「老朽化した水道管」が…プール一杯分の水漏れで水道料金28万、60代おひとりさま漫画家が修理をしてわかったこと
今年1月、埼玉県八潮市で、突然アスファルトの道路が陥没した。原因は、硫化水素によって腐食した下水道管。誰の目にも見えない場所で進行していた劣化が、ある日突然、大きなトラブルとして現れたのだ。こんなふうに、一見すると普通の暮らしの裏側で、実は、危機が静かに進んでいることもある。
小説家・漫画家の折原みとさんも、自宅で思いがけない“水のトラブル”に巻き込まれた。前編では、信じられないような水道料金の請求から始まったさまざまなトラブルをお伝えした。後編では、折原さんにさらなる悲劇が! どのように収束に向かったのか、お届けする。
水道管の次は給湯器が…
新年早々、我が家に舞い込んだ「不幸のお知らせ」、水道料金28万5128円!!
水道管が地下で漏水、小学校のプール一杯分の水が漏れていると言われて、びっくり仰天!
1週間の「プチ断水生活」の末、水道管の全取り替えをすることになったが、費用の見積もりは、200万円近く!!
そんな時、新たな緊急事態が勃発した。
突然、お風呂のお湯が出なくなったのだ!
そ……そんなバカな。あんまりだ。
水道管からの漏水を止めるために、止水栓を閉め、1日1時間しか水道を使わない生活をしている私にとって、毎晩の短いお風呂タイムが、せめてもの癒しだったのに。
このタイミングで、給湯器まで壊れるか!?
確かに、15年ほど使っているものなので、そろそろ壊れても不思議はないのだが、よりによって、今じゃなくてもいいだろ〜〜〜!!

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地獄に突き落とされた気分だったが、冷静に考えると、ひとつ思い当たることがあった。
我が家の給湯器は「貯湯式」で、屋外の貯め湯タンクに蓄えられたお湯を使うタイプ。
普段は、タンクに自動的に水が供給されているが、1日1時間ほどしか水道の元栓を開けていなかったため、もしかすると、タンクのお湯がなくなったのかもしれない。
だとしたら、案外カンタンに解決するかも……?
ちょっと希望が湧いてきた。
さらなるトラブルで電話に苦戦
翌朝、営業時間を待ちわびて、早速メーカーの「修理のご依頼窓口」に電話してみた。
しかし、なんとここでも、またしても試練が立ちはだかったのだった。
最近の電話窓口は、音声ガイダンスで対応していることが多い。
人間のオペレーターなら一発で用件が言えるものを、音声ガイダンスに従って、ひとつひとつ質問をクリアしないと、本題にたどり着けない。
正直言って、普段から、これにはめちゃくちゃイライラしている。
電話のキーパッドで数字を入力するタイプと、声で質問に答えるタイプがあるが、今回は音声タイプ。
だが、それが問題だった。
実は、その時、私は酷い喉風邪をひき、ほとんど声が出なかったのだ!
めったに風邪なんかひかないというのに、なんというバッドタイミング。
年明けから、水道管やら何やら壊れた上に、風邪まで引くとは、もしかして「厄年」か?
と、思ったら、その少し前に61歳の誕生日を迎えた私は、本当に厄年だった!!(驚)

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それはさておき、どうにか音声ガイダンスをクリアして、給湯器を復旧しなければならない。
出ない声を振り絞り絞り、四苦八苦しながら、ガイダンスの案内に従っていくこと30分近く!
ようやく、修理の予約までたどり着いたものの、スマホから聞こえてきたアナウンスは、無情にも……。
「ただいま、予約が大変混み合っているため、お客さまの修理のご要望にはお答えできません」
は?
今までの、30分の苦労は何だったの?
ふざけんな〜〜〜〜!!
思わず、スマホを投げつけたくなった。
万事休す!
このまま給湯器を復旧できなかったら、ずっとお風呂に入れないんだろうか?
絶望しかけた時、取り扱い説明書にもうひとつの電話番号を見つけた。
「製品に関するお問い合わせ窓口」と書いてある。
もう、ここが最後の頼みの綱!
また、あのガイダンス地獄が始まることを覚悟しつつ、ダメ元で電話してみると……。
なんと、意外にもすぐに「人間」のオペレーターさんにつながったのだ!!
やった!!
「はい、どういったお問い合わせでしょうか?」
生身の人間の声を、こんなにもありがたく感じたことはない。
電話口で対応してくれたのは、優しそうな声のお姉さんだった。
風邪のためにお聞き苦しい声は、最初は「イタ電」と思われたかもしれない。
それでも、何とか必死で声を出して事情を説明すると、お姉さんはすぐさまお湯が出ない原因を察し、解決策まで指示してくれた。
いざという時頼りになるのは「人間」
原因は、やはりタンクの水切れだった。
一度、タンクの横にあるリセットボタンを押して、十分に水を供給すれば解決するという。
そんな簡単なことで治るのか!!
と、小躍りしたが、実際にリセットボタンを押してエラーランプが消えるまでは、安心できない。
ようやく捕まえた「頼みの綱」! ここで放したらおしまいだ。
そんな強迫観念に駆られて、電話をつないだままで、復旧作業に取り掛かった。
今まで15年間使ったことのないリセットボタンのカバーが、錆びついてなかなか外れない。
「お姉さん、カバーが開きません!」
「家にペンチとかありませんか?」
「あると思うけど、探すのに時間がかかります」
「焦らなくて大丈夫ですよ」
工具箱をひっくり返し、ペンチを見つけて、カバーを開けるまで、所要時間5分以上。
その間、お姉さんはずっと電話口で私を励まし続けてくれた。
おかげで、無事にリセットボタンを押して、給湯器を復旧させることができたのだった。
ありがとう、お姉さん!
神……!!
やっぱり、いざという時に頼りになるのは、「機械」じゃなくて「人間」なのだ。
救世主、イケメン兄弟登場!
そして、その数日後、私はまたも、「人間」に助けられることになる。
水道工事の一件を知った、なじみの植木屋さんが、「知り合いの水道屋を紹介するから、念のために見てもらえば?」と、提案してくれたのだ。
すでに、大手の水道工事会社で工事の手配を進めてもらっているところだが、金額も大きいことだし「相見積もり」を出してもらうのもいいかもしれない。
植木屋さんが紹介してくれたのは、若い兄弟2人で営んでいる、町の小さな水道屋さん。
しかも、この兄弟、なかなかのイケメンだった!
例えて言えば、兄が柄本佑、弟が菅田将暉というところだろうか。
おふたりの見立てでは、やはり漏水箇所は、1階の洗面台の下あたり。
でも、大手の水道工事会社が、「地下の水道管の漏水を止めるのには、床を壊さなければならない」と言ったのに対して、彼らは、もっと簡単な方法を提示してくれた。
水道管は、家の中に入る前に、何箇所かに分岐している。
なので、1階の洗面所につながっている水道管だけを外で遮断してしまえば、床を壊さなくても漏水を止めることができるのだ。
裏口のコンクリートの一部を壊すことにはなるが、家の中を工事するよりもずっと簡単!
当然、洗面所の水は出なくなるが、お湯は管が別なので、今まで通り使うことができる。

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そもそも、私は普段2階の洗面所を使っているので、生活には全く不便がないのだ。
そして、その方法ならば、予定していた水道管引き直しの工事よりも、はるかに安い工事費で済むという。
目からウロコ! 発想の転換!!
なんと、そのスーパーブラザーズは、その日のうちに工事に取り掛かり、ものの数時間で、我が家の「水道管漏水事件」を解決してくれた。
「プチ断水生活」は、即日解消!
しかも、後日請求された工事金額は、7万円ポッキリ!!
200万円の工事費を覚悟していた私にとっては、まさに「地獄に仏」だ。
誤解のないように言っておくが、大手の水道工事会社も、決してぼったくろうと思っていたわけではない。
それまでも、トイレの便器交換や水道が詰まった時にお世話になっている会社で、営業の方もとても良い方だ。
ただ、大手の会社には、家の外で水道管を遮断するという、柔軟な発想はなかったのだろう。
水道トラブルは「相見積もり」必須
何かしら、大きな修理や工事をするような時には、ひとつの会社で即決せず、何社かの相見積もりを取ること。
今回のことで、その大事さを痛感した。
今となっては、良い勉強になったと思っている。
ちなみに、家庭の水道管はだいたい30年位で劣化して、補修や取り替えが必要になることもあるそうだ。
我が家は築28年なので、ちょうどそんな時期に差し掛かっていたのかもしれない。
家も年月を経るに連れて、いろんなところが壊れてくる。
電動シャッターが壊れ、ガーデンライトが壊れ、エアコンが次々に壊れ。玄関のインターホンと、ガスコンロが壊れ……。
そのたびに、修理費や、買い替えの出費がかさむ。
家を維持するというのは、なかなかに大変なことなのだ。
そして、「おひとりさま」は、その責任も苦労も、ひとりで背負わなければならない。
そんな時に頼りになるのは、友人、知人や、ご近所さんだ。
「おひとりさま」だからこそ、普段からの「人付き合い」は、大切にしたい。

写真提供/折原みと
ところで、水道料金の話だが、スーパー水道ブラザーズが漏水を止めてくれた時点で、水道メーターの使用水量は、最初のお知らせ時の4倍近くになっていた!
「プチ断水生活」の努力にもかかわらず、それだけの水が漏れ出してしまっていたのだ。
と、いうことは、28万5128円×4で、水道料金100万円超え……!?
でも、ご安心を。
家の中の水漏れと違って、地下の漏水は気づくことができないので、契約者の責任にはならない。
工事後に水道局に申請すると、免責になるのだ。
しかも、一定の水量を超えると、免責がマックスになる。
おかげで、私の自己負担額は、普通の水道料金よりも少し高い程度だった。
助かった〜〜〜!!
たくさんの水を無駄にしてしまって申し訳なかったが、水道局さん、ありがとうございます!!
皆さんも、いつもより異常に水道料金が高いと感じたら、早めに水道局に問い合わせてみてください。
そして、もしも地下で漏水していて、工事になる場合は、「相見積もり」もお忘れなく!