阪神・近本光司「FA匂わせ」なぜ 銭闘するのか 巨人なら総額30億

近本光司

2リーグ制以降最速となる9月7日に2年ぶり7度目のセ・リーグ制覇を決めた阪神。チーム主力で不動のリードオフマンの近本光司外野手(30)は、8月19日に国内フリーエージェント(FA)権を取得したことで、去就に対する注目度が日に日に高まっている。

中日の上林誠知

優勝を決めた後の近本の発言について、「FA匂わせ」だと解釈する声も上がっているが、なぜなのか。SNS上では、球団側との契約条件の引き上げ交渉、いわゆる「銭闘」のためではないかと推測するの書き込みもある。

8日には「アサ芸プラス」が、「阪神Vで始まる選手VS球団『銭闘駆け引き』最大のバトルは『FA権の近本光司』が挑む『史上最大のとんでもない総額』」という見出しの記事を配信した。

優勝の立役者・近本光司の「分岐点」発言に注目が集まる

近本は8月下旬、自己ワーストの38打席無安打の絶不調に陥った時期もあったが、今季は8日までで出場125試合で打率.278、リーグトップの28盗塁をマーク。

こうした中、近本は阪神が優勝を決めた7日の広島戦(甲子園)で、九回2死で、最終打者の秋山翔吾外野手(37)の放った中飛を捕球し、ウイニングボールをつかんだ。

そして試合後の近本の、「最後飛んできてゲームセットでホッとした。野球人生の中ですごく意味のある1年。分岐点になるかも」というコメントを「日刊スポーツ」が報道。

高橋尚成氏

X(旧ツイッター)上では、近本の「分岐点」という表現について、「近本のFA匂わせが気になるな、、、」「阪神で優勝したし思い残す事ないよな。さあ他チームの評価聞く時がきたで」「近本のコメントは銭闘なのかガチなのか…」「近本匂わせしたって、どーせ読売には来ねえからつまらん。釣り上げ狙ってるだけだろ」などの書き込みが散見される。

近本が国内FA権を行使した場合の移籍先として、メディアで名前が挙げられているのは、巨人やソフトバンクなどである。

8月26日のFRIDAY DIGITALは、「巨人が阪神・近本光司獲得に向け『調査開始』…『総額約30億円』&家族へのサポートで熱烈勧誘か」と題した記事を配信。「AERA DIGITAL」の記事は、近本は阪神残留の可能性が高いと報じた。

高木豊氏

同月27の日刊ゲンダイDIGITALは、「阪神は引き留め料“大出血”必至…国内FA近本光司の残留に使う巨額マネー」というタイトルの記事を配信し、近本の争奪戦が起きた場合のソフトバンク〝参戦〟の可能性が、球界関係者の話として伝えられている。

近本は、昨年オフに複数年契約の提示を断り、単年契約を結び、今季推定年俸は3億7000万円。盗塁王を争う中日の上林誠知外野手(30)のコメントから足の状態が悪いことが明かされ、不振との関連について注目が集まっていた。

上林は8月28日のヤクルト戦(バンテリン)後のヒーローインタビューの中で、自身の体の状態について、「8月1日に30歳になったんですけど、結構体がボロボロでして。休みなんかもちょくちょくもらいながら出てるんですけど」とコメント。

足の不調も影響?上林の発言で明らかになった近本の苦境

盗塁王を争うトップの阪神の近本については、「いやぁ、オールスターで近本さんとその件について話したんですけど、お互いに足がちょっと悪いので」「けがだけは避けたいんで、足と相談して走りたい」と告白していた。

上林はなぜ近本の足の状態に言及したのか。この近本の足の状態について言及した部分が、29日までに「中日スポーツ」や「日テレNEWS」で報じられ、X上では、ヒーローインタビューの該当部分のインタビュアーとのやり取りが書き起こされて拡散された。

この書きおこしを見る限り、インタビュアーから自身の体の状態を質問された流れで続けて、近本との盗塁王争いについても聞かれて答えた際の回答が、近本の足の状態への言及につながったとみられる。

阪神ファンたちからは、「上林が近本の足の状態暴露してるのどう考えてもやばい」「てかそもそもなぜ記者は近本の話を振ったんや上林のヒロインなんだから上林の話を聞けよ」などと不満の声が噴出したが、「プロ野球チームのスコアラーも馬鹿ではないから、上林が言わなくても、近本が足ちょっと痛めてるくらいは見ててわかってるよ」という書き込みもあった。

ほかにも、「上林、近本のFA移籍を防ぐための決死の暴露とかだったなら感動」「漢、上林、近本のFA移籍を阻止する足怪我暴露」と冗談交じりに解釈するコメントも散見された。

「阪神は100%引き止める」髙橋尚成氏らが語る近本のFA展望

気になる近本の今季オフの動向だが、現役時代に巨人やDeNA、メジャーでもプレーした野球解説者、髙橋尚成氏(50)は8月28日に自身のユーチューブチャンネルに投稿した動画の中で次の通りに解説した。

近本選手欲しい球団なんていっぱいいるんじゃないかなって思うんですよね。ただタイガースが絶対引き止めますよ、100%引き止めますよ。

これもし近本選手出したら、多分阪神ファンの方たちがとんでもないことになるんじゃないかなという風に思うんですよね。ジャイアンツもねもちろん行くでしょうけど取れないような気がしますけどね。

30億でもし近本選手が獲れたらこれ大万歳じゃないですかね、っていう風に僕は思いますけどね。

選手としてはやっぱりね権利をしっかり取ってから、そういうことに進んでいった方が多分いろんなもしもしかしたらですよ、例えばタイガースが渋ってたら、他の球団にもいろいろ条件聞いてみたいですよっていうのをできるような状況を作っておいたら、やっぱり選手の価値っていうのはかなり上がっていくと思うんですよね。

現役時代は横浜や日本ハムでプレーし、DeNAの1軍ヘッドコーチなども務めた野球解説者、高木豊氏(66)も、近本の移籍の可能性について言及した。高木氏が8月25日にユーチューブ動画の中で語った主な内容は次の通り。

巨人なんかは絶対欲しいだろうね、1番バッターというのはね。中日も欲しいだろうし、ほとんど欲しいと思うよ、安ければね(笑)。そりゃDeNAだあって1番候補はいるにしても安定感にかけるからさ、近本・桑原(将志)で1・2番組ませたら嫌だぜ。巨人とか、ヤクルトももちろん欲しいよな、来てくれるんだったら。

パリーグだってロッテだって欲しいだろうな。ソフトバンクも欲しいだろうな。(外野は)いるけど、1番・近本、2番・周東(佑京)、逆でもいいよ、嫌だぞ?

「来年いないかもね」とOBに振られて、口に指で「しー」

近本は阪神が優勝した後に出演した8日未明の「またリーグ優勝やねん みんなでお祝いしよんSP」(MBS系)で、OBの能見篤史氏(46)から「来年いないかもね」と話を振られると、口に指を当てる「しー」のポーズをして、笑いを誘っていた。阪神ファンたちがヤキモキする時間は続きそうだ。

■近本光司(ちかもと・こうじ) 平成6(1994)年11月9日生まれ。兵庫県・淡路島出身。兵庫県立・社高校、関西学院大学、大阪ガスと進み、2019年にドラフト1位で大阪ガスから阪神に入団。1年目から故・長嶋茂雄さんが持っていた153安打のセ・リーグ新人記録を塗り替える159安打を放ち、2年目以降も阪神の中心選手として不動の地位を築いた阪神のスター選手。

2021年は178安打で最多安打のタイトル、2019年・2020年・2022年から2024年と盗塁王は5度獲得。俊足を生かした守備では21年から4年連続で外野手でゴールデングラブ賞を受賞した。

■上林誠知(うえばやし・せいじ) 平成7(1995)年8月1日生まれ。埼玉県さいたま市桜区出身。宮城・仙台育英高校から、2013年にドラフト4位でソフトバンクに入団。2018年にはシーズンフル出場を果たして、打率.270とキャリアハイの22本塁打の好成績を残した。2022年には右アキレス腱断裂の大怪我に見舞われた。

2023年オフに戦力外通告を受け、2024年からは中日でプレーしている。今季は8日時点で、118試合に出場し、打率.273、15本塁打、27盗塁をマークし、復活を印象付ける活躍。盗塁王争いでは、トップの阪神・近本の28盗塁に、1盗塁差と迫っている。

■髙橋尚成(たかはし・ひさのり) 昭和50(1975)年4月2日生まれ。東京都墨田区出身。東京・修徳高校、駒澤大学、東芝と進み、1999年にドラフト1位で東芝から巨人に入団。2007年に最優秀防御率のタイトルを獲得し、投手でベストナインを受賞した。2010年にはメッツとマイナー契約し、開幕直前にメジャー昇格。1年目で10勝を記録した。以降、エンゼルス、パイレーツ、カブス、ロッキーズを渡り歩き、メジャーでは4シーズンプレーした。

2014年からは日本球界に復帰し、横浜DeNAに入団。この年で現役を引退した。引退後は野球解説者として活動。2020年にはユーチューブチャンネルを解説し、ユーチューバーとしても活動している。

■高木豊(たかぎ・ゆたか) 昭和33(1958)年10月22日生まれ。山口県防府市出身。山口・多々良学園(現・高川学園)高校、中央大学と進み、1980年にドラフト3位で中央大から横浜大洋ホエールズ(現・横浜DeNA)に入団。1984年に盗塁王のタイトルを獲得。1983年に二塁手でダイヤモンドグラブ賞、1985年に遊撃手・1990年と1991年に二塁手でベストナインを受賞した。1994年は日本ハムでプレーし、現役を引退した。生涯通算打率.297を残した。

2001年からは古巣ベイスターズの1軍の守備・走塁コーチを1年間務めた。2004年のアテネ五輪では日本代表監督の長嶋茂雄さんの要請で、守備・走塁コーチを務め、銅メダル獲得に貢献。 2012年からは横浜DeNAの1軍ヘッドコーチを1年間務めた。野球解説者として活動しつつ、2018年にはユーチューブチャンネルを解説し、ユーチューバーとしても活動している。 3人の息子(高木俊幸・高木善朗・高木大輔)は、いずれもプロサッカー選手。

(zakⅡ編集部・小野田聡)

■小野田聡(おのだ・さとし) ライター歴2年。産経デジタル新卒入社6年目。現在はzakⅡ編集部に在籍。エンタメ・スポーツ分野の執筆経験が豊富。1996年生まれ。X(旧ツイッター)のアカウントは@zakdesk。