「彼は東大卒です!」 石丸伸二氏の「ハイクラス人材」アピールは裏目に出た? 都議会選挙、再生の道は全滅

22日に投開票された東京都議会議員選挙では、石丸伸二・元広島県安芸高田市長が今年1月に設立した地域政党「再生の道」の議席獲得はならなかった。

石丸氏は2024年夏の都知事選挙で約166万票を獲得して次点に付けており、当初は再生の道に、この規模の「基礎票」があると見る向きもあった。だが、結果は惨敗だった。

都議選開票の途中経過を受け、記者会見する再生の道の石丸伸二代表=6月22日、東京都港区で(安江実撮影)

35選挙区に42人もの候補を擁立し、複数候補を立てた選挙区で「共倒れ」を招いたことが一因とはいえ、選挙期間中の取材では有権者からはこんな指摘も出ていた。

候補者が「ハイクラス人材」であると、あんなに強調する必要はあったのか──。(戎野文菜、宮尾幹成)

◆「これほど分かりやすくて公平な目安はない」

再生の道は、今回の都議選の候補者を公募で決めた。

石丸氏は選考の過程で、年収800万円以上の応募者を「世に言うハイクラス人材」と表現。4月25日に合格者48人(辞退者などを含む)を発表した際には、年収「800万円以上」が77.1%、「1000万円以上」が64.6%だったことを明らかにした。

記者から「誰もが政治家を志せる社会」を目指すという党の考え方に反しないのかと聞かれると、石丸氏は「これほど分かりやすくて公平な目安はない。出自、身分、家柄、血筋じゃないんですから。自分でどうにでもなる要素だ」と答えていた。

◆「こんなキャリアの人、なかなかいないですよ!」

選挙戦終盤の6月20日、調布市内で開かれた再生の道の街頭演説会。中央省庁で仕事をしていたと自己紹介した男性候補者からマイクを引き取った石丸氏は、100人を超える聴衆にこう呼びかけた。

再生の道の街頭演説会を聞く聴衆=6月20日、東京都調布市で(戎野文菜撮影)

「彼は東大卒です。しかも東大院卒です! こんなキャリアを歩んでいる人、なかなかいないですよ!」

演説を聞いていた大学院生の男性(23)は、石丸氏自体には「政治を良くしてくれそうな雰囲気を感じる」と言いつつ、この学歴アピールには「これで支持されるのかな?」と首をかしげていた。

候補者についても「正直、学歴も経歴もすごい人。でも、言葉がすらすら出てこなくて、政策も話さない。演説中に『えっへん』みたいなポーズをしているなあと。信じるのは難しいと思った」と評した。

◆「エリートばかり集めて自己満足している感じ」

同じ日に世田谷区内でれいわ新選組の街頭演説会を取材している時も、同じような意見を聞いた。

街宣車に乗ってマイクを握る石丸伸二氏=6月20日、調布市で(戎野文菜撮影)

2024年夏の都知事選では石丸氏を応援していたにもかかわらず、その後、れいわ支持に乗り換えたというアルバイトの中野公美子さん(62)。1年前に石丸氏を見た時は「信念があって、人の痛みが分かりそう。話し方がスマートで分かりやすい」と感じていたそうだ。

だが、今回の都議選に「ハイクラス人材」を大量擁立するのを見て、違和感を覚えた。

「今は候補者にエリートばかり集めて自己満足している感じがして、投票したいと思わない」

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