小池百合子知事が衆院選で自民候補11人を応援したワケ 都議会「知事与党」の公明は不信を募らせて

 東京都の小池百合子知事は衆院選で自民党候補の応援に精力的に入り、都内小選挙区の計11人の集会に出席した。税収の「東京一極集中」問題を巡って、政府から都の主張への理解を得たいとの狙いが見える。これまで都議会で「知事与党」として協調してきた公明側からは不満も漏れ、今後の都政運営に影響が出る可能性もある。

◆与党が税収の「東京一極集中」是正策を明記

 「自民党都連の皆さんと連携をしながら、しっかりと都政を前に進めていく」

6日、松本洋平文部科学相(左)の応援に駆けつけ、手を挙げて支援を訴える小池百合子知事=国分寺市で

 選挙戦最終盤の6日夕、小池知事は国分寺市で開かれた自民の松本洋平文部科学相の集会に、パリ・ローマへの出張から帰国後すぐに駆けつけた。

 約10分間に自民都連や都議会自民議員との「連携」に4回言及。自身は知事就任10年となる一方、文科相は何人も代わったとして安定した政権運営を求めた。

 海外出張直前の1日と帰国後の6、7の両日、自民の応援に動いた小池知事。ある自民都議は「こちらの求めに、知事がかなり応えてくれた。それだけ地方税制の問題が大きいということでしょう」。背景には、都が批判にさらされている税収の「東京一極集中」の問題がある。与党が昨年12月公表の税制改正大綱で、都の税収を地方に分配する偏在是正策を明記したことに、小池知事は強く反発してきた。

◆「税制で脅されて、選挙応援に入るのはおかしい」

 年明けの先月22日、知事は高市早苗首相の求めで首相官邸で面会。地方税制などを議論する国と都の協議体設置で合意した。複数の都議は衆院選での自民支援について「協議体設置のバーターだ」と明かす。選挙結果が出た9日、報道陣の取材に知事は「これからもよく連携をとりながら協議体などのツールを活用してやっていきたい」と述べた。

7日、自民党の安藤高夫さん(中)の応援に駆けつけ、前川燿男練馬区長(右)と並びこぶしを突き上げる小池百合子知事=東京都練馬区で

 小池知事は2016年、自身も所属していた自民都連を「ブラックボックス」と批判し、自公の推薦候補らを破り初当選した。その後、自民との関係は改善。知事が特別顧問を務める都民ファーストの会の都議は「世代も代わり、五輪やコロナに超党派で取り組んだのが大きい。自民党も変わった。(自民応援への)抵抗感はない」と話した。

 一方、都議会で小池都政に協力してきた公明は「税制で脅されて、選挙応援に入るのはおかしい」などと不信を募らせる。選挙直前に公明と立憲民主党が中道改革連合を立ち上げたが、都議会では立民系会派は「知事野党」で、国政の動きは波及しないとみられる。

 第1会派の都民ファと自公会派との協調で都政運営を安定させてきた小池知事。18日には新年度予算案を審議する都議会が開会するが、各会派との距離感をどう取っていくのか注目される。(奥野斐、小林由比)

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6日、松本洋平文部科学相(左)の応援に駆けつけ、演説する小池百合子知事=国分寺市で

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