健康診断の血圧測定、上と下の数値どう見ればいい? 医師が教える「正しい見方」と高血圧の判断基準

教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中 祐希院長, 知っておきたい「血圧」の基本知識, 「上の血圧」と「下の血圧」の見方, 血圧の基準値は?「正常」「高め」「高血圧」の目安, 高い血圧が続いたときの受診の目安と、放置した場合のリスク

健康診断の血圧測定、上と下の数値どう見ればいい?医師が教える「正しい見方」と高血圧の判断基準

教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中 祐希院長

教えてくれたのは……糖尿病専門医・田中 祐希院長, 知っておきたい「血圧」の基本知識, 「上の血圧」と「下の血圧」の見方, 血圧の基準値は?「正常」「高め」「高血圧」の目安, 高い血圧が続いたときの受診の目安と、放置した場合のリスク

田中 祐希院長

三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック院長

「一人ひとりの幸せを応援」しながら、糖尿病専門医による治療を行う。クリニックホームページ内の院内紙にて、体験記、旬野菜の糖質オフレシピなど、お役立ち情報を公開中。

知っておきたい「血圧」の基本知識

自覚症状がないまま進行しやすいと言われる「高血圧」。健康診断で数値を見ても、「結局どういう意味なんだろう?」と感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

そもそも「血圧」とは何を示すものなのか、田中院長にわかりやすく解説していただきました。

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血圧

田中院長「血圧とは、ポンプである心臓が収縮して血液を全身に送り出す際に血管にかかる圧力のことです。血管をホース、血液を水と考えると、血圧が高い状態はホースが握られて狭くなり、水が勢いよく出ている状態に例えられます。

血圧が高すぎる状態が続くと、血管に高い圧力がかかり続けるため、血管というホースは徐々に劣化して、伸縮性を失っていきます。これが動脈硬化の状態です。その結果、血管はさらに狭くなってしまいます。」

「上の血圧」と「下の血圧」の見方

「上の血圧」「下の血圧」は何を示しているのか、「なんとなく知っているようで、じつはよくわからない……」という方も多いかもしれません。田中院長によると、年齢によって注目すべきポイントが変わることもあるのだそうです。

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血圧の結果

田中院長「血圧は、例えば『125/75mmHg』のように表示されますが、このときの125が上の血圧で、『収縮期血圧』と呼ばれます。75が下の血圧で、『拡張期血圧』です。収縮期血圧とは、心臓が“収縮”したときに血管にかかる圧力、拡張期血圧は、心臓が“拡張”しているときに血管にかかる圧力です。

中年の方や高齢者では、収縮期血圧の高さ(上の血圧)が脳卒中のリスクに関係することが知られています。一方で、若年層においては、拡張期の血圧の高さ(下の血圧)が将来的な動脈硬化性疾患のリスク因子となるため、若い世代では拡張期血圧をしっかり意識することも重要です。」

血圧の基準値は?「正常」「高め」「高血圧」の目安

一般的に「正常」「高め」「高血圧」とされる目安の数値は以下のとおりとのこと。診察室で測る血圧と、自宅で測る家庭血圧では基準が少し異なるため、それぞれの目安を知っておくことが大切です。診察室血圧は医療機関で測定した値、家庭血圧は自宅で安静時に測定した値を指します。

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血圧を測る

正常血圧

診察室血圧:収縮期血圧 120mmHg未満 かつ拡張期血圧 80mmHg未満

家庭血圧:収縮期血圧 115mmHg未満 かつ拡張期血圧 75mmHg未満

正常高値血圧(正常内高めの血圧)

診察室血圧:収縮期血圧 120~129mmHg かつ拡張期血圧 80mmHg未満

家庭血圧:収縮期血圧 115~124mmHg かつ拡張期血圧 75mmHg未満

高値血圧(高めの血圧)

診察室血圧:収縮期血圧 130~139mmHg かつ/または拡張期血圧 80~89mmHg

家庭血圧:収縮期血圧 125~134mmHg かつ/または拡張期血圧 75~84mmHg

田中院長「高血圧の基準に性差、年齢差はありません。診察室血圧で収縮期血圧 140mmHg以上 かつ/または拡張期血圧 90mmHg以上、家庭血圧で135mmHg かつ/または85mmHg以上で高血圧ということになります。」

高い血圧が続いたときの受診の目安と、放置した場合のリスク

高い数値が出た場合、どの程度続いたら受診を考えるべきでしょうか。放置すると重大な病気につながるリスクもあるため、早めの対応が大切だと、田中院長は言います。

受診の目安となる血圧のライン

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受信の目安

田中院長医療機関の早急な受診が必要とされるラインは、収縮期血圧 160mmHg以上または拡張期血圧 100mmHg以上で、一度出ただけでも速やかな受診が勧められます。

収縮期血圧 140mmHg~159mmHg、または拡張期血圧 90~99mmHgの方は、まずは1か月ほど生活習慣の改善で下がらないかトライしましょう。このラインを1か月後に“安定して”下回らなければ、やはり受診を勧めます。

ただし、次のいずれかに当てはまる場合は、生活習慣改善を待たず、至急医療機関を受診する必要があります。

・脳・心血管病の既往(脳卒中、心筋梗塞など)がある

・心房細動(不整脈)がある

・慢性腎臓病(CKD)がある

・糖尿病がある

・危険因子が複数集積している」

放置したときに考えられるリスク

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放置した際のリスクは

田中院長「高血圧は放置するとどんどん血管が細くなり、血管が狭くなって詰まる疾患である心筋梗塞や脳梗塞に移行していきます。そして実は、腎臓も細かな血管の集合体であるため侵されやすく、腎不全に至ることもしばしば見られます。あるいは血管が高血圧に耐えられず破裂していまい、脳出血や動脈瘤の破裂を引き起こすこともあります。

最近でも患者さんの同僚で、収縮期の血圧が200mmHg以上の高血圧を放置していた50代の方が亡くなったというお話も聞きました。『たまたまかもしれない』と様子を見るのは、140/90mmHg~159/99mmHgの範囲ですが、1か月血圧を測ってみて、その値が複数回出るのであれば、受診したほうが良いでしょう。」

高血圧は自覚症状が乏しいからこそ、日々の小さな変化に気づくことが大切です。次回の記事では「急に血圧の数値が高くなったときに考えられる原因」についてご紹介します。

shukana/webライター

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