フィギュアの坂本花織がSP克服、今季世界最高得点で冬季五輪へラストスパート

今季自己ベストでSPを滑り切った坂本花織。苦手意識のあったSPを克服した=7日、大阪府門真市の東和薬品ラクタブドーム(恵守乾撮影)
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦、NHK杯で8日、女子シングルの坂本花織(25)=シスメックス=が今季世界最高得点で優勝した。日本女子のエースとして活躍してきた坂本は今季限りでの引退を表明しており、競技人生の集大成としてミラノ・コルティナ冬季五輪での頂点を目指す。
ショートプログラム(SP)は77・05点の今季自己ベスト、フリーと合計した227・18点は今季世界最高。圧巻の完成度でフリーの演技を終えた坂本は大きく口をあけて笑い、両手を高く振り上げた。
神戸市出身。豊かな表情で笑いをとるおちゃめなキャラクターだが、本番では緊張するタイプだ。昨季まではSPでミスが目立っていた。そこで今季は、冒頭に得意のダブルアクセルを跳んだ後、難度の高い3回転ルッツを組み込むというこれまでの順番をあえて入れ替え、3回転ルッツを冒頭に。ここで最大限集中して成功させ、流れに乗る戦略が奏功した。

緊張した表情で中野園子コーチ(右)に送り出され、SPに臨んだ=7日(恵守乾撮影)
着氷後もスピードを維持する持ち味を生かした美しい滑りを披露し、テレビ解説を担った2006年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんは「素晴らしい」を連発した。優勝インタビューで今季世界最高得点だったことを知らされた坂本は「えっそうなんですか? あらまー」と明るく驚き、会場をわかせた。
4歳でスケートを始め、22年北京五輪では団体で銀メダル、女子シングルで銅メダルを獲得した。世界選手権は22年から3連覇したが、25年は準優勝だった。念願の五輪金メダルを見据えた10月の会見では「今シーズンのテーマは〝総括〟。いつも通り追い込んで、しっかり練習を積んで試合で結果を残せば、思い描いているようになる」と意気込んだ。

最後はこの曲でと決めていた「愛の讃歌」のフリーを終え、喜びが爆発。今季世界最高得点を勝ち取った=8日(恵守乾撮影)
GPシリーズ第1戦のフランス大会を制した17歳の中井亜美ら若手も台頭する中、まずは五輪日本代表の3選手に選ばれなければならない。GPシリーズ6大会の上位選手らで争うGPファイナル(12月4日から名古屋)、全日本選手権(同19日から東京)で結果を残せるか。スケート人生21年の集大成へ向け、坂本のラストスパートが始まった。(写真報道局 山田耕一)

SPの演技を終え、スタンドに向かってポーズ=7日(恵守乾撮影)