党首討論、社民党と日本保守党が呼ばれなかったのはなぜ? 参政党はいたのに…主催の日本記者クラブの基準は
参院選の公示を翌日に控えた2日、日本記者クラブ主催の党首討論会が開かれた。ただ、国政政党の代表のうち社民党の福島瑞穂党首と日本保守党の百田尚樹代表の姿はなく、事前に提出した約1分の動画が紹介されただけだった。(宮尾幹成)

日本記者クラブの党首討論会に臨む(左から)参政党の神谷代表、共産党の田村委員長、公明党の斉藤代表、立憲民主党の野田代表、自民党総裁の石破首相、日本維新の会の吉村代表、国民民主党の玉木代表、れいわ新選組の山本代表=7月2日、東京都千代田区で(佐藤哲紀撮影)
◆かつては「政党要件」満たす党は全参加だったが
国政選挙の公示直前に毎回開催される日本記者クラブの党首討論会には、かつては法律上の「政党要件」に当てはまる政党の代表が全て参加していたが、前回の討論会から対象をしぼるようになっている。
福島氏は6月26日、自身のX(旧Twitter)で、日本記者クラブから社民党を呼ばないとの通知が前日にあったと明らかにした上で、「ものすごくショックで、強く抗議します」と投稿。「報道の自由に資する記者クラブがこんなことをしないでほしいと強く思います。考え直してください」とも訴えた。

参院選公約を説明する社民党の福島瑞穂党首=6月30日、国会で(佐藤哲紀撮影)
翌27日の記者会見では「政党要件を満たしているのに、なぜ呼ばないのか。公平公正な選挙の実現を踏みにじるもので許されない」と主張していた。
◆2022年は社民党とNHK党も参加
政党要件は、公職選挙法と政党助成法と政治資金規正法で細かな規定の違いはあるが、おおむね次の2点のいずれかだ。
① 所属国会議員が5人以上 ② 直近の国政選挙での有効得票率が全国で2%以上
報道各社の政治報道は、基本的に①と②の少なくとも一つを満たす党を国政政党として扱っている。
日本記者クラブは、2022年7月の参院選前に開いた前々回の党首討論会では、国会議員数が5人を下回る社民党の福島党首とNHK党の立花孝志党首も招いていた。

2022年参院選前の党首討論会は9党首が参加。社民党の福島党首(左上)とNHK党の立花孝志党首(右下)も招かれていた=2022年6月21日、東京都千代田区で(コラージュ)
その後、2024年10月の衆院選前の前回討論会では、所属議員が5人に達しない社民党、参政党、みんなでつくる党を対象から外した。
日本記者クラブは、党首討論会に呼ぶ政党の要件について「(会員から選ばれる)企画委員がそのつど判断している」と説明している。
日本記者クラブには、東京新聞を発行する中日新聞社を含む全国の新聞社、通信社、放送局などが加盟している。
◆参政党は駆け込み「その手があったか」
今回の討論会では当初、政党要件を満たす政党のうち、所属国会議員が5人を下回る社民党、日本保守党、参政党の3党が招かれていなかった。

日本記者クラブ主催の討論会で流された日本保守党の百田代表の動画=2日、東京都千代田区で(佐藤哲紀撮影)
だが参政党は、日本維新の会を離党した梅村みずほ参院議員を参院選比例代表に擁立することを決め、6月30日に入党を認めた。これによって所属議員が5人となり、駆け込みで神谷代表が参加資格を得た。
社民党の福島党首は30日の記者会見で「そういう手があったのか」と絶句していた。
◇
近年の日本記者クラブ主催党首討論会に招かれた政党代表は以下の通り。
【2025年参院選(8党)】
自民党 石破茂総裁(首相)
立憲民主党 野田佳彦代表
公明党 斉藤鉄夫代表
日本維新の会 吉村洋文代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
共産党 田村智子委員長
れいわ新選組 山本太郎代表
参政党 神谷宗幣代表
【2024年衆院選(7党)】
自民党 石破茂総裁(首相)
立憲民主党 野田佳彦代表
日本維新の会 馬場伸幸代表
公明党 石井啓一代表
日本共産党 田村智子委員長
国民民主党 玉木雄一郎代表
れいわ新選組 山本太郎代表
【2022年参院選(9党)】
自民党 岸田文雄総裁(首相)
立憲民主党 泉健太代表
公明党 山口那津男代表
日本維新の会 松井一郎代表
共産党 志位和夫委員長
国民民主党 玉木雄一郎代表
れいわ新選組 山本太郎代表
社民党 福島瑞穂党首
NHK党 立花孝志党首
【2021年衆院選(9党)】
自民党 岸田文雄総裁(首相)
立憲民主党 枝野幸男代表
公明党 山口那津男代表
共産党 志位和夫委員長
日本維新の会 松井一郎代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
れいわ新選組 山本太郎代表
社民党 福島瑞穂党首
NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 立花孝志党首
【2019年参院選(7党)】
自民党 安倍晋三総裁(首相)
公明党 山口那津男代表
立憲民主党 枝野幸男代表
国民民主党 玉木雄一郎代表
共産党 志位和夫委員長
日本維新の会 松井一郎代表
社民党 吉川元幹事長

日本記者クラブの党首討論会で発言する安倍晋三首相。長期政権を築き、2012年衆院選から2019年参院選まで5回続けて参加した=2017年10月8日、東京都千代田区で(池田まみ撮影)
【2017年衆院選(8党)】
自民党 安倍晋三総裁(首相)
希望の党 小池百合子代表
公明党 山口那津男代表
共産党 志位和夫委員長
立憲民主党 枝野幸男代表
日本維新の会 松井一郎代表
社民党 吉田忠智党首
日本のこころ 中野正志代表
【2016年参院選(9党)】
自民党 安倍晋三総裁(首相)
民進党 岡田克也代表
公明党 山口那津男代表
共産党 志位和夫委員長
おおさか維新の会 片山虎之助共同代表
社民党 吉田忠智党首
生活の党と山本太郎となかまたち 小沢一郎代表
日本のこころを大切にする党 中山恭子代表
新党改革 荒井広幸代表
【2014年衆院選(8党)】
自民党 安倍晋三総裁(首相)
民主党 海江田万里代表
維新の党 江田憲司代表
公明党 山口那津男代表
次世代の党 平沼赳夫党首
共産党 志位和夫委員長
生活の党 小沢一郎代表
社民党 吉田忠智党首
【2012年衆院選(11党)】
民主党 野田佳彦代表(首相)
自民党 安倍晋三総裁
日本未来の党 嘉田由紀子代表
公明党 山口那津男代表
日本維新の会 石原慎太郎代表
共産党 志位和夫委員長
みんなの党 渡辺喜美代表
社民党 福島瑞穂党首
新党大地 鈴木宗男代表
国民新党 自見庄三郎代表
新党改革 舛添要一代表
【2010年参院選(9党)】
民主党 菅直人代表(首相)
自民党 谷垣禎一総裁
公明党 山口那津男代表
共産党 志位和夫委員長
社民党 福島瑞穂党首
国民新党 亀井静香代表
みんなの党 渡辺喜美代表
新党改革 舛添要一代表
たちあがれ日本 平沼赳夫代表
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