【チャンピオンズC 細江純子の直前!GⅠパドック講座】ナルカミめりはりの利いたアスリートボディー

アスリートボディーを手に入れたナルカミ。今回も同様の馬体を維持できていればあっさりまでありそうだ
今週の『直前!GⅠパドック講座』のターゲットはチャンピオンズカップ(7日、中京、ダート1800メートル)。パワー型の〝馬体自慢〟がズラリそろったなか、細江純子さんが注目4頭のレース当日のチェックポイントをあげた。
■ナルカミ、ポイントはトモの位置と胴の長さ
前走は今までで最も体を大きく見せ、めりはりの利いたボディーとなっていました。と同時に余分なものが一切ないそがれた体で、アスリートそのものと思えるつくりでした。
過去を振り返ると、大敗した2戦目(1勝クラス7着)だけ、別馬のようにこぢんまりと見せ、トモ(後肢)が内側に入っているかのような窮屈さが感じられました。
よって今回のポイントは、トモの位置と胴の長さ。前肢と後肢の位置が正しければ背中を長く見せ、全体的にバランスの取れた馬体に映ると思います。
■メイショウハリオは首、肩回り、トモにボリューム感があるか
前走のJBCクラシックは休み明けに加え、14キロ減の馬体重。当然、見た目は寂しく、正直厳しいと思われる体付きでしたが、結果は2着。これには陣営も驚いており、この馬のポテンシャルと気持ちの前向きさを感じさせる一戦でした。
さて今回は、「もともと叩かれて良くなるタイプだけど、本当に変わった」と大林助手。その言葉通り、トモの張り感が生まれ、全体的にパンプアップした印象を受けます。
よって当日のパドックでは、プラス体重かどうか? 首、肩回り、トモにボリューム感があり、体重に見合うつくりとなっているか? そこがポイントだと思います。
■ダブルハートボンド覇気のある動きをキープできているか
みやこSをレコードで走った後の中3週ゆえ、体重も含め、馬体を維持できているか? そのあたりがポイントになると思います。
とはいえ、もともとがダート馬には見えないほど線の細いタイプで、腹回りもスッキリと見せる体形。それだけに判断が難しいですが、まずは体重。極端に減っていない方がいいと思えます。あとは前走同様、パドックの外めを大きく周回できているか? 人間もそうですが、ダメージが残ると歩幅が狭くなり、重心が前に落ちてしまう傾向に。よって覇気のある動きをキープできているか? チェックです。

メイショウハリオ
■ルクソールカフェ落ち着きを保って周回できているか
海外帰り初戦となったジャパンダートクラシックでは、大型馬特有の緩さがうかがえました。そして1度叩かれての前走・武蔵野Sでは、まだ緩さを残しながらもJDCよりは締まった状態となり、推進力も感じる歩きに。めりはりが出てきたぶん、胴も長く見せるようになっていました。
今回は中2週での出走。覇気のある雰囲気のなかで、前走同様に落ち着きを保って周回できているか? そのあたりのメンタル面のチェックも重要だと思います。

ダブルハートボンド
★上積み感じたアウトレンジとメイショウハリオ あっさりもあるナルカミ
中京のダート1800メートルで要求されるのは、スピードの持続性、そしてソツのない立ち回り。さらに馬券的に相手として押さえたいのが、最後の直線でインをピッタリと回ってくる追い込み馬でしょう。
この3つの選択肢から、今回魅了されるのは5頭。まずはスピードの持続性からナルカミとダブルハートボンド、立ち回りからウィルソンテソーロとアウトレンジ、さらに枠&追い込みという点からメイショウハリオ。
このなかで前走からの上積みを感じるのが⑨アウトレンジと③メイショウハリオ。そしてスムーズな競馬ができれば、あっさりもあると思えるのが⑫ナルカミ。よって馬連・ワイド⑫―③⑨と、当日の状態にトキメキを感じたら⑨の単勝も押さえたいと考えます。
ホソジュン・パドックアーカイブ~2017年Vゴールドドリーム
「純ちゃん、ムーア騎手に謝っておいてほしい。俺はなんて失礼なことを名手に言ってしまったのか…」
そう話すのは、2017年のチャンピオンズC優勝馬ゴールドドリームを担当した木下裕也厩務員。実はレースの数週間前、ムーア騎手のエージェントを務める中村剛士氏から「ムーア騎手が『担当者がゴールドドリームをどう思っているのか聞いてほしい』と言っているので、ホソエさん、聞いてもらえませんか?」との依頼を受けたのです。
このゴールドドリーム、それまでのレースぶりから、とにかくスタートが遅い。かといって、その後にポジションを取りにいくとハミをかんでしまう面がある。ましてや500キロを超える大型馬。よって木下厩務員は「ポジションがキツくなってもスタート後は出していかない方がいい」とアドバイスしたのです。

ルクソールカフェ
しかしレースは真逆。⑨番枠から、やはりゆっくりめのスタートを切ったものの、ムーア騎手は果敢にプッシュしてポジションを取りにいきます。にもかかわらず、道中はきっちりと折り合いをつけて追走。そして直線、前を行く馬たちをゴール直前で捕らえたのです。
8番人気での勝利。まさに世界トップレベルのムーア騎手の技を見せつけられるとともに、馬と一番近い存在である担当者の声を聞く謙虚さを持ちながら、あらゆる角度から馬を分析する探求心の深さ、そのすべてにシビれたチャンピオンズCでした。
■細江 純子(ほそえ・じゅんこ) 1975(昭和50)年3月12日生まれ。愛知県出身。武豊騎手に憧れ、96年にJRA初の女性騎手としてデビュー。2000年に日本人女性騎手として初の海外勝利(シンガポール)。01年の引退後はホースコラボレーターとしてさまざまなメディアで活躍し、フジテレビ『みんなのKEIBA』、関西テレビ『競馬BEAT』に出演中。Xのフォロワー数は現在22万超。