【雑草は抜くな】手で抜くと増える理由と正しい対策(ヤブガラシ)
農業YouTuber黒壁の「誰でも手軽に家庭菜園」vol.34
YouTubeチャンネル「まるっと農業日記」を運営する黒壁勇人(くろかべ・はやと)さんが、家庭菜園のコツをまるっと伝える本連載。第34回のテーマは「ヤブガラシ対策」。畑や庭で見かける厄介な雑草、ヤブガラシ。実は、むやみに手で抜くと逆に増えてしまうことがあります。今回は、ヤブガラシの特徴と、家庭菜園でできる対策を紹介します。
ヤブガラシは“抜けばいい”雑草ではない
畑や庭に雑草が生えていると、つい「とりあえず抜いてしまおう」と思いますよね。でも、ヤブガラシの場合は要注意。
ヤブカラシは、手で引き抜こうとすると、途中で茎や根が切れ、その破片から再び芽が出てしまうことで、抜いたつもりが逆に増やしてしまうことになってしまうんです。
ヤブガラシは、ただ刈る・抜くだけでは対処が難しい雑草。まずは、その性質を知ることが大切です。
ヤブガラシってどんな雑草?

【雑草は抜くな】手で抜くと増える理由と正しい対策(ヤブガラシ)
ヤブガラシは、漢字で書くと「藪枯らし」。藪を覆い尽くして枯らしてしまうほど勢いが強いことから、この名前がついたといわれています。
別名「ビンボウグサ」と呼ばれていることからも、庭や畑に生えてしまうと対処が大変で、昔の人も苦労していたことがうかがえます……。
ヤブガラシの厄介なところは、地上部よりも地下。地中深くまで根を伸ばし、さらに横にも広がっていきます。まるでネットワークを張るように畑の下に広がっていくので、地上に見えている部分だけを処理しても、残っている根から再び伸びてくる、まさに“不死鳥雑草”!
春から夏にかけてはその成長スピードも脅威で、周囲の植物にツルを絡みつかせながらどんどん広がっていくので本当に厄介なんです。
ヤブガラシを手で抜くとどうなる?

刈ってだめなら、抜いてやる!……と想いますよね。ですが実際に引っ張ると、途中でブチッと切れてしまう。そして土の中に残った切れた茎や根から、また新しい芽が出てきます。
そればかりか、抜くときに土が掘り返され、根が細かくバラバラになるとその破片のひとつひとつから再生してしまい、むしろ増殖を促してしう結果になります。
ヤブガラシ対策は「拡がる前」が大切
ヤブガラシは、ツルが伸び、根が広がり、周囲の植物に絡みついてしまってからでは、対策が非常に大変になります。
だからこそ、地上部が小さいうちに、光を遮ったり、ほかの植物で地面を覆ったりして、ヤブガラシが伸びにくい環境をつくることが対策のポイントです。
対策① マルチング

家庭菜園で取り入れやすい方法が、マルチングです。
マルチングとは、刈った草などを地面に敷き詰める方法のこと。ヤブガラシの発芽や成長に必要な光を遮ることで、広がりを抑える効果が期待できます。
やり方はシンプル。伸び始めた雑草を刈り、その刈った草を、地面に厚めに敷き詰めます。目安は10cm程度。しっかり厚みを出して敷くことで、光が届きにくくなります。

マルチングには、主に3つのメリットがあります。
・光を遮って雑草の発芽を抑える
・土の乾燥を防ぐ
刈った草を再利用できるため、コストがかからないのも魅力。
草を刈って敷き詰める作業は少し手間がかかりますが、家庭菜園ほどの広さであれば、比較的取り入れやすい方法です。
「除草剤は使いたくない」「まずは手軽にできる対策をしたい」という人には、マルチングがおすすめです。
対策②ヘアリーベッチ

広い畑で雑草対策をしたい場合は、ヘアリーベッチという緑肥植物を活用する方法もあります。
ヘアリーベッチは地面を覆うように育つので、ほかの雑草が生えにくい環境をつくってくれます。さらに、アレロパシーと呼ばれる作用により、ほかの植物の生育を抑える働きがあるとされています。

ヘアリーベッチの主なメリットは次の3つ。
・地面を覆って雑草を抑える
マメ科の植物であるヘアリーベッチは、窒素を土に蓄える力があり、土を肥やしながら雑草対策ができるので、農家の農場管理には心強い存在です。
使い方は、種をまいて育てるだけ。地面をヘアリーベッチで覆うことで、ヤブガラシが入り込む隙間を減らすイメージです。
ただし、根付くまでにはある程度の時間がかかります。すぐに効果が出る方法ではないため、計画的に取り入れることが大切です。
番外編:ツルを巻いて弱らせる方法も

最近は、ヤブガラシのツルを切らずにくるくる巻いて、弱らせる方法も知られています。
やり方は、ヤブガラシのツルを切らないように注意しながら、コードのように巻いて地面に置くというもの。ツルを巻くことで光合成しにくい状態にし、徐々に弱らせるという考え方です。
ただし、これはあくまで補助的な方法。根が土の中に残っている以上、完全に駆除するのは難しいので、マルチングや緑肥などの対策と組み合わせて考えるのがよいでしょう。
とはいえ除草剤を使いたくない人にとっては、試してみる価値のある方法だと思います。
ヤブガラシ対策チェックリスト
ヤブガラシを広げないためのポイントを確認しておきましょう!
・手で無理に引き抜かない
見つけたらすぐに引き抜くのではなく、まずは「広げない」「光を当てない」「根を細かくしない」ことを意識しましょう。
早めに対処するほど管理がしやすくなりますよ。
【まとめ】“抜く”より“広げない”対策を
ヤブガラシは、刈ったり抜いたりすることで解決する雑草ではありません。むしろ、そうした対策で、かえって増えることがある厄介な雑草です。
大切なのは、ヤブガラシの性質を理解し、早期に広がりにくい環境をつくること。
厄介な雑草に負けない畑づくりの第一歩として、できる対策から始めてみましょう。
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