「なぜかネコにモテる人」が無意識にやっていること【獣医が解説】

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なついてくれない猫と、どうやって仲良くなったらいいか悩んでいる飼い主に朗報!動物行動学を学んだら、猫と仲良しになったり、問題行動を解決することができるのだ。猫の気持ちを知って、猫も人もしあわせになる方法を、獣医ねこ先生(根来沙弥さん)がアドバイスする。※本稿は、根来沙弥『ツンツン猫をデレデレにする方法』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
猫さんと仲よくなるために
必要なのは「観察すること」
SNSやTVで見かける、飼い主さんにデレデレの猫さんたちを観て、「うちの子もあんなふうになってほしい!」と憧れるかたは多いです。
呼ばなくても駆け寄ってきてスリスリしてくれたり、抱っこしてとおねだりしてきたり、おひざの上でぐっすり眠ったりする猫さんの姿は愛らしく、毎日見ても見飽きないほど魅力的ですよね。
最初にぜひ知っておいてほしいことがあります。猫さんと仲よくなるのに欠かせないのが「観察すること」です。
日ごろからよく観察し、どんなときにどんな動き・表情・しぐさをして、どんなものが好き・嫌いなのかを知ることで、猫さんのことをより深く理解でき、無理をさせずに仲よくなることができます。観察の習慣がついていると、体調不良のときも変化をすぐに察知し、状況を把握できるのでおすすめです。
もうひとつ、仲よくなるために尊重してほしいのが、猫さんそれぞれの性格です。
猫さんの性格は「遺伝半分、育ち半分」と言われ、生まれたときから決まっている部分も多いです。人間もそうですよね。いつも誰かと一緒に行動したい人もいれば、ひとりでいるほうが心地よい人もいるなど、生まれつきの素質ってあると思います。
だから、猫さんによって「これ以上、踏み込まれると嫌!」というラインが違います。猫さん本来の性格に合わせ、その子なりの「デレ」を見つけるようにしましょう。
猫さんの性格は4タイプ
見極めるポイントは?
そこでまず、猫さんをよく観察し、性格を見極めることが大切です。大きく分けると猫さんの性格には次の4タイプがあります。
(1)世界は私のことが好き!スター猫
好奇心が旺盛で、怖いもの知らずの猫さん。自信満々の態度でス
ターそのもの!飼い主さんにはデレやすい。来客時も物おじせず、お客さまにはすぐにご挨拶(あいさつ)し、においチェックをしたらスリスリすることも。新しいものに抵抗が少なく、新しいフードやおやつ、おもちゃなどにもためらいがないタイプ。
(2)ちょっとシャイなところも人気 アイドル見習い猫
基本的には好奇心旺盛で、サービス精神も豊富だけれど、初めましての相手や物にはちょっとシャイ。でも、慣れている人には存分にデレてくれる。来客時は様子見をするけれど、しばらくすると出てきてご挨拶。新しいフードやおもちゃには少し慎重だが、好奇心が勝って早めに試してくれる。
(3)賢いがゆえの慎重派 忍者猫
まるで忍者のように、慎重に物事を見極めて動く賢い猫さん。飼い主さんのことは大好きだけれど、自分の世界も大切にしているので、デレデレになるには少し時間がかかる。来客時は物陰から観察したあと、隠れることが多い。フードやおもちゃにも強いこだわりがあるので、変更するときは時間をかけてゆっくりと。
(4)こだわりの強い天才肌 アーティスト猫
独自の世界観を持つ、カッコいい猫さん。慎重で怖がりなのでデレにくいが、その子なりの「デレ」ポイントがあるのでツボがわかるとたまらない。来客時は速攻で逃げて、怖さのあまりしばらく凹んでしまい、体調を崩す子も。フードやおもちゃを変更するときは慎重におこなうことが大切。
スター猫やアイドル見習い猫はデレてくれやすいタイプですが、かといって忍者猫やアーティスト猫がデレないわけではありません。慎重な性格の子を抱っこに慣れさせるのは大変かもしれませんが、そんな子がお部屋のなかでお腹を見せて寝ていたら、それだけでもう十分にデレデレになっている証でしょう。
また、ほとんどの猫さんが(1)~(4)のタイプが混合しています。たとえばわが家のめいちゃんは人に対しては(3)ですが食べ物に対しては(2)ですし、もんちゃんは人に対しては(1)ですが食べ物に対しては(2)です。総合的に見て、特性を見極めましょう。
ツンツン度100…人の近くに
いることすらできない猫の場合
近くに行くと逃げるなど、なかなかそばに近寄れない猫さんと仲よくなるためのトレーニングです。
ツンツン度100の猫さんに試してほしいのが、アイコンタクトを取りながら「私(人間)はよいものである」と覚えてもらう「仲よし大作戦」です。
猫さんも苦手な相手とはそもそも目を合わせないので、アイコンタクトを取れることが仲よくなるためのファーストステップになります。
このトレーニングを重ねるうちに、猫さんは次第に「この人は目を合わせても嫌なことをしてこない」と学習し、少しずつ距離を縮めることができます。
【仲良し大作戦】
(1)猫さんがくつろいでいるときに、優しい声で名前を呼びながら、少しずつ近づいていきます。その途中で、猫さんがいやいやサインを出したら、一歩退きます。その距離が現在、猫さんが心地よいと感じるパーソナルスペースです。
(2)パーソナルスペースの外側から、名前を呼びながら猫さんの視界に入り、目を合わせてみます。見すぎると警戒されてしまうので、まずは1~2秒から。最初は猫さんと目が合わなくても大丈夫です。
(3)目が合うようになったら「○○ちゃん、いい子」と声をかけ、ゆっくりと立ち去ります。このとき、おやつを投げても効果的です。
この(1)~(3)を1日に3回程度おこないます。いきなり5回も10回も試すのはやめましょう。猫さんも人間同様、親しくない相手に何度も近づかれると「うっとうしい」と感じてしまいます(笑)。
3日ごとに距離を縮めてみましょう。(1)で名前を呼びながら、パーソナルスペースに10cmほど踏み込んでみます。
猫さんに変化がなければ、目を合わせて声をかけましょう。いやいやサインが出たら、また10cm戻ってください。
そして3日後にまた10cmほど距離を縮めてみます。そうやって「嫌がらなければ近づく」「嫌がったら戻る」を繰り返しながら、少しずつ近づいていきます。

同書より転載 イラスト/伊藤ハムスター
もうひとつ大切なのが、優しく名前を呼ぶことです。小さめの優しい声、いわゆる「猫なで声」は、猫さんにとって心地よいものです。無言で目を合わせると猫さんも驚いてしまうので、「これから目を合わせますよ」というサイン代わりにもなります。
ツンツン度100の猫さんにさわれるくらい近づくまでは、とにかく時間がかかります。でも、ゆっくりと距離を縮めていけば、いずれ猫さんも「この人、こんなに近くにいても無害なんだ」と気づき、緊張を解いて穏やかな顔つきになっていきます。
ツンツン度80…人が近づいても
逃げないがタッチはNGの猫の場合
近くにいることはできても、飼い主さんがさわろうとすると嫌がったり、逃げたり、場合によっては威嚇をしたりする猫さんと仲よくするためのトレーニングです。
ツンツン度80の猫さんには、少しずつなでることで「この人が近づいてくると、気持ちがいいことをしてくれる」と覚えてもらいましょう。
【なでなで大作戦!】
(1)猫さんがくつろいでいるときにおこないます。まずは指1本で、猫さんがなでられて気持ちがよい場所を探しましょう。背中側の腰部分から尻尾の付け根を指でトントンされたり、顔のまわりをなでられたりするのが好きな子が多いです。
(2)猫さんの反応を見ます。目を細めたり、スリスリしてきたり、のどを鳴らしたりしたら、気持ちがよいサインです。いやいやサインが出たら、すぐにやめましょう。
(3)猫さんの反応がよかったところを指で3回なでなでしたら、静かに立ち去ります。最初は「1日3なで」までです。焦りは禁物ですよ。
(4)数日置きに少しずつ、なでる回数を増やしていきます。最初は1日3なでだったところを、1日に3なでを2回、3回……と増やしていきます。回数を重ねたほうが、猫さんにとって「快刺激」が多いので早めに慣れてくれます。いきなり1回あたり3分も5分もなで続けるのはやめましょう。

『ツンツン猫をデレデレにする方法』 (根来沙弥 KADOKAWA)
ツンツン度80の猫さんをなでるときは、指1本が基本です。ふれたとき、猫さんが揺れないくらいの優しさで、そっとなでましょう。
顔をなでる場合は指1本で、猫さんのあごやほっぺを優しくなでます。
ただし、猫さんは人の手が上方向から近づいてくるのを怖がることが多いので、目線よりも上から手を近づけるのは避けてください。また、顔を近づけたり、大きな声を出したりすると怖がられるので気をつけましょう。

同書より転載 写真/遠藤貴也
猫さんがなでてほしいポイントは、ほんの数mmのズレで違う場合があります。よく集中し、猫さんの反応を観察しながら、おこないましょう。