ロシア軍に広まる厭戦気分:食糧不足、給料未払い、600人が参戦を拒否......
戦地に赴きたくない兵士たち

ウクライナでの戦争が開始して3年半余りが経つが、いまだ終わりが見えていない。そんな中、ロシア軍を離反する兵士の存在がたびたび伝えられている。
開戦1年でロシア兵が参戦拒否

今回は、プーチン政権によるウクライナへの全面侵攻開始から1年後に起こった、ロシア軍兵士による戦闘拒否事件と生の声をふりかえってみよう。
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ウクライナ参謀本部からの報告

2023年2月、ウクライナ東部のルハンシク州で、ロシアで徴兵された兵士約600人が前線での戦闘を拒否、ロシアに送り返された。ウクライナ軍参謀本部の日報によると、「ロシアの動員兵の間には参戦を拒否する動きがある」のだという。
600人が送還

ウクライナ軍の報告によると、「2月3日、最大600人ほどの戦闘拒否者がルハンシク州からロシア連邦へと送還された」とされる。
堂々と不満を表明する動員兵たち

この報告以前にも、ロシア軍の兵士たちが、この戦争に対する不信感をより公然と表明するようになってきたというニュースが伝えられたばかりだった。
使い捨てにされる動員兵

「動員された兵士は、自分たちがただの使い捨ての駒として扱われているということを認識している」と書いたのはベラルーシの人権派ニュースメディア、『Charter 97』だ。
送還を目指して反乱を組織

同じメディアによると「動員兵たちは反乱を組織し、数日前線で過ごした後は一刻も早く故郷に帰ろうと全力を尽くしている」ともいう。
ロシア軍内部の不満をチェック

『Charter 97』は2022年10月初頭から前線に記者を派遣、ロシア軍内の反乱の動きを追っている。
もはや日常と化した反乱

『Charter 97』のウェブでの投稿では「最近ではロシア軍内における反乱は日常茶飯事となった」とすら書かれている。
意見書、脱走、実力行使も

そのポストはこう続いている:「ロシアの民衆にとって動員は突然のことで、いきなり最前線に送られている。その動きに反対するために、動員兵は反対意見を表明する文書を公開したり軍を脱走したりしている。さらには上官に対する暴力に訴え、殺害にまで至るケースもある」
下士官の不満を表す事件も

こういった報告を裏付ける証拠も出てきている。ロシアのマグニトゴルスク軍事裁判所の発表によると、ある下士官が軍用列車に乗車中、酔った勢いで上官を殴り殺したとされている。
ベルゴロドからプーチンに抗議

2022年10月には500人ほどのロシア兵が動画を公開。自分たちの苦境を訴え、プーチン大統領や軍上層部に公然と不満を述べたことで話題になった。兵隊たちはウクライナ近くのベルゴロド州まで移送されたとき、命令も補給も届かず非人間的な状況に置かれたのだという。
「一週間も動物のような暮らしを」

『モスクワ・タイムズ』が翻訳した報告によれば、動画の撮影者はこう述べていた:「誰も私たちを必要としていません。もう一週間も動物のような暮らしをしています」
プーチンの戦争のために私財が使われる

「ただ食べ物を手に入れるためだけにばかばかしい額の自己負担を強いられています。弾薬などもってのほかです」と、その匿名の兵士は続けている。
純粋にお金の問題もある

『Charter 97』によると、実際、お金の問題は動員兵の頭痛の種となっているらしい。戦争に反対しているからではなく、給料が支払われないことを理由とする反乱もあるという。
チュヴァシ共和国での反乱

『ラジオ・フリー・ヨーロッパ』によると、2023年11月、ロシアのチュヴァシ共和国から動員された100人ほどのグループが反乱。原因は給料の未払いだったという。
給料が払われない

ある兵士は自分たちが反乱を起こした理由を国民に説明するビデオを撮影、公開した。その中ではこのように言われている:「当局は私たちに毎月195,000ルーブル(約40万円)払うと言ったのにそれを拒否した。我らが大統領、ウラジーミル・ウラジーミロヴィチ・プーチンが約束したのにだ!」
無給では戦えない

「家族のための支えもなしに、なぜ故郷を出て戦いに行かねばならないのか?」とその男性は続けている。
最初の動員

2022年9月にロシアはおよそ30万人を動員。翌年春に予想される大攻勢を前に戦列を強化すると見込まれていた。だが数十万単位の増強では、ロシアが意図した効果を挙げるには不十分かもしれないという意見もあった。
終わりの見えない動員に不満も高まる?

ロシア政権は2022年10月末にいったん「動員を完了」したと発表。しかし直後の11月初旬にプーチン大統領は動員対象を拡大する法律改正案に署名。こうした動きを前に、ロシア兵の間の厭戦気分がさらに高まった。
今度は徴兵年齢の対象を拡大

動員に反対する声が広まったことからしばらく増強は行われなかったものの、ロシア政権は2024年1月に法改正を行い、徴兵年齢の下限は18歳で据えおいたまま上限を27歳から30歳に引き上げた。これにより、高等教育を受けるため「徴兵猶予制度」を利用した学生も駆り出せるようにしたのだ。
世界3位の規模の軍隊を目指す

さらに、プーチン大統領は2024年9月に、ロシア軍の兵力を最大18万人増やし、150万人にするよう命じる大統領令に署名したと発表。『ニューズウィーク』誌によれば、こうした増強が実施されればロシアの現役軍人数は中国に次いで世界2位となるという。
徴兵を逃れようとする人々

そして、2025年4月に行われた春の定期徴兵では、2011年以降で過去最多となる16万人が召集されたという。一方、ロシア政権による徴兵の手から逃れようと国外に脱出する者や、そのための民間サービスを利用する者が後を絶たないとされる。
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