やばっ、懐かしい! 当時ボーイズレーサーと呼ばれた“昭和のコンパクトカー” 高出力エンジンを搭載した「小さなホットハッチ」3選

ボーイズレーサーって何?

 1980年代にブームとなった「ボーイズレーサー」は、1.5リッターや1.6リッタークラスの、いわゆるCセグメントのハッチバックやクーペが主流でした。

 軽量なボディに小排気量で高性能なエンジンを搭載。当時はまだ車両価格が安かったこともあり、若者がローンを組み、バイト代や給料をすべて注ぎ込んで手に入れたクルマで、週末には峠やミニサーキットなどに走りに行った時代でした。

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 そうしたブームが続くと、1980年代後半には1リッターから1.3リッタークラスの、いわゆるBセグメントのハッチバックにも高性能エンジンを搭載したボーイズレーサーたちが登場します。

 今回は、そんなBセグ ボーイズレーサーの中でも注目を浴びた3車種をピックアップして紹介しましょう。

●スズキ「カルタス 1300GT-i」

国産1.3リッタークラスで初のDOHCを搭載

 スズキのコンパクトハッチバック、カルタスは1984年(昭和59年)にターボ搭載車を発表しましたが、パワーとシャシのバランスがいまひとつでした。

 1986年(昭和61年)、カルタスはマイナーチェンジを機に国産1.3リッタークラスで初のDOHCエンジンを搭載した「1300GT-i」を発表しました。

スズキ「カルタス 1300GT-i」(1986年)

 G13B型と呼ばれる新開発のエンジンは、カムダイレクト駆動の4バルブヘッド、4-2-1のエキゾーストシステム、ホットワイヤー式EPI、そしてデスビレス点火システムなどにより、最高出力はネットで97psを発生しました。

 車両重量はわずか730kgで、そのハイパワーに対応させる走りのために、リアサスはそれまでのリーフリジッド式からトーションビーム コイル式に変更されました。

 好レスポンスのDOHCエンジンに追従性の高いリアサスペンションも相まって、ワインディングロードではボーイズレーサーと呼ぶにふさわしい切れの良い走りが楽しめました。

 1987年(昭和62年)のマイナーチェンジで、G13B型エンジンはさまざまな改良が施され、最高出力は110psにアップされました。

 最高出力発生回転数も1000rpm引き上げられて高回転域の伸びも切れを増し、足まわりも強化されたことで、カルタス 1300GT-iはノンターボの1.3リッタークラスでは最強の座を誇りました。

1リッター級でも過給器搭載で“カットビ”だった2台

●ダイハツ「シャレード GTti」

サファリ ラリーでも活躍した

 1977年(昭和52年)に世界初の4ストローク3気筒エンジンを搭載して登場したダイハツのリッターカーが、シャレードでした。

 1983年(昭和58年)に登場した2代目ではターボやディーゼル車も設定し、デ・トマソとコラボしたモデルも設定されました。

 1987年(昭和62年)にフルモデルチェンジされた3代目では、これぞボーイズレーサーと呼べる「GTti」がラインナップされました。

ダイハツ「シャレード GTti」(1987年)

 搭載されたパワーユニットは、1リッターの直3エンジンを4バルブDOHC化し、これに小型のターボと空冷インタークーラーを装着したCB-70型でした。

 ターボはショートエキゾーストマニホールドに直結され、ダイハツ独自の過給圧コントロールシステムなどを組み合わせ、最高出力は105psを発生しました。

 当時、同クラスのターボ車の最高出力は80psくらいでしたから、このスペックはかなりのハイパワーといえるでしょう。

 ちなみに、当時の自動車雑誌のテストでは、実測で200km/h近い最高速度と、0→400m加速タイムは15秒台前半を記録しています。

 1988年(昭和63年)にはインタークーラーを水冷化し、グレード名はGT-XXに変更されましたが、そのパフォーマンスに変わりはありませんでした。

 シャレード GT-tiはサファリ ラリーでも活躍し、毎年のようにクラス優勝を獲得しました。

 1993年にはクラス優勝だけでなく大排気量車をおさえて総合5-6-7位に入る快挙も成し遂げています。

●日産「マーチ スーパーターボ」

ターボ+スーパーチャージャーのツインチャージで武装

日産「マーチ スーパーターボ」(1989年)

 日産のリッターカー、マーチは1985年(昭和60年)にターボ車を設定しましたが、1988年(昭和63年)にはモータースポーツ参戦用のマーチ「ターボR」を発表しました。

 MA09ERT型というエンジンの排気量は、モータースポーツにおけるターボ係数の1.7をかけても1.6リッターに収まる930ccとし、しかもターボだけでなくスーパーチャージャーも採用し、ツインチャージで最高出力は110psを発生しました。

 ターボが効かない低回転域をスーパーチャージャーが補い、高回転域ではターボが過給するので、全域でハイパワーを発生することができました。

 車両重量は740kgでしたから、パワー/ウエイト レシオは6.7kg/psで、これにフロントビスカスLSDや超クロスレシオの5速MTを組み合わせ、ラリーなどで活躍しました。

 このマーチ ターボRの市販型を望む声が高まり、1989年(平成元年)に登場したのが、マーチ スーパーターボでした。

 基本ボディこそノーマルのマーチと変わりませんが、丸型フォグランプを内蔵したフロントグリル&バンパーに、ボンネット上にはインタークーラー用のエアダクトが備わるなど、顔つきは迫力を増していました。

 しかも、トランスミッションには3速ATも設定され、ハイパワーをイージードライブで楽しむこともできました。

 コンパクトなボディにツインチャージ エンジンを搭載したマーチ スーパーターボは、まさにリトルダイナマイトと形容されるようなボーイズレーサーになっていました。

※ ※ ※

 ボーイズレーサーは、1962年に登場した「ミニ・クーパー」や1977年登場のVW「ゴルフGTI」が発祥ともいわれていますが、国産車は独自の進化を遂げ、Bセグメントカーと呼ばれるコンパクトカーにまで波及していきました。