浜松町「超太っ腹フードホール」で1人飲みの至福

2025年9月に「BLUE FRONT SHIBAURA」のTOWER Sの商業エリアがグランドオープンした。ここに太っ腹のフードホールを展開している(写真:筆者撮影)
大型の再開発が進む浜松町
長らく再開発工事が続いている浜松町。かつてこの地にあった「世界貿易センタービル」(1970年竣工)は、日本で最も高い高層ビルとして都心を見下ろしていた。
【写真を見る】まるで高級レストラン!筆者が選んだ《前菜とお酒》。ビールは「ここでしか飲めない」という触れ込みだ
しかし栄華も束の間、翌年に京王プラザホテルがオープンしてその座を奪われると、あれよあれよと都心部に高層ビルが林立。2021年には、老朽化による建て替えに伴い閉館した。
ここ浜松町では再開発が着々と進んでおり、18年に日本生命浜松町クレアタワー、21年3月に世界貿易センタービルの南館が竣工している。
また、25年9月には「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」のTOWER Sの商業エリアがグランドオープンした。国家戦略特区計画の特定事業として進めている「BLUE FRONT SHIBAURA」プロジェクトとして、30年にはツインタワーのもう一方、TOWER Nの竣工を目指している。

世界貿易センタービル(写真:筆者撮影)
このブルーフロント芝浦、実はなかなかに気合いの入ったフードコート(フードホール)を展開している。

BLUE FRONT SHIBAURA(写真:筆者撮影)
飲食物持ち込み可、店舗利用なしでも使える「太っ腹すぎる」空間
9月にオープンしたブルーフロント芝浦のTOWER Sは、地上43階、地下3階建てで高層(35~43階)には日本初上陸となるラグジュアリーホテルの「フェアモント東京」を誘致。フランスに拠点を置く「アコー」が手掛けるブランドで、最も広い部屋の面積は278平方メートルを誇る。
中層(7~33階)はオフィスエリアとなっており、一般客が主に出入りするのは1~3階のショップ&レストランフロアだ。同フロアのテーマは「水辺や緑に面した“まちのコミュニティハブ”」だという。
浜松町駅から徒歩で数分。開放的なデッキを歩いていくとモノレールの線路越しにブルーフロント芝浦が見えてくる。デッキの横道には、さながら緑道のような形で道が枝状に伸びているところもあり、テーマ通りの設計となっている。見上げればモノレール、デッキの横にはいくつもの在来線、新幹線が走っており間近で鉄道を見られる一角もあった。

モノレールが映える(写真:筆者撮影)

緑も豊かだ(写真:筆者撮影)
さて、そんなブルーフロント芝浦のTOWER Sには2つのフードホールがある。
大まかに3つのエリアに分けられる
まず1つが、1Fの「GREEN DINING HALL」だ。全6つの店舗が入居し「おむすび専科」や自分でカスタムしたサラダを食べられる「クリスプサラダワークス」、その他パスタ&カフェやスープカレー、オイスターバー、スープカレーといったラインナップだ。
共用席の数は約350。エリア全体は大まかに「RESORT」「PARK」「HOUSE」の3つに分かれている。

GREEN DINING HALL(写真:筆者撮影)
RESORTエリアはゆったりとした複数人がけの席が充実している。ものすごく平たい表現をすると高級なファミレスのような空間で、談笑している複数人連れの女性が多い印象を受けた。
こちらは午後5時まで、フードホール内の店舗から基本的にモバイルオーダーで注文でき、午後5時以降は「Trattoria八十郎」と「芝浦 牡蠣屋」専用の席になり、注文した商品はスタッフが席まで届けてくれるレストランスタイルに変わる。

全6つの店舗が入居している(写真:筆者撮影)

落ち着いた雰囲気の空間になっている(写真:筆者撮影)
PARKエリアはもう少し個人利用にも向いたカフェライクなハイチェア、カウンター席がメインの印象を受ける。こちらは平日が午前7時~午後11時、土日祝は午前9時から土曜は午後11時、日祝は同10時まで、フードコートライクに使用できる。

カフェライクなハイチェア、カウンター席がメインの印象(写真:筆者撮影)
最後のHOUSEエリアは、Trattoria八十郎と芝浦 牡蠣屋専用の席として、営業時間中はすべてフルサービスとなっている。
なおRESORTエリア(午後5時まで)とPARKエリアに関しては、店舗利用にかかわらずすべての人に開かれており、飲食物の持ち込みも基本的にOKという太っ腹ぶりである。実際、ペットボトル飲料を持ち込んで長時間楽しんでいるグループが多かった。
さらにWi-Fiとコンセントも充実しており、キンキンに冷えた水も飲み放題である。驚くべきは、RESORTエリアではディスプレイの貸し出しもあるという。
メニュー表まであって、もはや「レストラン」
さて、上がって2階にはまた別のフードホール「CANAL DINING HALL」も鎮座している。こちらは1階のGREEN DINING HALLよりもさらに大箱、全420席に8つの店舗がひしめく。
その名の通りテラス席からは水辺を見下ろせ、船着き場の「BLUE FRONT SHIBAURA PIER」に直結している。

CANAL DINING HALL(写真:筆者撮影)

船着き場に直結している(写真:筆者撮影)

テラス席からは水辺が見下ろせる(写真:筆者撮影)
1階と比較して窓が大きく、採光が良いのでより開放的な印象を受ける空間が広がる。フードコートの進化版、フードホールではあるがさながらホテルのような贅沢な景色である。

まるでホテルのような贅沢な景色だ(写真:筆者撮影)
入居している店舗も「非日常」路線で、押上で人気の焼き鳥店「おみ乃」が手掛ける「OMINO 芝浦」やワインビストロの「八木商店 Wine&Coffe」、オリジナルのクラフトビールを提供する「DRINK STAND 1-1-1」など。こちらも午後17時以降はレストランスタイルでスタッフが商品を届けてくれる。
せっかくなので、このフルサービスの時間帯に行ってみることにした。営業形態が切り替わる午後5時過ぎに行くと、まずスタッフが席まで案内してくれた。「普通のテーブル席と、ソファ席どっちが良いですか?」「ソファ席でも、あんまり低い席だと食べにくいですよね」など、ふだんのフードコートでは味わえない接客に感動する。
昼間とは異なり、若干照明が暗くなった落ち着いた雰囲気の中、席に着く。注文はすべてモバイルオーダー、決済はクレジットカードのみという説明の後、各店舗からおすすめを集めたメニュー表も紹介された。
「前菜」「主菜」「デザート」という区分けで、メニュー名と店名がずらっと列挙されている。ジャンルがまったく異なる料理たちが並んでいるのが非常に面白い。もうここまでくると、フードコート・フードホールではなく普通にレストランの領域である。

メニュー名と店名が列挙されていて、圧倒される(写真:筆者撮影)

ドリンクメニューも充実している(写真:筆者撮影)
名店のメニューを組み合わせて「自分だけの最強コース」を作れる
まずは「ここでしか飲めない」という触れ込みの、DRINK STAND 1-1-1によるクラフトビール「THUNDER IPA」と、前菜として芝浜市場の「よくばり海鮮サラダ」、それにOMINO 芝浦の串焼き3本盛り合わせを注文してみる。

クラフトビール「THUNDER IPA」を注文(写真:筆者撮影)
先に届いたビールとサラダで乾杯。濁ったIPAは飲みごたえ抜群、大ぶりな刺身がたくさんのったサラダと一緒にいただくと、さらにおいしい。刺身はまぐろにタコ、つぶ貝にサーモンなど種類も充実している。

芝浜市場の「よくばり海鮮サラダ」(写真:筆者撮影)
続いて串焼きが登場。名店の味がカジュアルに楽しめるのはありがたい。こちらもまたポーション大きめで、ビールが進む。
ここからさらに自分流の「勝手コース」を楽しむのが、おそらくこのフードホールのポイントだろう。
とはいえ今回は、席の目の前でおいしそうな香りと音を出し続けている「炎麻堂」で、炒飯をシメにいただいて終わりとする。赤坂の名店である炎麻堂は麻婆豆腐が名物なようだが、その他にも餃子を中心に一品もの、麺類も充実している。

「炎麻堂」の炒飯をいただく(写真:筆者撮影)
あっさりめの味付けは、毎日食べても飽きなさそう
ちゃっかり紹興酒を割ったドラゴンハイボールも合わせて、いただいていこう。炒飯は1人分にしてはそこそこ量が多く、シェアしても十分な量に感じた。
具の一つ一つがしっかりと粒だっていて、味はあっさりめ。毎日食べても飽きなさそうな炒飯である。このブルーフロント芝浦で働いていたら、結構ヘビーローテーションしそうな逸品だ。

ドラゴンハイボールと合う!(写真:筆者撮影)
食事や飲み会はもちろん、ふらっときて作業や時間を潰すのにも最適な太っ腹フードホールが充実しているブルーフロント芝浦。ぜひまた何度もお邪魔して、自分流の最強コースを作り上げたいと感じた、楽しいひと時であった。