「習近平、トランプに足を取られる!」米軍マドゥロ拘束、中国の“エネルギー生命線”を直撃か

出典:聯合ニュース

米国が主権国家であるベネズエラの現職国家元首を武力で拘束・移送したことを受け、国際法違反ではないかとの議論が国際社会で続いている。

ドナルド・トランプ米大統領による今回の作戦については「ドンロー主義」と呼ばれる西半球での覇権再確立と米政府が長年課題としてきた麻薬密売の遮断が目的だとする見方が支配的とされる。一方で、実質的には中国をけん制する狙いがあったとの解釈も出ている。

専門家の間では今回の作戦の最大の動機として「石油」が挙げられている。実際、トランプ大統領は「本来、我々(米国)が取り戻すべきだった石油を取り戻した」と発言した。これは1970年代の石油国有化や、2007年のウゴ・チャベス政権による米企業資産の没収に対する報復との受け止め方が広がっている。

注目されるのは、ベネズエラ産原油の約80%が中国に輸出されている点だ。世界最大の石油埋蔵量を持つOPEC加盟国ベネズエラは、今回の作戦のおよそ2か月前に当たる2025年11月時点で、1日当たり約92万1,000バレルの原油を輸出していた。

このうち約80%に当たる約74万6,000バレルが中国向けだった。中国はベネズエラ産原油のみを精製する「専用施設」まで整備し、ベネズエラの原油を積極的に利用してきたとされる。

仮に中国がベネズエラからの原油輸入に支障を来した場合、専用施設の稼働率低下に加え、より高価な代替原油を調達しなければならないコストやリスクを負うことになる。

出典:聯合ニュース

結果として、米国がマドゥロ政権を排除し、ベネズエラの石油供給を掌握した現状は中国の「エネルギーの生命線」を締め付ける効果をもたらし、対中圧力をより効率的に高める可能性があるとの見方が出ている。こうした点が、トランプ大統領がマドゥロ政権の排除を通じて習近平中国国家主席の動きを抑え込んだとの評価につながっている。

今回の作戦で重要な役割を果たしたとされるマルコ・ルビオ米国務長官の「米国は石油が必要ない」との発言からも読み取れる。ルビオ長官はマドゥロ大統領拘束後、現地メディアに対し「我々(米国)はベネズエラの石油を必要としていない。米国には石油が豊富にある」とし「容認できないのはベネズエラの石油産業が『米国の敵対勢力』によって支配されることだ」と語った。

さらに「中国やロシア、イランはなぜベネズエラの石油を必要としているのか。彼らは同じ大陸にすらいない。この点を理解する必要がある」とも強調した。

引用:聯合ニュース

ルビオ長官が言及した「米国の敵対勢力」とは中国、ロシア、イランなどの反米陣営を指すとみられ、米国がベネズエラ産原油に強い関心を示す根本的な理由はこうした国々に対する抑止力を高める狙いにあるとの分析がされている。

「中国、台湾侵攻の口実を得ることになる」

一方で、中国が今回の米国の軍事行動を通じて台湾侵攻の口実を得る可能性があるとの指摘もでている。

引用:中国中央テレビ(CCTV)

米国の軍事行動によって、中国やロシアとの紛争を抑制してきた国際的な規範が弱体化する恐れがあるためだ。米国が自衛権の枠を超えてベネズエラを空爆したのであれば、中国も同様の論理で台湾攻撃を正当化しかねないという見方である。

このため、一部の専門家は今回の一連の動きの最も明白な結果は中国が台湾侵攻の機会を得ることだと指摘している。

3日、米国フィラデルフィアで開かれた全米経済学会(AEA)年次総会では、ハーバード大学経済学部のケネス・ロゴフ教授が「ロシアはウクライナを、米国はベネズエラを、そして次は中国が台湾を侵攻するかもしれない。すべてが破壊的な状況だ」と述べた。

なお、中国とロシアが含まれる国連安全保障理事会常任理事国による緊急会合は5日午前(現地時間)、ニューヨークの国連本部で開かれる予定だという。

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