ウォーキングがもたらす15の健康効果とは? 睡眠の質向上や血圧の低下など驚くべきメリットも

ウォーキングがもたらす15の健康効果とは? 睡眠の質向上や血圧の低下など驚くべきメリットも
散歩に出かけることは、健康に驚くべき効果をもたらす。実際、ウォーキングのメリットとして、定期的な散歩が血圧の低下、認知機能の向上、さらには心臓の健康促進に役立つことが研究で示されている。
公認運動生理学者でありサイクリングコーチであるアダム・ミルズ氏は、「ウォーキングは怪我や死亡のリスクが非常に低く、多くのメリットがある手軽な運動である」と語る。しかし、ウォーキングの具体的なメリットとは何であり、何から始めればよいのだろうか。
『The Doctor on Demand Diet』の著者であるメリナ・B・ジャンポリス医師によれば、すべてのメリットを享受するためには、費やす時間がカギとなり、1日最低30分は必要だという。
話を伺った専門家たち: アダム・ミルズ氏(Source Enduranceの公認運動生理学者、サイクリングコーチ)、デニス・オースティン氏(フィットネス専門家、『Denise Austin’s Daily Dozen』著者)、メリナ・B・ジャンポリス医師(『The Doctor on Demand Diet』著者)、アリエル・イアセヴォリ氏(ニューヨーク市のACE認定パーソナルトレーナー)、ミシェル・スタンテン氏(ACE認定フィットネスインストラクター、ウォーキングコーチ、『Prevention’s Walk Your Way to Better Health』著者
フィットネス界のプロでありアイコン的存在のデニス・オースティンも、ウォーキングを愛好しているセレブの一人であり、「ストレス解消や、少しの『自分時間』を楽しむのに素晴らしい方法」だと魅力を語っている。
以下では、専門家による毎日のウォーキングの絶大なメリットと、始めるためのヒントを探っていく。
From Prevention
※この記事はPreventionからの翻訳をもとに、日本版『ハーパーズ バザー』が編集して掲載しています。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
ウォーキングのメリット16

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1.気分を高める
散歩に出かけることは、気分を良くするための簡単なフィットネス戦略である、とジャンポリス医師。実際、わずか10分間のウォーキングで気分が晴れることは研究で示されている。
「定期的なウォーキングは神経系を大きく変化させるため、怒りや敵意の減少を実感できることが研究で明らかになっている」とジャンポリス医師。緑の中を散歩したり、少し日光を浴びると効果的で、季節性うつ病が急増する寒い季節に特に役立つ。
また、パートナーや近所の人、友人と一緒に歩くなど、ウォーキングを社交の場にすることで、つながりを感じられ、より幸福感を得ることができるという。
2. カロリーを消費し、健康的な体重を維持する
「ウォーキングを続けていると、体重計の数字があまり変わらなくても、お腹周りのパンツが少し緩くなったように感じるかもしれない」とジャンポリス医師。研究によると、定期的なウォーキングは脂肪を減らし、その結果、インスリンに対する体の反応を改善する効果があるからだ。
カロリー消費量を増やしたいだろうか? オースティン氏は、外を歩く際には坂道を含むルートを計画し、早歩きとゆっくりとしたペースを交互に繰り返し、別の日には同じルートを歩いて過去の自分のタイムを更新できるか挑戦してみることを勧めている。さらに高い目標を設定したい場合は、1日10,000歩を目指すことを推奨している。

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ニューヨーク市のパーソナルトレーナーであるアリエル・イアセヴォリ氏は、「毎日のウォーキングは、余分なカロリーを消費し、加齢とともに特に重要となる筋肉の減少を防ぐことで、代謝を高める」と語る。
最も素晴らしい点は、こうした効果を得るためにジムのランニングマシンでクタクタになる必要がないこと。「私のクライアントの一人は、毎日職場から1マイル(約1.6km)弱の道のりを歩いて帰るだけで、わずか1ヶ月で体脂肪を2%減らした」という。
3. 心臓の健康をサポートする
ウォーキングが心臓の健康を改善する主な方法の一つは、血圧を下げることである。一部の研究では、1日の歩数が1,000歩増えるごとに、収縮期血圧が0.45ポイント下がる可能性があることが示されている。つまり、1日10,000歩歩く人は、1日5,000歩しか歩かない人に比べて、収縮期血圧が2.25ポイント低くなる可能性が高いということだ。
『The New England Journal of Medicine』誌に掲載された、ウォーキングと健康に関する最も引用される研究の一つによると、身体活動のガイドラインを満たすのに十分なウォーキングを行っている人は、定期的に歩いていない人に比べて、心血管イベント(心臓発作や脳卒中など)のリスクが30%低いことがわかった。
別の研究では、特に高齢者の場合、1日に歩く歩数が500歩増えるごとに、心疾患、脳卒中、心不全のリスクが14%低下することが関連付けられている。
4. 慢性疾患のリスクを低下させる
『Nature Medicine』誌に掲載された2022年の研究では、ウォーキングが様々な慢性疾患のリスクを低下させることが示されている。ある研究では、8,200歩歩くことで、肥満、睡眠時無呼吸症候群、胃食道逆流症(GERD)、大うつ病性障害(MDD)、2型糖尿病、高血圧などの慢性疾患のリスクが効果的に低下することが示された。
同研究では、さらに歩数を増やすことで、調査対象となったほぼすべての健康状態に対して、ウォーキングのメリットが高まり続けることも判明している。
5. 血糖値を下げる

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アメリカ糖尿病協会は、血糖値を下げ、2型糖尿病の全体的なリスクを低下させるために、ウォーキングを公式に推奨している。『Sports Medicine』誌に掲載された2022年の研究では、食後にわずか2分間歩くだけで血糖値を下げる効果があることが具体的に示された。ほんの短い散歩であっても、違いを生み出すことができるのである。
それでも、病気予防のためには長時間のウォーキングが重要である。スタンテン氏は、少なくとも週に1、2回は1時間のウォーキングを行うことを推奨している。
6. ストレスを和らげる
疲れ果てたり、圧倒されたりしているなら、ウォーキングがストレス軽減に役立つ。99 Walks & Jetti Fitnessの共同創設者兼CEOであり、『Walk Your Way to Better』の著者であるジョイス・シュルマン氏によれば、ウォーキングはストレスホルモンであるコルチゾールを減らし、ストレスを和らげてリラックスするのに役立つという。
『Health Promotion Perspectives』誌に掲載された2018年の研究では、わずか10分間のウォーキングが不安やうつを軽減し、集中力や創造性を高めることが示された。さらに、外を散歩することが大きな違いをもたらすことも研究で明らかになっている。
『Molecular Psychiatry』誌に掲載された2022年の研究では、自然の中を60分間歩くことで、ストレス処理に関わる脳領域の活動が低下することがわかった。対照的に、都市環境を60分間歩いた後では、それらの領域の脳活動は安定したままであった。だからこそ、外に出て草木に触れよう。
7. 睡眠の質を向上させる

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定期的な運動は、夜の睡眠を改善するのに役立つ。これは、身体活動が睡眠ホルモンであるメラトニンの働きを自然に高めるためである。『Sleep』誌の2019年の研究では、軽度から中程度の強度の身体活動を行っている閉経後の女性は、座りがちな女性よりも夜によく眠れることがわかった。最近の別の研究でも、毎日ウォーキングをしている健康な成人は、睡眠の質と長さに有意なプラスの影響があることがわかった。また、ウォーキングは睡眠障害の原因となる痛みやストレスの軽減にも役立つ。
8. 脳の働きを活性化させる
この分野の研究は急速に進んでいる。ある研究では、週に3回、1時間の早歩きをした人の脳スキャンを行ったところ、教育セミナーに参加した人よりも、意思決定を行う脳の領域がより効率的に働いていることが示された。
別の研究でも、ウォーキングのような運動が高齢女性の脳機能を改善する可能性が示されている。専門家は、こうした効果の一部は、運動に伴って脳への血流が増加するためではないかと考えている。つまり、足を動かすことで、脳もよりよく働き始めるのである。
9. 関節痛を軽減する

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研究によると、1日最低10分、あるいは週に約1時間のウォーキングが、高齢者の障害や関節炎の痛みを防ぐ可能性があることもわかっている。
『American Journal of Preventive Medicine』の2019年の研究では、下半身に関節痛を抱える49歳以上の成人1,564人を追跡調査した。毎週1時間ウォーキングをした参加者は、4年後も障害のない状態を維持している可能性が高かった。別の報告でも、ウォーキングはあらゆるフィットネスレベルの関節炎患者にとって、安全で安価かつ便利な身体活動であることがわかっている。
10. 下肢静脈瘤の発症を遅らせる

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年齢を重ねるにつれ、下肢静脈瘤のリスクは高まる。しかし、ニューヨーク市にあるThe Vein Treatment Centerの創設者兼ディレクターであるルイス・ナヴァロ医師によれば、ウォーキングはそれを予防する実証済みの方法だという。
「静脈系には『第二の心臓』と呼ばれる循環機能があり、これはふくらはぎと足にある筋肉、静脈、弁によって形成されている」と彼は説明する。「このシステムは血液を心臓や肺に押し戻す働きをしており、ウォーキングは脚の筋肉を強化し維持することでこの二次的な循環器系を強固にし、健康的な血流を促進する」
すでに下肢静脈瘤に悩まされている場合でも、毎日のウォーキングは脚の腫れや不快感を和らげるのに役立つとナヴァロ医師は言う。「また、遺伝的に下肢静脈瘤やクモの巣状静脈瘤になりやすい体質であっても、毎日歩くことでその発症を遅らせることができる」
11. 消化器系を刺激する
もし現在、消化器系を快調に保つために毎日のコーヒーに頼っているなら、代わりに朝のウォーキングに感謝する準備をしておこう。
Cancer Treatment Centers of Americaのリハビリテーション・サービス・マネージャーであるタラ・アライチャミー博士(D.P.T.)によれば、定期的なウォーキングの習慣は便通を大幅に改善するという。「腹部手術を受けた患者が最初に求められることの一つは歩くことだ。なぜなら、体幹や腹部の筋肉を使うことで、消化管の動きが促進されるからだ」と彼女。言い換えれば、体を動かし始めると、腸も動き始めるのである。
12. 免疫力を高める
研究によると、中等度の運動、特にウォーキングは免疫力を高めることがわかっている。体内の病原体を攻撃する免疫細胞の数を増やし、感染症で重症化するリスクを下げる可能性がある。それだけでなく、もし病気になったとしても、よく歩く人は入院期間が短いことが研究で判明している。ある研究では、定期的にウォーキングをしている人は、定期的に運動をしていない人に比べて、肺炎で死亡するリスクを減らすことができるとまでされている。
13. 骨を保護する
ウォーキングは、骨を強く健康に保ち、後年の骨減少のリスクを軽減するのにも役立つ。メイヨー・クリニックによると、ウォーキングは脚、腰、下部脊椎の骨に直接作用し、骨密度の低下を遅らせるという。さらに、『PLOS ONE』誌に掲載された2022年の研究では、長期的な早歩きが骨密度を改善する効率的な方法であることが判明した。具体的には、閉経前の女性の骨量減少を防ぐために、1日30分の早歩きを週に3回以上行うことが推奨されている。
14. 創造性を高める

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仕事で行き詰まっているときや、厄介な問題の解決策を探しているときには、体を動かすのが得策。
『Journal of Experimental Psychology, Learning, Memory, and Cognition』誌の2014年の研究によると、散歩に出ることで創造性が刺激されるという。「研究者らが座った状態と歩きながらの状態で被験者に創造的思考テストを実施したところ、座っている人よりも歩いている人の方が創造的な思考をすることがわかった」とジャンポリス医師は述べている。
15. 寿命を延ばす
ウォーキングは寿命を延ばすのに大いに役立つ。そして、効果を実感するのにそれほど多くの時間は必要ない。
ある研究では、週にわずか10~59分の中等度の運動(早歩きなど)を行った人は、運動しなかった人に比べて、調査期間中の死亡リスクが18%低かったことがわかっている。一方、推奨されている週150分の運動を少なくとも10分ずつ小分けにして行った人は、死亡リスクが31%低かった。
別の研究では、歩くペースが速ければ速いほど、リスクが低下することが示されている。寿命が延びる効果は、ウォーキングがもたらす心肺機能へのトレーニング効果によるものと考えられている。
歩数は重要? 1日に何歩歩くべきなのか
「1日1万歩」という目標を耳にしたことがあるだろうが、本当にその数字を毎日の目標にすべきなのだろうか? 実のところ、より少ない歩数でもメリットがあることがわかっている。
『JAMA Network Open』誌に掲載された2021年の研究では、38歳から50歳の人において、7,000歩が死亡率の低下と関連していることがわかった。もし現時点で7,000歩でもハードルが高いと感じるなら、『JAMA Internal Medicine』誌に掲載された2019年の研究が参考になるかもしれない。それによると、高齢女性において、1日わずか4,400歩でも、歩数が2,700歩の活動量の少ない女性に比べて死亡率が低下したという。
したがって、今日1万歩に到達するのが現実的でなくても、少しの前進が違いを生み出すことを覚えておいてほしい。「現実として、すべての一歩、すべての距離に意味があるのだ」とシュルマン氏は語る。
ウォーキングで内臓脂肪は減らせる?
ミルズ氏によると、ウォーキングは「腹部の奥深く、臓器の周りにある内臓脂肪や、皮膚のすぐ下にある余分な脂肪」を減らすことができるという。とはいえ、ウォーキングをより高強度の運動と組み合わせた方が、効果を実感できる可能性はずっと高い。
ウォーキング単独では必ずしも効果が出るとは限らないとミルズ氏は説明。「ウォーキングにおいては『多いほど良い』が当てはまる。それが可能なのは、低強度だからである。低強度の運動は1時間あたりのカロリー消費量が高くないため、ウォーキングで消費するエネルギーよりも多くのエネルギーを摂取してしまいやすいのだ」。そして減量するためには、(カロリー不足の状態にする食事法を取り入れるなどして)摂取するカロリーよりも多くのカロリーを消費する必要がある。
1日30分のウォーキングで十分?
30分のウォーキングを目指すのは素晴らしい目標だが、どんな運動でも全くしないよりはマシである。そしてもちろん、それ以上行って悪いことはないとミルズ氏は言う。「1日30分歩くのは良いことだ。1日30分以上歩くのはさらに良い」と彼は語る。
歩けば歩くほど、時間の経過とともにより多くのメリットが得られる。「ウォーキングのような低強度の運動は、活動量が多いほど効果が上がる」とミルズ氏。「しかし運動においては、何もやらないよりは少しでもやった方が常に良い」
速く歩くのと、長く歩くのはどちらが良い?
長距離を歩きさえすれば同じ効果が得られると思うかもしれないが、長年にわたるいくつかの研究で、速く歩く方が長期的な健康には良いことが示されている。『The British Journal of Sports Medicine』誌に掲載された2006年の研究では、平均的な歩行速度が速い人ほど、全死因死亡率および心疾患に関連する死亡リスクが低いことがわかっている。
さらに最近では、『Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention』誌に掲載された2021年の研究で、50歳から71歳の20万人以上のがん生存者を対象とした調査が行われた。その結果、歩くペースが最も遅いと回答した人は、最も速いと回答した人に比べて、あらゆる原因による死亡リスクが2倍以上になることがわかった。
では、どのくらいの速さなら十分なのだろうか? 『Mayo Clinic Proceedings』誌に掲載された2019年の研究によると、目指すべき最適なスピードは時速4マイル(約6.4km)以上である。ウォーキングのメリットを享受するという点では、「ゆっくり着実」が勝つとは限らないのだ。
From Prevention
※この記事はPreventionからの翻訳をもとに、日本版『ハーパーズ バザー』が編集して掲載しています。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。
*その他の専門家:ジョイス・シュルマン氏(99 Walks & Jetti Fitness共同創設者兼CEO、『Walk Your Way to Better』著者)、ルイス・ナヴァロ医師(ニューヨーク市The Vein Treatment Center創設者兼ディレクター)、タラ・アライチャミー博士(D.P.T.、Cancer Treatment Centers of Americaリハビリテーション・サービス・マネージャー)、アルバート・マセニー氏(R.D., C.S.C.S.、SoHo Strength Lab共同創設者)。
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