でもチームの将来を見据えて28人の枠から外すケースがある。18年オフのFA補強では西武の炭谷銀仁朗(現西武)を獲得した人的補償で内海哲也(現巨人1軍投手コーチ)、広島の丸佳浩の補償で長野久義が移籍となって大きな波紋を呼んだ。江藤智、工藤公康などFAで他球団から加入した主力選手も例外ではなく、その後に人的補償で他球団に移籍している。
「成績が下降線をたどり、チームに必要不可欠と言えなくなっているベテランは功労者であっても、断腸の思いでプロテクトから外す場合もある。今の巨人で言えば、レギュラーの座を失った坂本勇人が微妙な立場です。ただ、生え抜きのレジェンドであることや影響力の大きさを考えると、外すことは考えづらい。丸佳浩も昨年は故障の影響で出遅れて90試合出場にとどまりましたが、外野の3枠が固まっていない状況に加え、岡本和真がメジャーに挑戦することを考えると貴重な強打者です。一方で、今季日米通算200勝をマークした田中将大はプロテクト枠から漏れる可能性が高い。日本ハムの先発陣はコマがそろっているので獲得に動くことは考えづらいですが、ドラフトでも驚きの獲得に踏み切ることがある。日本ハムはメディアが予想していなかった選手を獲得するかもしれません」(前出のスポーツ紙デスク)
人的補償の移籍で、野球人生が変わる可能性がある。その代表的なケースが、22年オフに近藤健介が日本ハムからソフトバンクにFA移籍したことに伴って、プロテクトから漏れて日本ハム入りした田中正義だ。ソフトバンクにドラフト1位で入団してプロ6年間で未勝利だったが、日本ハムに人的補償で移籍後はストッパー、セットアッパーとして大活躍。今季は49試合登板で1勝1敗13セーブ12ホールド、防御率1.32をマークした。
毎回大きな話題になるプロテクト枠を巡る駆け引き――。今回はどんなドラマが繰り広げられるのだろうか。
(ライター・今川秀悟)
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