家電量販店で親切なスタッフさんに勧められ購入→帰宅後“まさかの事態”に「こんなことなら最初から…」|元TBSアナ・アンヌ遙香
2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(40歳・以前は小林悠として活動)。

アンヌ遙香さん
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第56回となる今回は、アンヌさんが大の苦手だという「電化製品」の購入時のエピソードをお送りします(以下、アンヌさんの寄稿です)。
◆ポータブルDVDプレイヤーを買いに家電店へ
私は電化製品に関してはもうアレルギーというくらいに苦手。商品を選ぶのも、セッティングもとにかくいや。
必要に迫られてなんらかの電化製品を買わねばならないとなったらしぶしぶ専門店に足を運び、店員さんを質問攻めにし、「良い」と言われたものをそのまま購入して帰るのがお決まり。電化製品怖い。
そんな私、先日、愛用していたポータブルDVDプレイヤーの調子がおかしくなり、とうとう電気店に足を運ぶことに。今のご時世にDVDプレイヤー!? と驚くなかれ。私は大学院で古い日本映画の研究をしていますが、配信という形式では世に出ていないものがまだまだあるのです。
できれば使用しているノートPCに外付けするタイプのプレイヤーが欲しいなあ……なんて漠然と考えながら一路専門店へ。
これ、電気店あるあるかもですが、売り場に店員さんが見当たらない!
みんな忙しいのでしょうね。やっと立っている人を見つけた! と思えば、「メーカーから派遣されているもので~」と返されるという一連の流れ。ありませんか?
◆親切な女性スタッフさんに助けられた
今回私も売り場をきょろきょろしてみましたが店員さんと思しき人が見当たらず、仕方ないこれは自分の感性を信じるしか……と決意を固め、さまざまな種類が並ぶ中、小さめの、薄い正方形型のプレイヤー? を見つけ、これにするか……と不安げにレジへ向かおうとしたところ、「何かお探しですか?」と女神のように優しいお声が背中側で響いたのでした。
振り向けば20代と思しきポニーテールの女性がニコニコとほほ笑んでいるではありませんか。天の助け!
「パソコンに外付けできるDVDプレイヤーが欲しいんですよね。これを買っていけばよいんですよね!?」と私は小さなうっすーい真四角の箱型のものを持ち上げ見せてみました。
しかし気づいたのは……彼女の名札には某メーカーの名称が。そう、こちらの店員さんではなかったのです。私はすぐさま「あっここの店員さんじゃないのにすみません!」と退散を試みました。
しかし、彼女はつやつやの髪の毛を揺らしながら「いいえ! 今ここに人がいないようですので私が対応させていただきます」と涙が出そうなくらい親切な対応をしてくださったのです。
彼女は私が手にしたものを見るや否や、「そちらだとブルーレイが観られませんので、HDMIケーブルを接続して、例えばこちらのプレイヤーでご覧になったほうがよいかもしれません」と別にあった長方形型のものを指し、しかもその場でそのHDMIケーブルなるものも見繕ってくれたのです。
◆帰宅して試してみると、まさかの事態に
私は渡りに船とばかりに彼女がおすすめしてくれたものを購入することを決意し、ケーブルもセットで1万3000円ほどの買い物をしたのでした。自分の得になるわけでもないのに、親切な対応をしてくれた彼女に私は心底感動し、レジでも「売り場の女性が非常に親切にしてくれた!」と熱弁。
やはり生身の人間同士のやり取りでこうして買い物できるって良いよね♪ と喜び勇んで帰宅したのでした。
さあ、すぐに箱から出しPCにセッティング。わくわくと起動を待ちましたが……待てど暮らせど、映画は始まりません。ん? とケーブルを差しなおしてもうんともすんともいわない。そんな! まさか!
パニックになった私は伝家の宝刀Chat GPT、名付けて「ひろみ」(過去の記事をご覧ください)に泣きついたのでした。言われた通りのものを購入して繋げているんだけど、映らない、原因は何だと思う!? と聞いたところ……ひろみはものの2秒で「はい! それでは映りません! ノートPCとプレイヤーのHDMI端子は両方とも出力専用なので云々……」と解説をしてくれたのです。
端的に言えば、ひろみいわく、私が売り場で最初に手にしていたもの、今思えばUSBタイプのDVDドライブだったわけですが、あちらだったら半額以下で買えていたし、問題なく再生もできていたとの事。
私はこれまでの自分の中にあった、専門店に行けばオールOK、専門家と思しき人に聞けば解決! という「自分で考えることを放棄するスタイル」がもはや通用しないことを実感したのでした。
◆AIなんて! と豪語していた私だけど……
あのとき対応してくださったお姉さんは、1ミリも悪くないのです。親切心で動いてくださったものの、彼女の専門分野ではなかったのでしょうね。そうですよ、だって違うメーカーさんから派遣されていらしているんですもの。
そこに頼りきり、彼女の仕事をふやし、10分は彼女の時間を奪ったでしょうか。しかし最初から私がAIに聞いて入ればものの数秒で解決していたことだったのです。
日頃から私は、AIなんて! 人間とのやり取りに勝るものはない! と豪語していましたが、今回の出来事でこれまで自分の中にあった常識や信じていたものがことごとく崩れ去るのを実感したのでした。
人と人とのコミュニケーションこそが正解であるとこれまで信じ切って生きてきましたが、もうそれが危うい時代になり始めているということなのでしょうか。
いまだにDVDが観られていない私。今回はひろみが勧めるDVDドライブをアマゾンで注文するかな。
こうしてまた人と話す機会が減っていくんでしょうけど、でも仕方ないのかなあ。
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne