スティーブ・ジョブズが散歩しまくっていた理由。実は科学的にも「仕事に効く」習慣だった

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あなたは今、仕事で難しい問題に直面しているとしましょう。そして、この10分間、デスクに向かい、なんとか解決法を見つけ出そうと頭をひねったけれど、何もいいアイデアが思い浮かばないとします。
こんなとき、あなたならどうしますか?
もしあなたがスティーブ・ジョブズだったなら、この問いへの答えはシンプルでしょう。
「散歩に行く」はずです。
ジョブズは、よく散歩した
長い散歩に出かけながら、真剣な議論をするのは、彼が好んでいた議論の方法でした。
ジョブズ全面協力のもと彼の評伝を書いたウォルター・アイザックソンは、そう伝えています。
また、ジョブズのもとで数々のApple製品のデザインを担当した伝説的デザイナー、ジョニー・アイブも、「私たちがともに過ごしたときの多くは、静かな散歩に費やされました」と回想しています。
ジョブズに関するどんなプロフィールや書籍を読んでも、多くの時間を裸足で歩き回るのに費やしていた、という記述が目に入るはずです。
ジョブズが頻繁に歩き回っていたのは、単に屋外の環境や体を動かすことが好きだったから、というだけではありません。
2011年にこの世を去る直前まで、Appleを率いていたジョブズは、今になって神経科学の世界で証明されたことを、直感的に感じ取っていたのでしょう。
すなわち、散歩には脳の働きを少しだけ良くする効果があり、ただ座っているときにはどうにも答えが見えなかった問題の糸口をつかむきっかけになりうる、ということです。
それゆえに、少なくとも1人の神経科学者は、ジョブズにならって「10分ルール」に従うようすすめています。
10分ルールというのは、「精神力を要する厄介な問題を、10分間考えても解決できないのなら、立ち上がって散歩に行く」というもの。
極度の集中は、思考を阻む
このルールをすすめているのは、ケンブリッジ大学で学んだ神経科学者のMithu Storoni氏です。Storoni氏は、『Hyperefficient: Optimize Your Brain to Transform the Way You Work(超効率性:脳を最適化して、働き方を一変させよう)』という本の著者でもあります。
Storoni氏は、先日のポッドキャスト番組「HBR IdeaCast」に出演した際に、前述の「10分ルール」を含む、脳をより効率的に働かせるためのアイデアをいくつか披露してくれました。
私には何人かクライアントがいますが、(中略)ある会社の社長は、問題を抱えてコンピュータの前に座っているときに、10分間経っても解決法が見つからない場合は、デスクから立ち上がって散歩に行く、というルールを採用しているそうです。
このようにStoroni氏は話しました。
同氏はその理由について、「脳の働き方は筋肉とは異なるから」と説明します。
たとえば、組み立てラインで小さな部品をねじ止めする、といった肉体労働は、疲労が蓄積するまで、筋肉を動かして部品のねじ止めを続けることができるはず。
この場合、一般的には、労力を注ぎ込むほど、多くの成果が生まれます。
しかし、筋肉よりも脳に頼るタイプの仕事では、「努力すればするだけ結果が得られる」というこのアプローチは裏目に出がちなのです。
思考をオープンに、そしてリラックスするために
確かに、ルーティン的な時間消費型の業務であれば、たいていは、脇目もふらずに集中するのがベストな方法でしょう。
大量のメールをさばくのに、創造力を発揮する必要はありません。ただデスクの前に座り、仕事を片付けるだけです。
しかし、新しいアイデアを出したり、問題を解決したりする場合には、よりオープンで「リラックスした」精神状態を保つ必要があります。こうした状況に置かれると、頭脳は、今まで思いつかなかった関連性や、障害を回避する道筋を見つけることができるのです。
ただ座って、長い間考え込むだけでは、不満が増すばかりで、ひらめきの瞬間にたどり着くことはできません。
無理やりアイデアを絞り出そうとするよりも、創意工夫に満ちた解決策が浮かぶのに最適な状態になるよう、脳を仕向ける必要がある、というのがStoroni氏の意見です。
どうして散歩が効果的?
10分間頭をひねっても解決しない場合、いったん諦めて散歩に出かけると、解決法を見つけるのに理想的な精神状態になりやすくなる──これはいったいどういうメカニズムなのでしょうか?
体の動かし方によって、思考のあり方も変わる、とStoroni氏は説明します(なお、この知見は、泥沼化した対立の解決にも役に立つと、別の神経科学者も主張しています)。
Storoni氏は散歩することのメリットをこう説明します。
人は、適度な緊張感のある精神状態を維持できます。
それは、ぼんやりしたり、居眠りしたり、だるさを覚えたり、携帯電話をぼうっと眺めたり、といった状態ではありません。
同時に、注意の向かう先も、常に動き続けます。歩いているときは、目に入るものも動き続けるので、何か1つのものだけに集中することができません。
周囲の環境からの情報が脳に流れ込むなかで、今抱えている問題についても探究し、違った方向から解決してみようと試みるわけです。
散歩をすると、それが刺激となって、新しいことをいくつも考えつくようになります。その一方で、散歩には、何か1つのアイデアについて、取り憑かれたように考え込むことを阻む効果もあります。
集中力の分散が、かえって良い
考えを反芻することはできません。1つの問題に長い時間、注目し続けることができないからです。歩いている周囲の状況にも注意しないといけませんからね。
このようにStoroni氏は述べます。
散歩に出かけると、あなたの身体は風景の中を動き回り、周囲にも多少の注意を払うはずです(さもないと、街灯の柱にぶつかったり、道路に開いた穴に落ちたりします)。
すると、これがきっかけになって、頭をよぎるさまざまな考えやアイデアに対し、脳は、多少の注意を払うようになります。
こうした状況は、新しいアイデアを生み出すのに理想的な精神状態だということが判明しました。
ダーウィンからザッカーバーグまでも
神経伝達物質やこれに関わる脳のプロセスなど、生理学のレベルで見たときに、この現象はどう解き明かされるのでしょうか。
さらに詳しいことを知りたいなら、ぜひStoroni氏が出演したポッドキャストの全編を聞いてみてください。
でも、あなたが10分ルールについて抱いている一番の懸念が「効果があるかどうか?」ということなら、ジョブズが得た成果を見ることで、きっと安心できるでしょう。
あるいは、チャールズ・ダーウィンからマーク・ザッカーバーグまで、著名な「考える人」の多くは、歩いたことでより賢くなり、先端的な考えが生まれたと証言しています。
散歩に出よう
というわけで、難問に10分間以上取り組んでも出口が見えないときは、デスクの前で自分を追い込むのではなく、立ち上がって散歩をするべきです。
なぜなら、その有効性は、具体的な体験談と、科学の世界のエビデンス、その両方によって裏付けられているから。
Source: Apple Must, Wallpaper, Amazon, Harvard Business Review, Amazon, Business Insider
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