サイゼが拡大中「300円モーニング」の正直な感想

サイゼリヤのモーニング「朝サイゼ」 ドリンクバー付き300円から, 実質無料のフォッカチオとポテト, 朝サイゼのフォッカチオセット300円, サイゼリヤのシグネチャー「ミラノ風ドリア」に軍配, ビーフコンソメスープと相性抜群, 今後の拡大に期待

朝サイゼ。サイゼリヤのモーニングが実施店舗14店舗に拡大(写真:筆者撮影)

『マツコの知らない世界』(TBS系)にも出演した、チェーン店の外食モーニングをこよなく愛するライターの大木奈ハル子さん。連載「チェーン店最強のモーニングを探して」では、さまざまなチェーン店のモーニングをご紹介しています。

第149回、ご紹介するのは「サイゼリヤ」です。

飲食チェーンがひそかにしのぎを削っているジャンル「モーニング」。午前中の集客が弱い時間帯の売り上げを強化すべく、朝の数時間だけ提供される限定メニューの数々は、コスパ抜群かつ店の特色が強く表れ、どれも魅力にあふれています。

【画像】300円でこのクオリティ!サイゼのお得すぎるモーニングを一挙に見る

今回ご紹介するのは、サイゼリヤのモーニングメニューです。2025年6月から一部店舗で試験導入を開始。物価高と値上げラッシュが続くなか、「税込300円でドリンクバー付き」という価格設定がSNSを中心に話題になりました。

この「300円モーニング」、26年に入り実施店舗を14店舗に拡大しました(一覧は記事最後にて紹介)。いよいよ本格展開に向け、モーニング陣取り合戦に殴り込みます。

サイゼリヤのモーニング「朝サイゼ」 ドリンクバー付き300円から

サイゼリヤのモーニングメニュー「朝サイゼ」の販売時間は、開店から朝10時まで。この時間帯はモーニングメニューの取り扱いで、グランドメニューのオーダーはできません。

販売メニューは、フォッカチオとドリンクバーの「コンビ」、そこにハッシュポテトがプラスされた「セット」の2系統です。

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多くのファミレスチェーンが「幅広いジャンルの多彩なメニューを提供する」という部分に価値を置いているのに対し「メニューを限定して、軽食で統一し、安さで攻める」という、違う角度の戦略になっています。

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朝サイゼのメニュー表。最安値はドリンクバー付きで300円(写真:筆者撮影)

・焼きシナモンフォッカチオコンビ 税込300円

・パンチェッタとチーズのパニーニコンビ 税込400円

・焼きシナモンフォッカチオセット 税込350円

・パンチェッタとチーズのパニーニセット 税込450円

・フォッカチオセット 税込300円

いずれも500円以下。最安は300円という衝撃価格です。

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左から焼きシナモンフォッカチオセット350円、パンチェッタとチーズのパニーニセット450円、フォッカチオセット300円(写真:筆者撮影)

実質無料のフォッカチオとポテト

サイゼリヤではドリンクバー単品が税込300円。つまり、ドリンクバーを注文すると「実質無料でフォッカチオとポテトが付いてくる」計算になります。そう考えると、その安さがより実感できるのではないでしょうか。

とはいえ、ボリューム的には若干少なめ。「もうちょっと食べたいな」という人には、単品メニューがあります。「半熟卵」税込50円や、「コーンクリームスープ」税込150円、「小エビのサラダ」税込350円、「朝のバッファローモッツァレラのカプレーゼ」税込300円といった、スープやサラダ、前菜を、腹具合と懐具合に合わせて追加注文してください。

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モーニングセットと単品メニューの組み合わせ例。フォッカチオに半熟卵をサンド(写真:筆者撮影)

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フォッカチオにチキンのサラダを挟めば、ボリューム抜群のヘルシーサンドに(写真:筆者撮影)

朝サイゼのフォッカチオセット300円

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朝サイゼのフォッカチオセット300円。カップにはカプチーノ(写真:筆者撮影)

「フォッカチオセット」は税込300円。フォッカチオにハッシュポテト(ポテトのグリル)3本、ドリンクバーを組み合わせたセットです。フォッカチオは割り開いてトーストしてあり、表面はカリッ、中はもちもち、中央にはオリーブオイルがじゅわっと染み込ませてあります。

サイゼリヤのオリーブオイルはイタリア直輸入。その品質の高さからファンも多く、単品での持ち帰り販売もされています。香りが強く、独特の爽やかな青臭さと、軽やかな後味が特徴です。バターほど重たさがないため、朝食にもぴったり。具なしのプレーンなフォッカチオだからこそ、オリーブオイルのフレッシュな香りが引き立ちます。

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サイゼリヤはオリーブオイル以外の調味料にもこだわりあり。調味料ブースにまとめることで、詰め替えやメンテナンスに必要なオペレーションの手間を軽減している(写真:筆者撮影)

ハッシュポテトは外側がカリッと香ばしく、中はほくほく。塩味は控えめで、フォッカチオのオイルとも好相性です。無料調味料のミルでひく岩塩や、粒胡椒をプラスすれば、味のコントラストが強調されます。

ドリンクバーは、ラインナップも充実。2月18日にはソフトドリンクサーバーに「ゼロシュガーレモネード」が登場。甘さゼロ、カロリーゼロ。レモンの爽やかさは感じつつも、酸味は控えめの大人の味わいです。

コーヒーマシンは、ホットコーヒーだけでなく、エスプレッソも抽出できる、イタリアンスタイル。カプチーノは表面に濃厚なふわふわのフォームミルクが載り「ファミレスでこんな本格コーヒーが!?」というレベルです。そして、当然ながらおかわりは自由。これが300円とは嬉しい限りです。

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ドリンクバー。水やウェットティッシュもドリンクバーブースにある(写真:筆者撮影)

数年前までは牛丼チェーンの卵かけご飯定食は、各社300円以下で販売されていましたが、相次ぐ原材料高騰と物流費上昇の影響を受けた現在では、どこも値上げされ、300円超えとなっています。

そうした環境下で「ドリンクバー付き300円」を打ち出すサイゼリヤの覚悟は相当なもの。単なる価格訴求を超えた、明確な企業戦略の表れといえるでしょう。

サイゼリヤのシグネチャー「ミラノ風ドリア」に軍配

前段でさんざん「安いぞ」「すごいぞ」と、褒めそやした朝サイゼですが、実は完敗しているメニューがあります。それはサイゼリヤの看板メニュー「ミラノ風ドリア」税込300円です。

黄色く色づいたターメリックライスにクリーミーなホワイトソース、チーズ、ミートソースを重ねて、オーブンでじっくりと焼き目をつけた、こっくりとクリーミーでしっかりとボリューミーな一品は、どう考えてもお値段以上。

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熱々の濃厚クリームソースが絶品。サイゼリヤのシグネチャーメニュー、ミラノ風ドリア(写真:筆者撮影)

ビーフコンソメスープと相性抜群

同じ300円で比べるなら、満腹感と満足感ではミラノ風ドリアに軍配が上がるでしょう。しかも、平日のサイゼリヤには「ランチスープ」という、朝10時から15時まで、来店者全員が無料でおかわりし放題な、ビーフコンソメスープまであるのです。しかもこのコンソメスープは、澄んだ飲み口ながら、コクとうま味をしっかり感じられ、ミラノ風ドリアと相性抜群なんです。

ミラノ風ドリアは、サイゼリヤの安さとおいしさを象徴するメニュー。ひとたびスープとともに味わうと、「なんてコスパなんだろう……」「令和でこれってすごすぎないか?」と混乱をきたすレベルで、それと比較するとモーニングは「物足りない」と思う人もいるかもしれません。

しかし、そこは考え方次第でしょう。モーニングは、軽食とドリンクで、朝のゆったりした時間を提供するメニュー。同じ300円でも、価値の質がまったく異なります。つまり朝サイゼは、ミラノ風ドリアの代替ではない。300円という価格帯を、別の時間軸で取りにいく戦略なのです。

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21年まではカード決済やキャッシュレスに対応していなかったサイゼリヤ。セルフレジが普及してから導入することでコストを削減している(写真:筆者撮影)

今後の拡大に期待

現在のサイゼリヤモーニング実施店舗は、浦和西口店、八千代村上店、船橋駅南口店、アクロスモール新鎌ヶ谷店、流山おおたかの森駅前店、江戸川春江店、日暮里東口店、上野広小路店、アトレ秋葉原2店、新宿西口エルタワー店、錦糸町楽天地店、池袋芸術劇場前店、北千住本町センター通り店、大島ピーコックストア前店の14店舗です(26年1月現在)。

さらなる拡大に期待したいところです。加えて、ミニサラダ付きセットやスープ付きのバリエーションが増えれば、朝の選択肢はさらに広がるはず。「最寄りのサイゼリヤでもモーニングが始まりますように」と祈るような気持ちで、フォッカチオをかじる朝です。

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モーニングメニューの開始は26年1月6日ながら、まだ浸透してないのか朝9時で客席はガラガラ。10時を過ぎてから一斉に席が埋まった(写真:筆者撮影)

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編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の為替変動、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。