【毎日書評】なぜ「自分を後回し」にしてしまうのか?精神科医が明かす仕事習慣のヒント

報連相が苦手で話すタイミングがわからない, 人に頼ることができない, 失敗をいつまでも引きずってしまう, 自分になにが向いているのかわからない, 自分の意見を口に出せず、つい飲み込んでしまう

Photo: 印南敦史

「自分を大切にする」ことの大切さは、いろいろなところで目にするもの。しかし、現実的にそれを実行するのは簡単なことではありません。それ以前に、そもそも「自分を大切にする」とはどういうことなのか、よくわからなくもあります。

しかし『精神科医Tomyの自分を大切にする習慣』(精神科医Tomy 著、フォレスト出版)の著者によれば、それは「自分を後回しにしない」ということなのだとか。

自分のことを後回しにすると、自分のために使う時間が、ほとんどなくなってしまいます。(中略)

このままだと、「何のための人生なんだろう」と虚しくなるはずです。

だからこそ、自分を大切にすることは大変重要なのです。

しかし、「自分を後回しにしない」と言っても、それでも難しいと感じるかもしれません。「やらなければならないこと」を、やらないわけにはいかないからです。

必要なことを行いながら、自分を後回しにしない。

このバランスを、どう取っていくのかが、重要なポイントなのです。(「はじめに」より)

精神科医としてさまざまな人の話を聞くなかで、生きづらさの原因はほとんど「自分を後回しにして、大切にしていないこと」だと著者は感じているそう。

「どうしたら自分を後回しにせず、大切にできるのか」が人生を左右すると主張するのは、そうした実感があるからこそ。そこで本書では、さまざまな状況に戸惑う“しろちゃん”というキャラクターを主人公とする漫画を通して、「自分を大切にする方法」を明かしているのです。

漫画は実際に読んでいただくとして、ここでは第1章「自分を大切にするための仕事の習慣」の解説部分をクローズアップしてみたいと思います。

報連相が苦手で話すタイミングがわからない

著者によれば、「相手からどう思われるのか」を考えはじめるとリーダーや上司などへの報連相はできなくなるものなのだそうです。

ですから、タイミングは予め決めておくことを習慣にすると良いですね。「毎週一度は報告します」とか、宣言しても良いと思います。何もないときは「何もない」と報告すれば良いんです。スケジュールさえ決めてしまえば、報告されるほうもするほうも自動的に報連相しやすい状態になりますから。(18ページより)

そして、どんなに小さいことでも確認はするべき。ミスがあったとき、事態がひどくならないうちに知っておいてもらえるほうがよいからです。(18ページより)

人に頼ることができない

これも上記の「報連相」と同じで、定期的に報告するようスケジュールを組むことが大切。「1日1回」「1週間に1回」などと決め、必ず自分の状況を報告するようにするのです。

報告さえすれば、何か問題があったときに「実はこんな状況で」と助けを求めやすくなります。(30ページより)

逆から考えると、ギリギリまで抱え込んでしまうと結果的に頼れなくなってしまうわけです。そういう意味でも、まずは定期的な報告を習慣化することが大切なのです。(30ページより)

失敗をいつまでも引きずってしまう

失敗して落ち込んだとき、気持ちだけを切り替えることは難しいもの。しかし気持ちは外的要因に左右されやすいため、環境を変えるとうまくいくようです。

たとえば、場所を変えること。トイレに行くだけでも多少気持ちが切り替わります。図書館、お風呂、時間があれば旅行ももちろん良いのです。新しい場所へ意識が向きますから、気持ちが切り替わりやすくなります。(38ページより)

同じく、行動を変えるのも効果的。行動を変えると、自然と気持ちも切り替わるからです。たとえば家事をはじめたとすれば意識は家事の方に向きますし、勉強をはじめたなら勉強のことを考えるようになるわけです。

つまり、決して難しいことではないのです。クヨクヨしたら、場所や行動を変えるべき。それを習慣にすると、徐々に切り替え上手になっていくそうです。(38ページより)

自分になにが向いているのかわからない

自分に向いている作業の系統を知るのは、当然ながら有意義なこと。とはいえ、必ずしも得意なことを仕事にできなくてもいいと著者はいいます。そもそも、得意なことを仕事にできるケースは限られているのですから。

今やっている仕事を通して、自分の得意な作業、そうではない作業を知るのが先決だと思います。また、苦手な作業でも、「どうしたら自分にとってやりやすくなるか」を考えることが大切です。(42ページより)

大切なのは、日々、目の前の仕事を大切にしながら自分の適性を磨くこと。そうすれば、「こんな仕事をやりやい」というようなイメージが少しずつできあがっていくわけです。そこまでたどりついたら、タイミングを見計らって部署異動を申し出たり、転職したりすればいいのです。(42ページより)

自分の意見を口に出せず、つい飲み込んでしまう

自分の意見は、なるべくその場で伝えたほうがよいようです。あとになってから伝えるのは、かえって大変なことだからです。

その練習のためには、「必ず自分の意見を1つは言う」ぐらいの気持ちでとりあえず一言言いましょう。

それも難しければ、自分の意見を、まずメモする習慣を付けてください。

ある程度整理した上で、タイミングを見て発言してみます。

メモのまま見てもらっても大丈夫です。(46ページより)

著者も診察時、その場でいいたいことを口に出せない患者さんの場合、メモに書いてきてもらうことがあるそうです。(46ページより)

ストーリーを読み進めるなかで、きっと「あっ、自分もそうだ」「こうすればいいのか」などの発見があるはずだと著者は述べています。気軽に読める構成でもあるので、手にとってみる価値はありそうです。

>>Kindle unlimited、500万冊以上が楽しめる読み放題を体験!

Source: フォレスト出版