ひとり暮らしほど要注意! 樺沢紫苑さんが教える「体調を崩さない食事と睡眠」

ひとり暮らしほど要注意! 樺沢紫苑さんが教える「体調を崩さない食事と睡眠」
「ひとりって自由!」ですが、ついつい食事が不規則になったり、夜更かしして睡眠不足になったり……。気づかぬうちに、心身の不調をきたしがち。そんな不調を予防・改善し、ひとりでも機嫌よく暮らすための生活のコツを精神科医の樺沢紫苑さんに伺いました。今すぐ始められる生活習慣改善法、「食事と睡眠」のお話です。
▼前回はこちら▼
食事は「よくかんで」 「時間をかけて食べる」
ひとりでも健やかな毎日を送るには、体をつくる源である毎日の食事がとても大切になります。健康にいい食材や、体に負担のかからない食べ方を心がけましょう。
こんな人は朝食で体質改善を
・ぐっすり眠れなくて寝起きが悪い
・朝はぼーっとしてしまいがち
・午前中、調子が上がるまでに時間がかかる
・朝から憂うつなことが多い
・睡眠障害があり、薬を飲んでいる
最高の1日のスタート!「朝食」は特によくかむ
健康的な生活を送るには、どのように食事をとるかが大切だ。特に「よくかむ」「時間をかけて食べる」という2つの食べ方を心がけて。
ひと口につき30回程度、よくかむことで脳の満腹中枢が刺激され、セロトニンが活性化。食欲が抑制されて食べすぎを防げる他、快眠にもつながるので、朝食は特にゆっくりとよくかんで食べ、よい一日をスタートさせて。
また、時間をかけて食べることで、体内への吸収と血糖値の急上昇を抑えられるという効果も。

「朝に弱い人」ほど、朝食をしっかりとる
「朝は食べないほうが調子がいい」「昼食・夕食 2食で十分」という声もあるが、「朝に弱い人」の場合は、朝食を毎日しっかりとることをおすすめしたい。
朝食は体内時計をリセットし、休息モードの副交感神経から元気モードの交感神経へと切り替えるという大事な役割をもつ。朝が弱い人は低血糖で体のスイッチがオフになっている可能性も高いため、朝食をとることで体調が改善する人は多い。
科学的に健康にいい「 5つの食品」をとる
複数の研究から脳卒中や心筋梗塞、がんなどの重大疾患のリスクを下げると考えられる食品は下の5つ。特に玄米は人間に必須の栄養素を豊富に含む「完全栄養食」といわれている。
積極的に食事に取り入れよう。逆に加工肉や白米、バターなどの飽和脂肪酸は健康によくないとの報告も。
【健康にいい食べ物】
魚
野菜と果物 (フルーツジュースとじゃがいもは含まない)
茶色の炭水化物 (玄米、そば、全粒粉のパンなど)
オリーブオイル
ナッツ類
「悪い糖質」をできるだけとらない
糖質の摂取量を気にする人は多いが、量よりも血糖値を急激に上昇させて糖尿病などの原因になる「悪い糖質」をとらないことのほうが重要だ。
悪い糖質の代表例は缶コーヒー、清涼飲料水、ジュース。甘いカフェオレには角砂糖10個分以上の糖質を含むものもある。砂糖入りのお菓子もなるべく避けて。

【NG 習慣】小腹が空くと、ついお菓子に手が伸びて食べすぎてしまう
間食するならナッツや「小分けされたお菓子」に。
おやつを食べるなら、砂糖がたっぷり入ったお菓子はおすすめできません。大量のインシュリンが分泌され血糖が急降下するので空腹が満たされず食べすぎの原因に。健康にもダイエットにも悪影響です。
間食には健康にいい食べ物であるナッツ類を手にひと握り程度つまむといいでしょう。どうしてもお菓子を食べたい場合は、小分けのものを1袋だけなど食べすぎない工夫を。
睡眠の質を上げて自然治癒力を高める
睡眠不足はアルツハイマー型認知症を引き起こすアミロイドβが蓄積する原因になり、免疫力の低下や糖尿病のリスクも高まります。心地よい睡眠で健康を維持する方法を紹介します。
就寝 2時間前からは「ドキドキしない」
夜の神経である副交感神経を優位にするために、寝る2時間前からはリラックスモードになることが睡眠の質を高めるコツ。左の表のように、心身に刺激を与えず、ゆったりとした時間を過ごすことが大切だ。
寝る前に長時間スマホを利用すると、ブルーライトの影響でメラトニンが減少し、眠気が吹き飛ぶ。面白いゲームやサスペンス映画など、心臓がドキドキするような興奮は、脳も興奮させるので避けること。
食事は控え、カフェインやアルコールが含まれていない飲み物を飲み、心地よいと感じる運動や音楽、照明を心がけよう。寝るときは真っ暗なほうが睡眠の質はよくなる。
就寝2時間前からの過ごし方
・スマホの利用はほどほどに
・就寝90分前までに、入浴を終える
・水分をある程度とる。カフェインやアルコールは避ける
・食事は控える
・ストレッチやヨガなどの軽い運動をする
・非視覚系の音楽やアロマ、マッサージなどでリラックスする
・快適に眠るための室温に整える
・照明は蛍光灯を避け、白熱電球またはLED電球の電球色に

睡眠を深めるには、寝る90分前に40度の湯船に15分
快眠と入浴には密接な関係がある。理想は「寝る90分前までに入浴を終えること」。深い睡眠に入る条件の一つは、「体の深部体温が下がること」。入浴から90分後がその状態に当たり、スムーズに入眠できる。
湯温は40度、湯舟に入る時間は15分を目安にしよう。それより熱い湯につかりたいときは、寝る2時間前には入浴を終えるようにして。
快適に眠れる室温は、冬は18~19度、夏は25~26度。
快適に眠るためには、寝室の室温も重要な条件だ。最適な室温は季節によって変動する。
冬は18~19度と少し低めだが、少々肌寒く感じる温度のほうが、体の深部体温が下がりやすいため睡眠の質がよくなる。
夏は25~26度に設定するとよい。暑さや寒さの感じ方には個人差があるので、かけ布団や毛布などでうまく調整しよう。
【NG習慣】不安なことばかり頭に浮かんで、なかなか寝つけない
寝る前15分以内に書く「3行ポジティブ日記」で嫌なことは忘れましょう
不安やモヤモヤした出来事が心に引っかかり、なかなか寝つけないという人もいるでしょう。そんなときは一日の終わりにその日の楽しかったことなどポジティブな出来事を3つ書き記す「3行ポジティブ日記」を書いてみて。
最も記憶に残りやすい「記憶のゴールデンタイム」といわれる寝る前15分以内に書くことで、ネガティブな出来事の上書きができ、楽しい記憶だけが残りやすくなります。

※この記事は「ゆうゆう」2023年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。
▼※2023年3月23日に配信した記事を再編集しています。▼
監修者
精神科医 樺沢紫苑
かばさわ・しおん●精神科医、作家。1965年、札幌生まれ。91年、札幌医科大学医学部卒業。2004年から米国シカゴのイリノイ大学精神科に3年間留学。帰国後、東京に樺沢心理 学研究所を設立。「情報発信によるメンタル疾患の予防」をビジョンとし、YouTubeやメールマガジンなどで累計80万人のフォロワーに情報を発信している。著書に『言語化の魔力 言葉にすれば「悩み」は消える』(幻冬舎)など。
▼▼