「鬼滅の刃」"無限城"にそっくりな旅館が凄すぎた

実は「聖地」だと公式認定はないが…, 公式も認めた「主人公たちの出身地」, 作中でキーになる「藤」の名所といえば, 「無限城」の舞台は会津若松にあった, 見どころ満載な「大川荘」

まるで「無限城」のような場所がありました(筆者撮影)

7月18日に公開された劇場版アニメ『鬼滅の刃 無限城編』。午前0時から世界最速上映された劇場もあり、各劇場ともに完売・満席だったという盛況ぶり。Xでは「世界最速」がトレンド入りしたとのことで、変わらない人気の高さがうかがえます。

【写真】「これは無限城!」“本物そっくり”な芦ノ牧温泉「大川荘」の内部はこんな感じ

【写真を見る】「まるで無限城!」“本物そっくり”な芦ノ牧温泉「大川荘」の中の様子(38枚)

実は「聖地」だと公式認定はないが…

原作は、吾峠呼世晴さんによる漫画で、2016年から2020年まで『週刊少年ジャンプ』で連載されました。単行本の累計発行部数は、連載開始から4年で1億部を突破し、現在では1億5000万部を記録しています。

2020年公開の『無限列車編』では、歴代興行収入1位となる404.3億円をたたき出し、海外を含めた世界全体での興行収入も517億円に上ったことで、「世界最高興行収入の日本アニメ映画」としてギネス世界記録に認定されたことは記憶に新しいところです。

2020年といえば、未知の新型コロナウイルスが蔓延した、まさに「鬼滅」の年であったと言えます。その年に映画は全世界で4000万人以上を動員し、さまざまな企業がコラボ商品を発売したり、コスプレイヤーが街にあふれ返ったりするなど、社会現象を巻き起こしました。

舞台地を訪れる聖地巡礼でも、主人公の「竈門炭治郎」が修行をしたと言われている「一刀石」(長野県や奈良県など)をはじめ、多くの人々で賑わいました。

実は「聖地」だと公式認定はないが…, 公式も認めた「主人公たちの出身地」, 作中でキーになる「藤」の名所といえば, 「無限城」の舞台は会津若松にあった, 見どころ満載な「大川荘」

奈良県の「一刀石」。「石舟斎(柳生宗厳)が修行中に天狗と試合を行い、一刀のもとに天狗を切り捨てたところ、2つに割れた巨石が残った」という逸話があるそうです(写真:Buuchi/PIXTA)

ただし、原作も含めて、公式には「聖地」と認められていないことから、こうした現象は、あくまでファンが「ここは鬼滅の刃の舞台なのではないか」と盛り上がって訪れている、ということなのです。

そのような中でも、これまで「聖地」として有名になった場所や、今回公開される新作の中で話題になるであろう地域を紹介します。

公式も認めた「主人公たちの出身地」

最初に紹介するのは、作品のルーツとして知られる東京都奥多摩町の「雲取山」です。

埼玉県と山梨県にまたがり、東京都最高峰の標高2017メートルであるこの山は、炭治郎と妹・禰豆子の出身地とされています。

アニメ第1話の冒頭シーンから登場し、出身地として公式に発表されていることから、「鬼滅」ファンにとって憧れの地となっています。ただし、実際に登るのは大変なようで、本格的な登山の準備が必要とのことです。

それもそのはず、雲取山は、古来「山岳信仰」の対象とされた山であり、修験者が修行に訪れる霊場として知られています。

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公式に炭治郎と禰豆子の出身地とされている「雲取山」(写真:ライダー写真家はじめ/PIXTA)

雲取山をはじめとする東京都西部から神奈川県北部の山岳地域には、他にも、人気キャラクターである「伊之助」が育ったとされる「大岳山」(1266メートル)、鬼を退治するための組織・鬼殺隊「霞柱」の「時透無一郎(ときとうむいちろう)」の出身地とされる「景信山」(727メートル)、そして同じく鬼殺隊「岩柱」の「悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)」のゆかりの地とされる「日の出山」(902メートル)などがあります。

修験道の地が、「鬼滅」ストーリーのルーツとなっているのです。

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伊之助のルーツと言われている「大岳山」の登山道(写真:Daiki/PIXTA)

続いて東京浅草・吉原へ。東武スカイツリーラインの起点である浅草は、炭治郎が家族の仇である「鬼舞辻無惨(きぶつじむざん)」と初めて出会う場所です。

隣接する吉原とともに、2021年に放送されたテレビアニメ『鬼滅の刃 遊郭編』では、実在の地名とともに登場しますので、聖地巡礼の地としては正統派であると言えるでしょう。

吉原は、放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』でも、主人公蔦屋重三郎の活躍した舞台地として登場しましたが、『鬼滅の刃』で描かれた時代は、もう少し時代が進んだ大正時代と言われています。

アニメでも登場したメイン通り「仲之町通り」の両側には、吉原に住む鬼、「妓夫太郎(ぎゅうたろう)」と「堕姫(だき)」の兄妹がいたとされる遊郭が立ち並んでいました。

町の中心にある「吉原神社」には、テレビアニメ放送以降、ファンが御朱印などを求めて聖地巡礼していましたが、今年は『べらぼう』効果でさらに多くの観光客を集めています。

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東京・浅草。ここで炭治郎は、家族を殺した“鬼のにおい”を嗅ぎつけます(筆者撮影)

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「吉原神社」の境内にある弁財天(筆者撮影)

作中でキーになる「藤」の名所といえば

続いて、東武スカイツリーラインを北上し、栃木県の足利市へ。「あしかがフラワーパーク」は、「世界の夢の旅行先10カ所」(2014年・CNN Travel)に日本で唯一選ばれた観光名所です。

季節の花が年中咲いており観光客に人気ですが、特に4~5月頃に見頃を迎える、樹齢160年以上とされる藤の花は、「奇跡の大藤」と呼ばれています。

藤は、作中で「鬼」の嫌う植物としてたびたび登場します。鬼殺隊のメンバーになるための最終選別の地が、藤が一年中咲き乱れる「藤襲山(ふじかさねやま)」です。

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色とりどりの花が迎えてくれる「あしかがフラワーパーク」(筆者撮影)

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筆者が訪れたときにはペチュニアが満開でした(筆者撮影)

ここの「奇跡の大藤」が、その「藤襲山」によく似ているということで、ファンを集めています。ちなみに鬼殺隊のメンバーは、藤の花を使った匂い袋を「鬼除け」として使っています。また、鬼殺隊の「蟲柱(むしばしら)」である「胡蝶しのぶ」は、藤から調合した毒の使い手でもあります。

なお、最寄り駅であるJR両毛線の「あしかがフラワーパーク駅」からちょっと足を延ばすと、アニメ映画『秒速5センチメートル』の聖地として有名な「岩舟駅」(栃木市)があります。

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夜間にライトアップされた見事な「奇跡の大藤」(写真:Ran/PIXTA)

「無限城」の舞台は会津若松にあった

栃木駅から東武日光線でさらに北上し、野岩鉄道を経て会津鉄道に乗り換え、福島県会津若松市の芦ノ牧温泉駅へ。猫好きな方には有名な、ねこ駅長「さくら」がお出迎えするこの駅で下車し、車で約5分。

渓谷沿いに、開湯1000年以上の歴史を持つ芦ノ牧温泉があります。かつてはたどり着くのが大変だったことから「幻の温泉郷」とも呼ばれた名湯です。

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歴史ある静かな温泉郷「芦ノ牧温泉」(筆者撮影)

同地が一躍有名になったのは、2019年のテレビアニメ放送時のこと。

温泉郷にある旅館「大川荘」は、元々ロビーのゴージャスな造りが自慢のホテルでしたが、中央の「浮き舞台」を取り囲む広々とした吹き抜け空間と、ロビーから折り重なるように向かう階段などの様子が、「まるで無限城では」ということで話題になり、世界中から聖地巡礼客を呼び込む「聖地」となりました。

実は「聖地」だと公式認定はないが…, 公式も認めた「主人公たちの出身地」, 作中でキーになる「藤」の名所といえば, 「無限城」の舞台は会津若松にあった, 見どころ満載な「大川荘」

絶景とゴージャスな内装、温泉が評判の旅館「大川荘」(筆者撮影)

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「大川荘」のゴージャスなロビー(筆者撮影)

「大川荘」は、芦ノ牧トンネル出口からすぐの川、その名も「大川」に面した歴史ある旅館です。特に、露天風呂『四季舞台たな田』は絶景で、ぜひおすすめしたいお風呂です。

実は「聖地」だと公式認定はないが…, 公式も認めた「主人公たちの出身地」, 作中でキーになる「藤」の名所といえば, 「無限城」の舞台は会津若松にあった, 見どころ満載な「大川荘」

絶景が自慢の大川荘の「棚田露天風呂」(写真:芦ノ牧温泉 大川荘提供)

見どころ満載な「大川荘」

筆者が訪れた6月のとある週末も、写真を撮る観光客のファミリーやカップルの姿を見かけました。ホテルの広報担当者に話を聞くと、コスプレイヤーや、台湾など海外からの観光客が多く来訪するのだとか。

ロビー中央にある、赤い絨毯が敷かれた「浮き舞台」の周囲には、個室の食事処やティーラウンジが配置されていて、落ち着いた空間です。平日の一部を除き毎日、夕方になるとこの舞台で三味線の実演が行われ、宿泊客に幻想的なひとときを提供しています。

実は「聖地」だと公式認定はないが…, 公式も認めた「主人公たちの出身地」, 作中でキーになる「藤」の名所といえば, 「無限城」の舞台は会津若松にあった, 見どころ満載な「大川荘」

下から見るとこんな感じ(筆者撮影)

実は「聖地」だと公式認定はないが…, 公式も認めた「主人公たちの出身地」, 作中でキーになる「藤」の名所といえば, 「無限城」の舞台は会津若松にあった, 見どころ満載な「大川荘」

「浮き舞台」の周囲には、写真のティーラウンジなど、それぞれ趣向の違う落ち着いた空間が広がっています(筆者撮影)

ちなみにこの実演は、『鬼滅の刃』よりもずっと古く、既に30年以上続いている館内で人気の催しです。

会津鉄道に乗ってさらに北上すると、20分ほどで会津若松駅に到着します。東北屈指の城下町で、2013年のNHK大河ドラマ『八重の桜』の舞台地となった名城・鶴ヶ城があります。

映画の公開によって、より鮮明に描き出される『無限城』の世界観。物語への没入感とともに、「聖地」の盛り上がりがますます高まることが期待されます。