箱根駅伝エントリー選手、史上最高レベルの精鋭ぞろい…25人が1万メートル27分台
新春恒例の箱根駅伝本番まで、3週間を切った。10日には各チーム16人のメンバーがエントリー。全336選手の自己記録を分析すると、4区間で新記録が生まれた前回を上回る、史上最高レベルの精鋭がそろったことが明らかになった。(編集委員 近藤雄二)

全日本大学駅伝7区で競り合う中大の岡田開成(右)と青学大の黒田朝日
28分台は必須の時代に
選手の力を測る指標となる、1万メートルの自己記録を見ると、27、28分台の選手は、前回を6人上回る史上最多の182人。過半数となる約54%にのぼり、10年ほど前にはエース格とされた28分台は、中堅選手にも必須の時代になった。

1万メートル27、28分台の選手数の推移
現代のエースを象徴する27分台は、前回からプラス5人の25人。全体1位は東京国際大のリチャード・エティーリ(3年)で27分6秒88だった。日本人トップの4位は、2年ぶりに箱根路に返り咲いた東農大の前田和摩(3年)で27分21秒52。日本歴代7位の日本人学生トップランナーが、予想される2区で、いかなる真価を発揮してくれるか。

1万メートルで今大会日本人トップのタイムを持つ東農大の前田和摩
上位10人平均、中央大が史上初の27分台
各チーム上位10人の平均では、中大が史上初の27分台に突入する、27分55秒98という歴史的ハイレベルに達した。2年連続でトップを守り、前回から約20秒も平均タイムを押し上げた。
前回7区7位の岡田開成(2年)が急成長し、27分37秒06の中大記録で全体8位。同10区4位の藤田大智(3年)も27分40秒50で同10位と、2人が10傑に入った。さらに吉居 駿恭(しゅんすけ) 、溜池一太の両4年生エースを含め、最多の6人が27分台という圧巻の布陣。藤原正和監督も「ようやく優勝を狙うチームになった。速いだけのチームだったのが強さを持ち始めたことが、今のチームの勢い」と、30年ぶりの優勝へ向け、確かな自信をのぞかせる。
2番手に青山学院大
10人平均の2位は、3連覇を狙う青学大。中大をピタリと追走するように、前回から約19秒短縮する28分1秒08で27分台に迫り、タイム的には、中大との突出した「2強」を形成した。
エース黒田朝日(4年)が27分37秒62で全体9位に食い込み、折田壮太ら2年生3人が27分台に突入するなど、前回初めて出した27分台ランナーを、2人プラスの5人まで増やした。
今季は前回優勝メンバーから6人が抜け、出雲駅伝7位、全日本大学駅伝3位。箱根3連覇に暗雲が漂っていたが、11月のトラックで自信を取り戻した。原晋監督も「優勝できる組織になってきた。必ず大手町に一番星で帰ってくる」と、自信たっぷりに宣言する。

第102回箱根駅伝の1万メートルタイム10傑
国学院大は野中恒亨が急成長
10人平均の3位は、出雲で2連覇を果たした国学院大の28分23秒54。27、28分台は前回から2人増やして12人とし、戦力の充実を数字でも証明した。
今季の課題は、3年連続2区を務めた平林清澄(ロジスティード)の後継者育成だったが、前回1区6位の野中 恒亨(ひろみち) (3年)が大躍進。1万メートルで国学院大記録となる27分36秒64をマークし、今大会10傑でも日本人3番手の7位に入った。

国学院大のエースに成長した野中恒亨(右)。左は辻原輝
エース育成、底上げも果たし、ハーフマラソンでは1時間0分、1分台が計9人と他校を圧倒。前田康弘監督も「箱根1点だけを見てチームを作ってきた。全身全霊をかけて準備していきたい」と、悲願の初優勝へ気合十分だ。
駒沢大は上昇、早稲田大が最下位
前回、10人平均で最下位の21位だった駒大は28分35秒00で6位。27分28秒50で全体5位の佐藤圭汰(4年)を筆頭に、27、28分台は前回から3人増の9人と、数字でも底上げを示した。
その前回は、復路優勝を果たして総合2位。藤田敦史監督は「トラックが速いからといって、箱根駅伝で勝てるわけではないのが面白いところ。優勝タイムは、前回程度は目指さないと置いていかれる」と、青学大が出した大会新記録の10時間41分19秒を見据えた。
一方、今回最下位に沈んだのが前回箱根で4位の早大。秋に積極的にトラックを走らず、伸び悩んだ。駒大の好例に倣い、下克上を果たしたいところだ。
日大がダークホースか
また、予選会校では日大が大健闘。シャドラック・キップケメイ(3年)が27分20秒05で全体2位に入り、橋本櫂知(2年)の28分35秒32など、27、28分台は前回プラス4人の15人で、トップ中大と並んだ。

登録メンバーの1万メートル27、28分台の選手数と上位10人平均
10人平均も28分33秒29で5位。新雅弘監督は「シード権争いができればいい」と控えめだが、タイムから言えば、上位を脅かすダークホース的存在になってもおかしくない。