新型RAV4公道初試乗! いいか悪いか国沢親方が辛口評価!

2025年12月に発売となった新型RAV4。ようやく公道試乗会が都内で開催された。初めて乗ったモータージャーナリストの国沢光宏氏は、新型RAV4のZとアドベンチャーをどう評価したのか?
文:国沢光宏/写真:奥隅圭之、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】新型RAV4 Zとアドベンチャーの写真をチェック!(8枚)
都内の一般道、首都高速で試す!

新型RAV4。右がZ、左がアドベンチャー
最初に書いておくがタイトルが「辛口評価」となっているけれど、私は「辛口」でなく「正直」です。よいクルマは躊躇わず誉めるし、イマイチならその通り評価するだけ。ということで新型RAV4である。前置きは後回しにして試乗といきましょう!
まず上級グレードの“Z”から。走り出してすぐ「あらら?」なのが乗り心地。235/50R20インチタイヤ(TOYO PROXES SPORT)を履いているため不利なハズながら、予想以上に良質。加えてボディの剛性感高く、全体としてSUVというより、よくできたセダンみたい。

20インチタイヤを履いたZグレード。価格は490万円
ダンパーは新しいコンセプトになっており、さらに前後のサスペンションの取り付け部分の強度を上げるなど「乗り心地良いクルマになるためのアイテム」をすべて取り入れているそうな。こういった対策、文法通りにやればハッキリ効果出る。
ところが実際採用しようとすると、コストの問題や「そこまでやらなくても問題ない」みたいな車体設計からの不要論出てしまう。最近のトヨタの凄いところは、テストドライバーの意見をクルマ作りに反映させている点。ステアリングフィールも良く快適です。
ブレーキのタッチも良くなっている。今までブレーキの油圧系は高圧タンクからバルブを開くことで稼働させていた。このシステム、確実ながらバルブの精度コントロールが難しく、カックンブレーキ傾向になりがち。新型は電動加圧ポンプ式に変更されたため普通のエンジン車と同じ“踏み心地”になっている。
■新型RAV4主要諸元
ボディサイズ=全長4600×全幅1855×全高1685mm
パワートレイン=シリーズパラレルハイブリッド、2.5L+電気モーター+E-four
エンジン=最高出力186ps/最大トルク22.5kgm
フロントモーター=最高出力136ps/最大トルク21.2kgm
リアモーター=最高出力54ps/12.3kgm
システム最高出力=240ps
WLTCモード燃費=Z(22.5km/L)、アドベンチャー(22.9㎞/L)
EV走行距離=151km
次に気になるのがドライバビリティ。RAV4は先代から良い意味でエンジンの存在感が大きかった。走り出しこそモーター主体ながら、速度出た状態だとしっかりエンジンを感じる。エンジンを発電機として使いモーターで走るタイプの2モーターハイブリッド(ホンダや日産)はエンジンの存在を隠す方向。
実際、エンジン車より電気自動車に近い雰囲気を持つ。RAV4に乗るとエンジン車である。その代わりけっこう気持ちよいエンジンフィールなのだった。スポーツエンジンのように乾いた音で回る。
エンジン車から乗り換えた人だと違和感なし。モーターで走る雰囲気が好きならRAV4に追加されたPHEVを薦めておく。補助金使えばハイブリッドと大差なし(東京都ならPHEVの方が安い)。

RAV4 PHEV。2.5Lエンジン(186ps/23.4kgm)+フロントモーター(206ps/27.7kgm)+リアモーター(55ps/12.5kgm)を発生。システム最高出力がハイブリッドの240psに比べ329ps。普通充電で200V/6kWで約4時間30分、急速充電は約28分で満充電の約80%充電可能
■補助金を引くとPHEVの方が安い
・RAV4 Z(PHEV)=600万円-CEV補助金85万円-東京都補助金55万円-エコカー減税3万円-グリーン化特例3万2500円=453万7500円
・RAV4 Z(HV)=490万円-エコカー減税3万円=487万円
※2026年3月までの金額。2026年度は未定
上記のとおり、車両本体価格は110万円、ハイブリッドよりPHEVのほうが110万円高いが、補助金等を引くと33万2500円(諸費用を除く)、PHEVのほうが安くなる。
■RAV4ラインナップと価格
Z PHEV(E-four)=600万円
GR SPORT(PHEV、E-four)=630万円
Z(ハイブリッド、E-four)=490万円
アドベンチャー(ハイブリッド、E-four)=450万円

Zグレード。ボディサイズは全長4600×全幅1855×全高1685mm
ADAS(先進運転支援システム)を高速道路で試す
続いてバージョンアップしたADAS(先進運転支援システム)を試す。ADASで大切なのは人間でだと目の役割をするカメラとレーダーの性能。新型RAV4から両方とも1.5倍くらい性能アップしたそうだ。
高速道路でアダプティブクルーズコントロールとレーンキープサポートを試してみたら、相当満足度の高いノアやプリウスのADASより緻密なコントロールをしている。ハンドルを持っているかどうかの判定は、握っていても「握れ」と怒られるトルクセンサーでなく、触っていればOKの静電センサー(コスト高)。
高速道路ならお好みの速度をセットし、ハンドルに軽く手を触れておけば快適なクルージングを楽しめる。今やロングライブするならADASは必需装備だと思う。何よりストレスなし! 「眠くなったらどうする」という人もいるけれど、カメラで監視されているため注意されます。
今回レーンキープの難易度が高い首都高も走ってみた。さすがにトレースできないコーナーもあったけれど、あまり厳しい状況までクルマに任せるのは怖い。そういった意味では全面的に任せて「もうダメ!」(笑)されるよりいいと思う。
18インチタイヤを履くアドベンチャーは?

18インチタイヤを履くアドベンチャー。価格は450万円
続いて235/60R18インチタイヤ(DUNLOP e.SPORT MAXX)を履く「アドベンチャー」に乗る。走りという点ではタイヤの違いだけといってよいのだけれど、予想以上に雰囲気変わる。一般的に20インチより18インチの方が乗り心地良い傾向ながら、新型RAV4は後者を選ぶと良くない意味での緩さを感じてしまう。
SUVっぽくなる、と言ったら分かりやすいかもしれない。全ての挙動がワンテンポ遅れる感じ。新型RAV4は「緩さ」をなく車体作りをしているのに、タイヤが50扁平から60扁平になったぶんだけ「空気とゴム」の柔らかさが出る。
もちろんそれでも平均的なSUVと比べれば上々ですけど。この点、開発チームに聞いたら認識しているとのこと。考えてみればアドベンチャーを選ぶようなユーザーはタイヤ交換なども考えていると思う。
実際、トヨタでも間もなく純正の地上高50㎜ハイトアップオプションを出すそうだ。50㎜上がったらスーパーマンのような走破性になる。悪路はもちろん昨今の大雪で深いワダチができたような雪道だって怖くない。地味なフロントグリルを合わせ、モディファイのベースモデルとして考えているようだ。
まとめ:最大のライバルはRAV4 PHEV!

上が先代モデルのRAV4、下が新型RAV4
エクステリアとインテリアをチェック。プラットフォームは先代の改良型ということで、横から見た時のシルエットなどほぼそのまんま。フロントグリルやリアコンビの方向性を大きく変えたため、オフロード志向だった先代より少し都会方向になった。

12.9インチのディスプレイ、12.3インチのTFTメーターを組み合わせる
インテリアはデザインを大きく変えたものの、リアシートの居住性など先代と同等。身長183㎝の私が運転席に座ると、同じ身長の人でちょうど。標準的な日本人の体格なら全く問題ないと思う。ラゲッジスペースは十分な広さを持つ。

後席は十分な広さを確保している
以上、新型RAV4を買おうと考えているなら背中を押しておく。SUVとして考えたら世界TOPクラスの快適性や上質感を持つ。
最大のライバルはRAV4 PHEVかと。前述した通り、補助金を考えたら、RAV4 PHEVはむしろ割安感ある。 昨今のガソリン高騰を見ると、電気だけで100㎞以上(カタログ値のEV走行距離は151㎞)走れるのがありがたい。
先代RAV4のPHEVに乗っている読者の方が何人もいるけれど、みなさん満足度メチャ高。購入時のハードル(売れすぎて受注停止中のディーラーも多い)もPHEVの方が低い傾向です。