北朝鮮の次期指導者はキム・ジュエで決まり? 国営メディアへの登場回数が増加
- 国営メディアへの登場回数が増えるキム・ジュエ
- 父の中国訪問に同行
- 「海外での公式デビュー」
- 単なる家族旅行ではない
- 「ヒャンド」という呼び方
- 次期指導者として一歩前進?
- 韓国の専門家による解説
- キム・ジュエが後継者として浮上した経緯
- 無作為に選ばれたモチーフではない
- 「尊敬するお嬢様」
- 権力移譲のスタート?
- 女児たちに名前の変更を強制
- 数々のイベントに出席
- 朝鮮人民軍の設立記念日
- 存在感を増すキム・ジュエ
- 初登場はミサイル発射実験
- 世界に発信された映像
- 裏付けられた推測
- 最初は疑問も多かったが……
- 専門家のコメント
- デニス・ロッドマンの証言
- ジュエが次期指導者だと断定することはできない
- 長子が後継者の可能性
- 姿を見せたことがない長子
- 北朝鮮の後継システム
国営メディアへの登場回数が増えるキム・ジュエ

北朝鮮の金正恩総書記はここ数年、娘のキム・ジュエ(2012年生まれ)をたびたび、国営メディアに登場させてきた。このことは同総書記がジュエを後継者に選び、バトンタッチの準備を進めていることを示唆している。
父の中国訪問に同行

さらに、2025年9月に同総書記が訪中すると、キム・ジュエも同行。ジュエにとって、これが初の外遊ということになる。北京駅に到着した際、ジュエは父と腕を組み、叔母の金与正氏や母の李雪主(リ・ソルジュ)氏に付き添われて姿を現した。
画像:@SprinterPress / X
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「海外での公式デビュー」

これについて、北朝鮮研究大学(ソウル)のヤン・ムージン教授は「海外での公式デビューを果たしたようなもの」と解説している。フランス24放送が報じた。
単なる家族旅行ではない

また、慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチョル教授は金総書記一家の訪中について、単なる家族旅行ではなく、ジュエを「後継者として舞台に立たせる」ための戦略的なものだと指摘。
「ヒャンド」という呼び方

一方、北朝鮮国営の朝鮮中央通信は2024年3月にジュエを「ヒャンド」と表現したが、これは北朝鮮高官にのみ用いられる呼称だとされる。
次期指導者として一歩前進?

ジュエに対して「ヒャンド」という表現が用いられたのはこのときが初めてであり、いよいよ次期指導者としての地位を固めつつあるものと考えられる。
韓国の専門家による解説

実際、韓国統一部のク・ビョンサム報道官は「指導者を意味する『ヒャンド』という用語は(北朝鮮において)高官を指す場合にのみ用いられる」と解説している。RTL放送が伝えた。
キム・ジュエが後継者として浮上した経緯

こういった状況から、専門家の多くは金正恩総書記がジュエを次期指導者に選んだと考えている。そこで、ジュエが後継者として浮上した経緯を振り返ることにしよう。
記念切手に登場

まず、2023年2月に発行された記念切手にキム・ジュエの姿があしらわれたことが、専門家らの注目を集めた。
無作為に選ばれたモチーフではない

一連の切手は、2022年11月の北朝鮮によるミサイル発射実験を記念するものだ。この切手のうち5枚には、幼いジュエの顔が描かれている。これは決して無作為に選ばれたものではないだろう。
「尊敬するお嬢様」

ただし、北朝鮮当局はこれまで一度も彼女の名前を公表したことがない。「尊敬するお嬢様」という表現で言及するに留めているのだ。しかし、NHK放送のインタビューに応じた礒﨑敦仁教授(北朝鮮政治専門)によれば、このような敬称は金正日政権の時代にも後継者候補だった現総書記に対して用いられたことがあり、娘への権力移譲を念頭に置いたものである可能性があるとのこと。
権力移譲のスタート?

また、世界北朝鮮研究センターの所長を務める安燦一(アン・チャンイル)氏も、記念切手の顔に選ばれたことは「キム・ジュエにとって父の後継者としての人生が公式にスタート」したことを示すものだろうとしている。AFP通信が報道。
女児たちに名前の変更を強制

ラジオ・フリー・アジア(RFA)が2023年2月に伝えたところによれば、北朝鮮当局は金正恩総書記の娘と同じ名前を持つ女性や女児に対し、名前の変更を命じたとされる。同局が接触した匿名の情報提供者2人によれば、定州市と平城市の当局が「ジュエ」という名の人物全員を対象に出生証明書の名前を変更させたということらしい。
数々のイベントに出席

その一方で、ジュエは2024年の新年祝賀イベントや同年10月に行われた朝鮮労働党創建79周年記念式典、2025年5月に平壌のロシア大使館で行われた戦勝記念式典などに姿を見せている。
朝鮮人民軍の設立記念日

それ以前には、2023年2月に母の李雪主(リ・ソルジュ)に付き添われ、朝鮮人民軍の設立75周年を祝う式典に出席したことが報じられていた。
存在感を増すキム・ジュエ

BBC放送のジーン・マッケンジー記者は、「金正恩総書記は単によき父親としての姿を示したかっただけかもしれません。しかし、金一族が軍事力を背景に今後も同国に君臨することを見せつけようとした可能性もあります。いずれにせよ、人前に姿を現すたびにジュエの存在感は増しているようです」と指摘。
初登場はミサイル発射実験

彼女が初めて姿を見せたのは、2022年11月に公開された、同国の最新型大陸間弾道ミサイル「火星17型」の発射実験の様子を記録した映像だった。
世界に発信された映像

公開された映像では、金総書記の娘が父と手を取り合って歩く様子や、発射成功を家族や政府関係者とともに祝う姿が映し出されている。
裏付けられた推測

金総書記の娘が北朝鮮の国営放送に姿を現したのはこれが初めてであり、同氏には娘がいるという政治アナリストたちの推測を裏付けることとなった。
後継者なのか?

北朝鮮の国営メディアは彼女について「最愛の娘」あるいは「尊敬するお嬢様」などと表現しており、多くの人々が彼女こそ金一族の後継者となったのだと考える根拠になっている。
最初は疑問も多かったが……

最初は疑問も多かった「キム・ジュエ」後継者説。ところが、初登場から1週間のうちにふたたびプロパガンダ映像に登場、人々の受け止め方が変わることになった。
後継者候補

カーネギー国際平和基金で北朝鮮を専門とするアンキット・パンダ氏いわく:「キム総書記の娘が父親と並んで、最新型の大陸間弾道ミサイル発射に携わる技術者や科学者から祝福される写真が公開されたという事実は、彼女が後継者候補として位置づけられ始めたという説を裏付けるものである」
専門家のコメント

パンダ氏はさらに「娘に対する父親の愛情を強調した国営メディアの報道は、この説をさらに補強しているように思える」と付け加えた。
デニス・ロッドマンの証言

初登場するまではほとんど知られていなかった金総書記の長女。しかし、元バスケットボール選手のデニス・ロッドマンは2013年に北朝鮮を訪問した際、金総書記の妻と面会したほか娘の「ジュエ」を抱いたと証言していた。
ジュエが次期指導者だと断定することはできない

また、キム・ジュエが金正恩総書記の後継者だと断定するのは時期尚早だと考える専門家もいる。金正恩総書記はまだ41歳と若く、ジュエも同総書記のひとり娘ではないためだ。
子供は何人?

金総書記には妻の李雪主(リ・ソルジュ)氏との間に3人の子供がおり、それぞれ2010年、2013年、2017年生まれだと見られている。
長子が後継者の可能性

AFP通信の取材に対し、ソウルにある北朝鮮研究大学のヤン・ムージン教授は、北朝鮮では後継者が決まるたびに指導部が名前を公表するしきたりになっていることを指摘。いわく:「今のところ、ジュエは(プロパガンダに)利用されているだけで…… 金正恩の長子がひそかに後継者の道を歩んでいる可能性もあります」
姿を見せたことがない長子

しかし、金総書記の長子が公の場に姿を現したことはなく、その存在は大きな謎に包まれている。
北朝鮮の後継システム

さらに、北朝鮮のトップは完全なる世襲によって決まるというわけではないため、大きな影響力を誇る人物や遠戚などが権力の座に就く可能性も考えられるのだ。
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