「橋下徹の政界復帰はあるのか?」…本人があっさり出した答えと、政治家に求められる”スピリチュアルな”資質とは

「橋下徹の政界復帰はあるのか?」…本人があっさり出した答えと、政治家に求められる”スピリチュアルな”資質とは
前回の総選挙で、日本人は自民党に「ある程度のお仕置き」をした。しかし結局、政権交代には至らなかった。
なぜ、政治とカネであれほどの不信を生んだ自民党が、政権の座から転がり落ちることがなかったのか。
その理由を、もっともリアルに、もっともロジカルに、もっともドラスティックに解説するのが、維新の創始者・橋下徹氏だ。
そしていま、国民民主党の玉木代表が採っている戦略は、まさに橋下氏が『政権変容論』(講談社刊)で提言したものだ。稀代の戦略家・橋下徹の「政界を見通す目」はいまだに衰えていない。
『政権変容論』連載第61回
※この記事は選挙公示前(2024年7月19日)に発売された本からの転載です。
『橋下徹「野党第一党なんて、しょうもない」…「政権交代」実現へ問われる野党の「本気の覚悟」』より続く
橋下徹自身の再登場はあるのか
—最後に一つ、質問です。これまで何人かの次世代リーダー候補の実名が出ました。そこで尋ねたいのは、橋下徹自身の再登場はあるかないか、ということです。
おそらく「橋下徹」という人物に対する評価は、世の中で大きく分かれています。その実行力を絶賛する人間もいれば、嫌っている人間もいるでしょう。それでも口先だけでなく、実際に行動に移してきたその実力は、誰もが認めざるをえない。
大阪維新の会を率いて、大阪という大都市で自民党から与党の座を奪い、政権交代を果たした実績もある。ぶっちゃけた話、もう一度政治家に戻り、政権変容、政権交代を成し遂げる!
そんなおつもりはありませんか。
橋下:いやいやいや(笑)。ぼくはもう政治家を引退しましたから。あくまで元政治家の民間人、コメンテーターとして、新しいリーダーを応援していきたいと思います。
政治家として悔いも未練もない
—そうは言っても、政権交代はもちろん、政権変容も一筋縄ではいきません。非常に言葉は悪いですが、「毒をもって毒を制す」という手法もある。橋下さんを毒呼ばわりするつもりはありませんが、橋下さんが最初に政界に現れたときのエネルギーはすさまじいものがありました。
なんだかわからない茶髪の若者が出てきて、謙虚さの欠片もないけれど、大阪の腐りきった政治をぶっ壊す!
とぶち上げ、実際に大きな改革を次々に成し遂げてしまった。
ファンもアンチも含めて、その行動力は万人の知るところです。
今の野党に一番足りないのは「突破力」です。現状を大きく打ち破る、忖度を一切せずに、風穴を開けるパワーが足りない。政権与党の悪しき慣習をぶっ壊してほしいという有権者の欲求にこたえ、「政権変容」の一点突破の期間限定で、もう一度政界に戻るという野心はありませんか。
橋下:正直、僕が今40歳なら、そうした可能性もあったかもしれません。でも、もう55歳。政治ってものすごいエネルギーがいるんですよ。それこそ自分自身の身だけでなく、家族のこともあります。
僕は政治家として、自分のできることを2万%(笑)の力を出し切ってやり遂げたつもりです。大阪都構想を巡る住民投票で賛成可決となれば、次は堺市長選挙に立候補するつもりでしたが、反対否決となったことで区切りはつきました。
民主国家の政治家は、有権者の投票でその政治生命の有無を決められるものです。僕の政治生命はもう終わりと、2015年5月17日の住民投票で決定されたのです。悔いも未練もありません。
政治に限らず、人間には、時代に求められる役割があると思うんです。僕はあの頃の大阪だったから、望まれる部分もあったし、やるべき役割もあった。硬直化した大阪の政治を何とかしたいと熱望する仲間たちもいました。ある時代にある人物が登場するには、その人間を切望する個人の意思を超えた大勢のエネルギーが必要なんです。
ちょっとスピリチュアルですが、まさに天命と言いますか。
加えて「維新の会」がしぶとく生き残り、ここまで成長してこられたのは、「トップが期間を決め、強制的に替わっていく」仕組みをつくったからです。党内政権交代、まあ言ってみればこれも維新内での政権変容というものですね。
まさに、日本の政治に「政権交代」「政権変容」が必要なのも、「同じメンバーが無期限でい続けること」の弊害があるからです。
だから僕は最初から、政治家をやるのは最長12年間と決めていました。
その時代時代で、求められるリーダー像も変わっていきます。僕は維新の誕生時に、トップリーダーの役割を担いました。既存勢力を破り、新しい政治を定着させるには、多少の無茶や強引さも必要です。
でも、当時の僕のスタイルで今、維新の政治をやろうとしても、きっとうまくはいかないでしょう。僕に創業期のリーダーとしての役割があったように、松井一郎さんには勃興期のリーダーの役割があった。そして今は馬場伸幸さんが日本維新の会代表として、吉村洋文さんが大阪府知事として、横山英幸さんが大阪市長として、維新の会の新たなステージを引っ張ってくれている。
それぞれ時代やステージごとに、求められる人物の能力や資質は違うんです。
『橋下徹「僕も若いころは選挙に行かなかった」…日本をより良くするために国民が意識すべき「政治」との向き合い方』へ続く