【800人調査】衆院選で「中道改革連合」を支持した人は自民圧勝に何を思うのか「バカ正直すぎる」「大統領選と勘違いしている」との恨み節も

先の衆院選では自民党圧勝という結果になったが、高市政権により期待をかける人、少数意見が反映されるか不安に思う人、さまざまな思いがあるだろう。そこでAERAは「衆院選にひとこと言いたい!緊急アンケート」を実施。約800人の有権者から総選挙の結果に対する“本音”を聞いた。なかでも、立憲民主党と公明党が結成した中道改革連合を支持した人々は、公示前から100議席以上減らす大惨敗に思うところが多かったようだ。アンケートの回答には、中道を取り巻く数々の失策への怒りが噴出した。
* * *
アンケートは2月8日から11日に実施。設問は4問で、「衆院選で支持した政党」を選択式、「その政党を支持した理由」「自民党が大きく議席を伸ばした理由(もしくは中道が議席を伸ばせなかった理由)」「第2次高市政権への期待や懸念」を記述式で尋ねた。AERAのSNSやメールマガジンなどを通じて回答を募ったところ、789件の声が寄せられた。
「衆院選で支持した政党」のトップ5は、1位中道改革連合(244票)、2位自民党(230票)、3位チームみらい・共産党(ともに61票)、5位国民民主党(43票)となった。
中道を支持した244人は、「自分自身が中道左派だから」(40代男性)とリベラル政党であることに親和性を感じている人も多かったが、目立ったのは自民党の対抗勢力としての期待の声だ。
「中道を支持している訳ではないが、自民党には入れたくなかったから」(60代女性)
「高市総裁の政策や発言から、戦争に向かっていると考え、危機感を持っている」(50代女性)
「政治の右傾化を止めたいから」(60代男性)
「自民党の裏金問題が解決してないから」(50代男性)

■小泉純一郎元首相の郵政解散を思い出す…
しかし、中道は公示前の172議席から49議席に激減する大敗を喫した。中道支持者たちの声を見ると、高市早苗首相(自民党総裁)の圧倒的な人気が巻き起こした“高市旋風”に屈したという見方が大勢を占めた。
「高市総理のイメージ戦略。具体的な政策より『日本を強く豊かにする』というキャッチフレーズで押しまくった」(60代女性)
「(高市首相の)熱い風に多くの方が寄って行ったと思っています。小泉純一郎さんの郵政解散の時と同様な雰囲気」(50代男性)
高市首相は衆院解散を発表する会見で、「高市早苗が内閣総理大臣で良いのかどうかを国民のみなさまに決めていただく」と表明した。首相個人への人気投票のような選挙になった側面もあり、「大統領選挙と勘違いしている人々が多かったから?」(50代男性)と争点を疑問視する声もあった。
一方、中道自身の問題点についても厳しい指摘が相次いだ。これまで与党と野党に分かれて対決してきた公明と立憲が、選挙直前に突然手を組んだことに違和感をぬぐえない人は多く、「選挙目当ての結成感が否めなかった」(50代女性)「公明、立憲が一緒になった事で特徴が分かりにくくなった気がする」(40代女性)といった“野合”批判が散見された。「公明党が嫌いだから中道にもほんとは入れたくなかった」(50代女性)という戸惑いの声からは、従来の立憲支持層が中道についていけず他党に票を入れるケースも一定数あっただろうと推測される。

■「メディア戦略やる気あんのか」と怒りの声
中道の致命的な敗因として批判が集中したのは、アピール力や発信力の欠如だ。
「中道改革連合は名前のセンスからあまりに古臭く、メディア戦略に関しても正直やる気あんのかと思いました。バカ正直すぎます。これだけ情報が溢れ、イメージでの判断が重用視されている時代において、バカ正直な人だけしか乗ってこないとなると、非常に不利だと感じました」(50代女性)
「(高市首相の)強烈な支持者がSNS上に中道を誹謗中傷する動画を溢れさせた。そして金儲けをしたいユーチューバーがそれらの動画に乗った」(60代男性)
「何をしても、反高市はネットなどで散々なことを言われていた」(60代男性)
高市首相に対抗するためには、中道にもカリスマ性のあるリーダーが必要だったが、先頭に立ったのは野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏というともに70歳前後の共同代表。結党会見において、立憲代表代行の馬淵澄夫氏、同幹事長の安住淳氏、公明幹事長の西田実仁氏とともに並んだ姿はネット上で「5爺(ファイブじい)」と揶揄(やゆ)された。
「中道はお馴染みの人たちの顔しか見えなかった。新しい顔がほしかった」(70代以上男性)
「(高市首相は)女性初の総理大臣だから、中道も女性党首を立てれば良かったと思います」(60代女性)
といった落胆の声があがるのも当然かもしれない。2月13日、立憲の前幹事長である小川淳也氏が中道の新代表に選出されたが、もはや風前のともしびとなった組織の立て直しは容易ではない。
■失言、軍拡、減税…第2次高市政権への不安
今回の衆院選で自民党は316議席を獲得。参院で否決された法案を衆院で再可決できる“3分の2議席”に達し、その気になれば自民党だけで強硬に政治を動かせる状況となった。18日に発足する見込みの第2次高市政権について、中道支持者たちからは不安の声が噴出している。
「懸念しかない。特に国際関係についての失言、軍事費拡大や核兵器政策で戦争に向かってしまう、夫婦別姓について後退してしまうなど」(50代女性)
「外国人労働者がいなくなれば介護や運送、建設従事者、コンビニなどの深夜労働者がいなくなる可能性はないか、消費税がなくなると社会保障費の削減にならないか、などを心配している」(50代女性)
「強い日本はもちろん大事かもしれないが、一人一人に寄り添っていく優しい政治を希望します。数に任せた政治は、断固反対です」(50代女性)
投開票日翌日の9日、高市首相は会見を開き、「今回の選挙で、国民の皆様は、私とともに挑戦していく、そういう判断をしてくださいました。私は挑戦を恐れません。ぶれません。決断して実行してまいります」と宣言した。自らの1票を託したリーダーの一挙手一投足に、日本中の注目が集まっている。「勝って奢るな!!」(60代男性)という喝は、高市首相の耳に届くだろうか。
(AERA編集部・大谷百合絵)
・【写真】雲隠れ?安住淳氏に代わり、取材対応したのはこの人
・【写真】まさかの“ゼロ打ち”落選…中道結党のキーマンはこちら
・落選の安住淳氏は“立役者アピール”が裏目に… 自民「勝ちすぎ」で高市首相を襲う次なる試練とは