【エリザベス女王杯 細江純子の直前!GⅠパドック講座】〝張り感〟アップのレガレイラは踏み込みに注目! 本命はリンクスティップ

ホースコラボレーター・細江純子さん
今週の『直前!GⅠパドック講座』のターゲットは、エリザベス女王杯(16日、京都、芝2200メートル)。グランプリ女王か、上がり馬か、はたまた気鋭の3歳か-。ホースコラボレーター・細江純子さんが有力4頭をピックアップ。パドックで見るべきポイントを要チェックだ。
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⑦レガレイラ 〝張り感〟アップは好調の証 踏み込みに注目
大敗を喫した2走前の宝塚記念は、有馬記念以来の休み明けで10キロ増でしたが、体重的な重さというよりも緩さが目立ち、重心も前に落ち気味で、全体的にネジが締まっていない印象でした。
この馬の好調時のポイントは、まず緩さがないこと。あとは首に力が入り、頭、首、背中、腰にかけてのトップラインがつながっており、両サイドの方の引き手がある程度ピーンと張っていれば理想的です。そして前肢と後肢がつくほどの踏み込みの深さが感じられること。
今回は追い切りの動きやフォトパドックからも、前走時以上の張り感があり、状態が良さそう。よってあとはスタートが鍵となりそうです。

快勝だった産経賞オールカマー以上の〝張り感〟を見せるレガレイラ。当日は踏み込みの深さにも注目だ
⑬ココナッツブラウン 馬体重とテンションに注目
デビュー時が422キロ。それが前々走のクイーンSでは470キロとなり、50キロ近く増えた馬体へと変貌しました。パパのキタサンブラックもデビュー当初のキリンさんのような線の細い馬体から、徐々にたくましさあふれる姿に変化した馬。ここにきて成長を遂げているように感じますし、滞在競馬がこの馬にとって良い状況だったように思えます。
となると、大事なのは当日の馬体重とテンション。前走時から極端に体重を減らしていない方がいいですし、テンションに関しては「首」と「歩く速度」。首に力みがなく、ソワソワと速歩になっていない方が走れる精神状態にあり、折り合い面においても楽になるので、当日のパドックではこの2点に注目だと思います。

ココナッツブラウン=栗東トレセン
⑫ライラック リズムよくご機嫌に歩けているか
この馬は非根幹距離でこそ、そして長い直線向き。そういった意味でも、2200メートルの京都外回りコースはドンピシャの条件だと思います。
また、さほど調子の浮き沈みのないタイプに見受けられ、これまでの着順は調子うんぬんよりも適性や流れによるものに思えます。とはいえ、今回で4回目の出走となるエリザベス女王杯。前走が過去最高馬体重タイで挑めていたことに加え、内容的にも良かった点から魅了されます。

ライラック=美浦トレセン
これといってパドックでのポイントはあまりないように感じる一方で、これまで通り担当の方とリズム良くご機嫌に歩けていること、そして体重よりも細く見せないこと、これが大事な気がします。
⑯リンクスティップ プラス体重なら理想的
もともとが線の細いタイプで脚が長く、キリンさんのような体形で、その点が若い頃のパパ、キタサンブラックに似ていました。そんな中、少し変わり身を見せたのがオークス前。桜花賞から間隔が短かったものの、幾分、フォルムに筋肉をまとった馬体に変化していました。
そして休み明けとなった前走は8キロ増で、過去最高体重の480キロ。この中間がさらに10キロ増で、担当の新田さんも「1桁にはなると思いますが、プラスで出られそう」と話しており、個人的にもプラス体重が理想だと思います。
パドックでは若干、チャカチャカするところはありますが、一人引きのままでの周回であれば許容範囲だと判断していいと思いますし、明らかに春よりも首、肩回りの筋肉量はアップしています。
本命は鞍上と大外枠が魅力の⑯リンクスティップ
本命はリンクスティップ。前走の敗因は小回りコース&最内枠が影響したものと思えます。というのも、この馬は脚が長くスパッと動けるタイプではないので、どちらかというと広いコース向き。またフワッと乗る騎手よりも、エンジンをかけて常に動けるように圧をかける乗り方のジョッキーと手が合うように感じます。
そういった意味でも、デビュー戦(2着)&2戦目(1着)でコンビを組んでいるクリスチャン・デムーロ騎手はドンピシャですし、枠も内めに入るぐらいなら、自分で動かしていける大外枠で良かったように思えます。
相手として入れておきたいのはパラディレーヌ、ライラック、ココナッツブラウン、レガレイラ、カナテープあたりとみています。
ホソジュン・パドックアーカイブ~2010&11年スノーフェアリー
エリザベス女王杯で衝撃的な走りをした馬といえば、英国からの参戦となったスノーフェアリーでしょう。
2010、11年を連覇しましたが、特に初制覇の際には直線でワープしたかのような鋭い差し脚で、名手ムーア騎手を背にインを強襲。目の覚めるような末脚でした。そんなキレッキレの彼女はレース前とレース後で、まるで別馬のようになるのです。
というのも、レース前は〝戦う女〟を全身から醸し出し、目をつり上げ、カッカしながらパドックを周回。それがレース後は〝私、頑張ったでしょ。褒めて、癒やして〟と言っているかのように担当である女性厩務員さんに体をスリスリとし、トロンとした甘い目つきで少女のような甘えん坊になるのです。
その変貌する姿に、先日の秋の天皇賞で取り上げたゼンノロブロイ担当の川越さんはトレセンを去る際、「厩務員として心残りがあるとするならば、あのスノーフェアリーと担当者のような関係性を作れなかったこと」と口にしたのです。
また、今年の牝馬2冠(桜花賞、秋華賞)を制したエンブロイダリーの及川厩務員は、馬に携わるうえで大事なことは「馬の気持ちに、いち早く気づいてあげられること」と話されていました。まさにあのスノーフェアリーと担当者は、お互いの求めるものを理解し合う関係性を構築しているように映り、レースのみならず、レース後のウイナーズサークルに至るまで魅了されました。
■細江 純子(ほそえ・じゅんこ) 1975(昭和50)年3月12日生まれ。愛知県出身。武豊騎手に憧れ、96年にJRA初の女性騎手としてデビュー。2000年に日本人女性騎手として初の海外勝利(シンガポール)。01年の引退後はホースコラボレーターとしてさまざまなメディアで活躍し、フジテレビ『みんなのKEIBA』、関西テレビ『競馬BEAT』に出演中。Xのフォロワー数は現在22万超。