いびきを抑制できる? フランスベッドのいびき対策枕を家電エバンジェリストが試してみた

いびきを抑制できる!?フランスベッドのいびき対策枕を家電エバンジェリストが試してみた

By 安蔵 靖志

若い人からお年寄りまで、睡眠時の悩みの一つに「いびき」があるのではないでしょうか。いびきに悩みを持つ筆者が、フランスベッドが2025年12月に発売した「いびき対策枕 SILAIR(シレア)」はどのくらい効果があるのか、試してみることにしました。

若い人からお年寄りまで、睡眠時の悩みの一つに「いびき」があるのではないでしょうか。寝ている本人は気付かないかもしれませんが、いびきの音が大きいと一緒に寝ている家族の安眠妨害にもなります。また、いびきがひどいと睡眠時無呼吸症候群にもつながり、健康被害を及ぼす危険性もあります。

いびき対策にはあまり決定版といえるものがない中、フランスベッドが2025年12月に「いびき対策枕 SILAIR(シレア)」という製品を発売しました。家電エバンジェリストとして執筆のほかテレビなどにも出演する筆者は日頃からいびきに悩んでおり、どのくらい効果があるのかを試してみました。

フランスベッドが2025年12月に発売した「いびき対策枕 SILAIR(シレア)」(直販税込価格6万9300円)

いびきは要注意!健康悪化につながる可能性も

まず私事になりますが、筆者は以前から「寝ているときに呼吸が止まっている」と指摘されることがありました。特に前日過度に飲酒した場合、大きないびきの音の後にしばらく呼吸が止まるというのです。スマホ向けの「いびき録音アプリ」と呼ばれるアプリを試してみたところ、確かに何度も呼吸が止まっていることを確認しました。その後、病院から借りた医療機器を使って睡眠中の呼吸や心拍数、血中酸素濃度の推移を計測したところ「重度の睡眠時無呼吸症候群の疑いあり」という診断が出ました。

これは大ごとです。重度になると、睡眠時にマスク型の機器を装着し、空気を送り込んで気道を広げるCPAP(シーパップ、持続陽圧呼吸療法)療法などの治療が必要になります。月額数千円かかる上に、根治療法ではないため、継続が必要になります。CPAPはできるだけ避けたい……ということでいろいろと対策を考えてみることにしました。

いびきは、肥満や仰向け寝、飲酒、加齢による筋力低下などによって気道がふさがれることが原因です。そのため「痩せる」、そのためにも「(なるべく)酒を飲まない」、「マウスピース装着やレーザー治療などの治療法を模索してみる」といった対策を考えました。そんな中で、フランスベッドが2025年12月に発売した「いびき対策枕 SILAIR」にたどり着いたというわけです。

SILAIRはあくまでも「いびきを軽減させる」ことが目的で、睡眠時無呼吸症候群のような疾患対策ではありません。既に睡眠時無呼吸症候群の治療をしている人というよりは、家族にいびきがうるさいと言われた人、いびきが自分自身の安眠妨害になることを防ぎたい人に向けた製品です。とはいえ、いびきが軽減すれば、いびきをかいた後に生じる無呼吸状態を減らせるのではないかと考えて試してみることにしました。

本体だけでいびきの音を検知し、頭を動かすことでいびきを軽減

SILAIRは枕の中に内蔵する「高精度いびきセンサー」がいびきを検知すると、コントローラーが枕内部のエアバッグに空気を送って膨らませます。枕の動きで頭の向きを変えることで、いびきを軽減させるというものです。

いびきを軽減するというSILAIRの仕組み(SILAIRのプレスリリースより)

ユニークなのは、使用時にスマホアプリを起動させておく必要がない点です。スマホ向けのいびき録音アプリや睡眠計測アプリの場合、アプリを起動した状態で枕元に伏せておく必要がありますが、SILAIRの場合は本体の電源をオンにするだけで計測がスタートし、オフにすると計測が終了するスタイルとなっています。

コントローラーの電源ボタンを長押しすると主電源が入り、3分ほどかけて初期化が行われます。Bluetoothでスマホの「いびき対策枕シレア」アプリ(Android/iOS対応)と連携すると準備完了です。アプリのホーム画面から「設定」を開くと、動作のオン・オフ、いびき感知の感度(低/高)、枕の高さ(低/中/高)、いびき録音のオン・オフを選べます。

「いびき対策枕シレア」アプリ(Android/iOS対応)で初期設定を行っているところ

さて、使ってみることにしましょう。まずは起きているときにベッドに横たわり、いびきのような音を鳴らしてみます。すると数秒後には小さく「ブーン」という音が聞こえて、枕の下にあるエアバッグが膨らみ始めました。頭の位置を検知することで、個別に膨らむ6つのエアバッグの中から最適な箇所が膨らみ、頭の向きを変える仕組みです。ちょっと左側に寄っていたら、左側のエアバッグが膨らんで右に向くように促すようなスタイルです。

寝ている最中にいびきを検知すると……

左右のどちらかに頭が向くようにエアバッグが膨らむ仕組みとなっています

仰向け寝の場合、動作音はほとんど気になりません。ただ、横向き寝だと膨らむ際に「ブーン」と、縮む際には「シューッ」という音が少し聞こえます。

就寝中に使ってみたところ、一晩に多くても1~2回ではあるものの、目が覚めることがありました。ちょうどエアバッグが動作中、もしくは動作が終了する直前くらいに目が覚めたように記憶しています。

エアバッグが膨らむときには、頬をぐいーっと押されるような感覚があるため、眠りが浅いタイミングには起きてしまうのでしょう。かすかな音やわずかな動きでも起きてしまうというタイプの人には向いていないかもしれません。ただ、筆者の場合は加齢による頻尿もあって、夜中に目が覚めてしまうことは以前からあるため、SILAIRに起こされたというストレスはありませんでした。使い勝手には要望も……

スマホアプリと本体のユーザー体験にはさらなる進化を希望

朝起きてスマホアプリを開くと、Bluetooth経由でSILAIRと通信し、睡眠データを取り込みます。アプリ上では全体の睡眠時間とそのうち「いびき(大)」、「いびき(小)」がどのくらいを占めるのかをグラフと時間で表示してくれます。下にスクロールしていくと、睡眠時間中にいびきをかいたタイミングと、SILAIRがエアバッグを動作させた「介入時間帯」を「睡眠環境グラフ」として表示します。グラフの任意の時間帯をタップすると、その時間帯にどのくらいの大きさのいびきをかいたのかを「いびきデシベル」として数値化してくれます。

また、全部のいびきではありませんが、一晩のうち1回だけいびきを録音してくれる機能も備えています。

「いびき対策枕シレア」の画面。一晩のうち1回だけいびきを録音、再生できる機能も備えています

レポート画面で「週」を選ぶと、1週間の睡眠といびきの状況を一覧できるようになっています。

1週間の推移が見られる週次の「いびきレポート」の画面

筆者はSILAIRを試す直前に、いびき対策として鼻の通りが悪い「鼻中隔湾曲症」を治す手術を実施しました。手術後には個人的に衝撃を受けるほど鼻の通りが良くなったのを実感し、その後にSILAIRを体験するという流れになりました。

SILAIRの専用アプリに加えて、他社のいびき録音アプリを使って睡眠といびきの状況を計測してみました。専用アプリでもいびき録音アプリでも、結構な回数にわたっていびきを検知しており、およそ同じような結果でした。

というのもSILAIRは、いびきを検知すると動作する仕組みなため、いびき自体は発生してしまいます。そのためいびきが減るというよりは、長いいびきがなくなったり、それによって睡眠時無呼吸症を軽減するという製品なのです。

ただし本体や専用アプリの使い勝手や機能性には、いくつか改善要望がありました。まず本体ボタンは長押しによるオン・オフのみで、オンにするとすぐにいびき検知がスタートしてしまいます。ベッドでスマホを見たり本を読んだりしていて音を立てると枕が動き出すだけでなく、いびきとして計測してしまいます。本体をオンにしたままアプリでオン・オフする、もしくは寝るときだけ本体ボタンでオンにするという使い方になると思いますが、少しだけ気になる点でした。

また他のアプリに比べて、睡眠計測やいびき計測・録音、睡眠状況の可視化が弱い点が残念でした。睡眠状況が良いのか悪いのか、頭の動きが多いのか少ないのかといった状況をもう少し詳しく知りたいところです。欲をいえば、せっかく枕に頭が接触しているので、呼吸数の変動や無呼吸状態の検出、心拍数の推移なども計測して数値化し、レポートしてくれればさらに良いのではないかと思います。

いびき対策枕シレアアプリの画面

同日に計測した他社アプリ「いびきラボ」(Android/iOS対応、無料)の計測画面。だいたい同じようないびきの推移になりました

「いびきラボ」のプレミアムプラン(iOS/iPadOSの場合1週間880円・年間4800円)の場合、呼吸フローなども可視化できます

呼吸数や心拍数は新たなセンサーが必要かもしれないので難しいかとは思いますが、睡眠状況の可視化やいびきの詳細レポートなどはアプリのバージョンアップで可能だと思います。いびき録音アプリはほとんどがサブスクリプションサービスなので、本格的ないびき計測機能についてはサブスクリプションサービスとして提供するというのも手なのではないかと思います。

一人暮らしの筆者は、いびき対策というよりはその先にある睡眠時無呼吸症候群への対策として気になる製品でした。SILAIRによっていびきがどのくらい静かになったのか、減ったのかを個人で比較するのは困難です。とはいえ、枕を替えるだけでいびきの状況を可視化できるのは確かに便利です。いびきに困っているという人は、購入を検討してみてもいいかもしれません。

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