巨人・長野久義が現役引退 40歳さらば「チョーさん」 巨人愛貫き最後も巨人で…16年間のプロ人生に幕

巨人・長野久義が16年間のプロ野球人生に幕を下ろす

巨人・長野久義外野手(40)が現役を引退する意向を固めたことが13日、分かった。近日中に発表される。首位打者、最多安打を獲得した天性の打撃センスと、常に周囲を気遣う人間性でチーム内外から敬意を集めたチーム最年長のベテランが、巨人、広島で計16年間プレーしたプロ野球人生の幕を閉じる。

野球界で唯一無二の存在感を放った長野に、バットを置く日が来た。勝負強い打撃、優しさとユーモアにあふれた言動。阿部巨人の精神的支柱は、静かに決断を下した。

チームは12日にDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで2連敗を喫して敗退し、シーズン終了。第2戦でベンチ入りした長野の出番はなかったが、ベンチから大きな声でナインを鼓舞した。試合後は「悔しい。個人的にもチームとしても、すごく悔しいシーズンでした。みんな来年に向けて、この悔しさを忘れずにやらなきゃいけない」と語っていた。胸の内では、16年間の現役生活を終える決意を固めていた。

日大4年だった2006年秋のドラフト会議で日本ハム4巡目指名、ホンダに入社して2年目の08年秋にロッテ2位指名を受けたが、巨人への思いを貫き、2度とも入団しなかった。翌09年秋のドラフト会議で巨人から1位指名を受けて入団。新人王、首位打者、最多安打のタイトルを獲得し、走攻守3拍子そろう外野手として12~14年のリーグ3連覇で中心となった。19年1月にはフリーエージェント(FA)で加入した丸佳浩の人的補償で広島へ移籍。4年間プレーし、23年に無償トレードで巨人に戻った。

長野久義は通算1512安打をマークした

昨季は代打の切り札としてリーグ優勝に貢献。長くグアム自主トレの師匠だった阿部監督の就任1年目を支えた。今季は2軍が主戦場で、1軍では17試合で3安打。通算1512安打、通算打率・280の巧打者も12月で41歳。リーグ2連覇を逃したチームの未来は、後輩たちに託すと決めた。

「気遣いの男」が代名詞。外国人選手や新人には積極的に声を掛け、ミスをした選手は食事に誘って励ました。チームが移動する際や決起集会では、全員分の差し入れを用意。相手チームや審判員、裏方、ファン、報道陣にも敬意をもって接する。人望が厚い理由は、周囲への気配りを忘れない人間性にあった。

長野をよく知る阿部監督から「俺が見てきた後輩の中で一番練習をしなかったけど、一番天才型だった」と言われた要領の良さもあった。ただ、近年は遠征先で一足先に球場入りして筋力トレーニングを行うのが日課だった。汗だくの姿は見せないのがスタイル。どんなときも涼しい顔で振る舞うのが長野の生き方だった。

近日中に球団から現役引退が発表されるもよう。巨人愛を突き通し、誰からも慕われた〝チョーさん〟は、惜しまれながら背番号7のユニホームを脱ぐ。

■長野 久義(ちょうの・ひさよし) 1984(昭和59)年12月6日生まれ、40歳。佐賀県出身。福岡・筑陽学園高から日大、ホンダを経て2010年にドラフト1位で巨人入団。1年目に新人王を受賞し、翌11年に首位打者、12年に最多安打のタイトルを獲得した。18年オフに巨人へFA移籍した丸佳浩の人的補償として、広島に移籍。22年オフに無償トレードで巨人に復帰した。180センチ、85キロ。右投げ右打ち。今季年俸5000万円。背番号7。

2022年11月、巨人復帰会見を行ったときの長野久義。左は当時の原辰徳監督