トランプ大統領、「自閉症の原因」としてアセトアミノフェンを挙げるも、専門家は即座に否定
トランプ大統領、自閉症の原因はアセトアミノフェンと主張

ドナルド・トランプ大統領が「自閉症の原因」としてワクチンやアセトアミノフェンを槍玉に挙げている。アセトアミノフェンは解熱鎮痛薬に用いられる成分で、タイレノールやカロナールといった市販薬に利用されている。だが、WHOはこの見解を即座に否定している。
カーク氏の追悼式で言及

9月22日、トランプ大統領は特に妊娠中の女性に対してアセトアミノフェンを服用しないよう呼びかけた。銃撃されて死亡した活動家チャーリー・カーク氏の追悼式でのことだった。
「自閉症は過去のものに」?

式には7万人が集まっていたとされ、その大観衆を前にトランプ大統領はこう述べている;「自閉症の原因を解明したようだ。どう思う? 自閉症はもう過去のものになる」
決定的な証拠はなし

自閉症は近年増加傾向にあるようだ。トランプ大統領はアセトアミノフェンを自閉症の原因と断じたが、この主張を裏付ける決定的な証拠は存在しない。
「飲んではいけない」

トランプ大統領はホワイトハウスでも「はっきり言っておきたい。タイレノールを飲むな。飲んではいけない。どんなに辛くても耐えるんだ」と主張したという。CBCが報じている。
FDAを通じて通知

トランプ大統領はさらに、食品医薬品局(FDA)からも医師らに通知を出すと発言。パラセタモール(アセトアミノフェン)利用が胎児にもたらすリスクを知らせるとしている。
ワクチンとの関連も主張

トランプ大統領は他にも、ワクチンと自閉症の関連も主張している。これは現政権で保健福祉長官を務めているロバート・ケネディ・ジュニア氏の持論でもある。ケネディ氏は反ワクチン派としても知られている。
接種間隔を広げて量も減らすよう主張

トランプ大統領は子どもたちに接種しているワクチンの数が多すぎるとし、接種間隔を広げて、いちどに接種する量も減らすべきだと主張している。
ソースは「直感」

トランプ大統領は米政治紙『The Hill』でこう述べている:「これは直感だが、おたふく風邪に麻疹、それからあの3種(混合)、これは別々に接種するべきだ。混ぜてしまうと、なにか良くないことが起きるらしい」
悪影響はあるはずだが……

「分けて接種してもなにも悪影響はない。むしろその方が良いという話もある。なら分けるべきだ」とトランプ大統領は続けている。だが、ワクチン接種に時間が掛かるとその間の感染リスクが上がることについては触れていない。
トランプ大統領の認識

「ちいさな、か弱い子どもがいるとしよう。そんな子どもが、巨大な容器に入った、80種類だかのワクチンをごちゃまぜにしたのを、いちどにぶち込まれたりしているんだろ」とはトランプ大統領の弁だ。
トランプ大統領の理想

トランプ大統領はこうまとめている:「だから、理想的なのは、妊婦はタイレノールを飲まないこと。それからワクチンはいちどの接種で大量に詰め込むのではなく、4回か5回にわけることだ」
直感に基づく警告は「まったく問題ない」

米国民に対して大統領の「直感」に基づいて警告を発することの是非について問われたトランプ大統領は、「まったく問題ない」と断言している。
専門家は安全性を強調

米国産婦人科医師会はトランプ大統領の発表に先立って声明を発出、「最新の知見でも、アセトアミノフェンは妊娠中でも安全な信頼性の高い解熱鎮痛薬であると考えられています」と強調している。
自閉症には遺伝子が大きく影響

自閉症には遺伝子が強く関わっていることが知られている。100前後の遺伝子の様々な組み合わせが自閉症の症状に影響しており、そこに副次的な要因も関わってくる。だが、アセトアミノフェンがそういった要因のひとつであるという結果は出ていない。
一般論として、飲み過ぎは良くないが

カナダ・ブリティッシュコロンビア大学で遺伝子異常を研究するスーラ・アルワン博士はカナダの公共放送CBCでこう語っている:「タイレノール(アセトアミノフェン)は発熱時、あるいは強い痛みがある時に限り、量も期間も最小限にして服用されるべきです。これが以前から変わらない、一貫して医学的に推奨される用法です」
自閉症リスクとの関連付けは警戒すべき

「ですが、このような用法指示が自閉症リスクのような主張と関連付けられてしまうことは懸念しています。極端な主張には極端なエビデンスが求められるからです」
症例の増加は定義の変化による

『精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM)』 第5版の共著者であるアレン・フランセス博士によると、自閉症の症例数はここ30年で60倍になっているが、それは主に「自閉症」の定義が拡大したからだという。
定義が再検討され、変化した

「自閉症の症例が急速に増加しているのはワクチンや環境ホルモンのせいではありません。そうではなく、自閉症の定義が再検討され、変化したことによるのです。そのプロセスには私も手を貸しているわけですが」と、フランセス博士は『ニューヨーク・タイムズ』紙上で語っている。
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