“まさか”を大惨事にしない「リスク先読み型経営」 企業・自治体のための気象災害リスクヘッジ

50年に一度のレベルを超える降水量を予測可能に, 人的被害も経済的損失も最小限にするために, 減災につながる3つのポイント, 気象庁の数値予報モデルを独自に解析・分析, 市区町村ごとの地形や災害の歴史も加味して予測, リスク度合いを5段階で評価, 気象庁が線状降水帯を半日前に予測できたのは約4割弱, 北海道・中標津町で実際に起こった大雪を検知, 記録的大雪を4日前に誤差2センチの高精度で予測, 経済的損失を防ぐだけでなく、チャンスとしても活用, 4つの業種で見る、「気象防災シグナル」の活用, “影響度”を具体的に知ることができる, 「気象防災シグナル」のリスク予測のお試し利用がスタート, 「リスク先読み型経営」を実現するための情報源, テクノロジーを駆使して、気象災害リスクを最小化する, “命しか守れない防災”からの脱却

“まさか”を大惨事にしない「リスク先読み型経営」 企業・自治体のための気象災害リスクヘッジ

近年、大雨や台風などの気象災害が多発している日本。被害額も数兆円規模にまで膨らみ、企業や自治体に深刻な打撃を与えています。そんな気象災害を起こす激しい気象現象は、実は“早期に想定可能なリスク”に予測技術が進化しつつあります。本記事では、線状降水帯を3日前に9割以上の精度で捉えた最新テクノロジー「気象防災シグナル」を紹介。後編では、「リスク先読み型経営」の実現につながる、気象情報の新たな活用法についてお届けします。

前回の記事はこちら

50年に一度のレベルを超える降水量を予測可能に

森山知洋氏(以下、森山):(弊社で開発した気象防災シグナルでは)緊急時になる前、例えば「8日先の○○市で大雨のおそれがあります」といったかたちで、早めに危険性を検知し次第お知らせをします。

50年に一度のレベルを超える降水量を予測可能に, 人的被害も経済的損失も最小限にするために, 減災につながる3つのポイント, 気象庁の数値予報モデルを独自に解析・分析, 市区町村ごとの地形や災害の歴史も加味して予測, リスク度合いを5段階で評価, 気象庁が線状降水帯を半日前に予測できたのは約4割弱, 北海道・中標津町で実際に起こった大雪を検知, 記録的大雪を4日前に誤差2センチの高精度で予測, 経済的損失を防ぐだけでなく、チャンスとしても活用, 4つの業種で見る、「気象防災シグナル」の活用, “影響度”を具体的に知ることができる, 「気象防災シグナル」のリスク予測のお試し利用がスタート, 「リスク先読み型経営」を実現するための情報源, テクノロジーを駆使して、気象災害リスクを最小化する, “命しか守れない防災”からの脱却

川崎佑治氏(以下、川崎):今、気象庁からはそこまで出ていないわけですけれども、最新のテクノロジーによって、それがこの精度で出ると?

森山:そうですね。さまざまな災害事例から検証し、開発を進めてきたことによって、安定した精度で予測が可能になっています。こちらが2024年9月に発生した能登豪雨において、気象防災シグナルでアルゴリズムで計算させると、どういった予測ができたかという検証結果になっております。

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川崎:これは5日前の輪島市から始まっているんですね。気象庁の情報では4日前からで石川県全体(を対象とした広いエリアの予測)。これが輪島市だと、だいぶ違いますよね。5日前の時点ですでに、「危険性やや高い」なんですね?

森山:そうですね。具体的にどれぐらい可能性があるかというのも併せて。そして3日前、1日前とリスク予測を出しています。

川崎:3日前には、24時間で180ミリという具体的な数字が出ています。危険性もかなり高い。

森山:そして、1日前は「危険性極めて高い」。これは5段階のレベルで最大、一番危険なランクです。具体的に輪島市で240ミリという降水量は、輪島市の24時間降水量としては50年に一度のレベルを超えるということです。

50年に一度のレベルを超える降水量を予測可能に, 人的被害も経済的損失も最小限にするために, 減災につながる3つのポイント, 気象庁の数値予報モデルを独自に解析・分析, 市区町村ごとの地形や災害の歴史も加味して予測, リスク度合いを5段階で評価, 気象庁が線状降水帯を半日前に予測できたのは約4割弱, 北海道・中標津町で実際に起こった大雪を検知, 記録的大雪を4日前に誤差2センチの高精度で予測, 経済的損失を防ぐだけでなく、チャンスとしても活用, 4つの業種で見る、「気象防災シグナル」の活用, “影響度”を具体的に知ることができる, 「気象防災シグナル」のリスク予測のお試し利用がスタート, 「リスク先読み型経営」を実現するための情報源, テクノロジーを駆使して、気象災害リスクを最小化する, “命しか守れない防災”からの脱却

川崎:おぉ。これはかなり具体的。かつ、危険性といったことも切迫して伝わってくるような情報になっていますね。

森山:そうですね。

川崎:先ほどお話にあった、当日の朝6時台に発表された気象庁の大雨警報に基づいて、自治体が避難指示を出すのが災害発生の1時間半ぐらい前にならざるを得なかったものが、この気象防災シグナルのアルゴリズムで予測されていたならば、1日の猶予があって、かなり危険な状態になることが前もって予測可能だということですね。

人的被害も経済的損失も最小限にするために

森山:こういった予測をもとに、実際に危険な雨雲が近づいてきたのを、ちゃんと直前まで確認して、できるだけ早いタイミングで避難指示を出すことが可能になればというところです。これが先ほど挙げた、3つの課題解決につながるんではないかなと思っています。

1つは、5日前のリスク予測ということで、初動の遅れを防ぐ。2つ目が、輪島市という市町村単位で予測することによって、自分ごと化が最初の段階からできるというところです。3つ目は、具体的な量も予想しますので、数値予測で危険性がわかって、安全確保の行動に移すことができると。こういったことを支援できればという思いで、開発を進めてきました。

川崎:ということは、ここまで早い段階で企業あるいは行政がわかっていれば、何をどこに動かしておこう、人の移動先を確保しておこうという、いろいろなことが前もってわかるので、もしかしたら準備に十分な時間が取れるかもしれない。

これでも十分と言えるかどうかですけれども、自然相手なので、なんとか早め早めにアクションしたい。それができる可能性が出てくる。

森山:そういったきっかけになります。気象防災シグナルにより、具体的な想定が早期に生まれます。本当に直前に来るとなると、気象台などから防災情報など、さまざまなものが発表されます。それを確実に入手して、「あっ、やっぱり来たか」ということで動くと……。

川崎:危ないと思っていなければ、それらの防災情報を見にいくという行動すら生まれない。

森山:そうなんです。最終的には、やはり気象庁などの防災情報を確実に入手して、より良い備えにつなげていただくことができると人的被害をなくすことにもなりますし、経済的損失も最小限にできる。リスクを減らすというところにうまくつなげることをコンセプトとしています。

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減災につながる3つのポイント

森山:減災につながるポイントを3つまとめてお伝えします。1つがリードタイム、いわゆる備える時間を最大限化するというポイントになります。

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なぜ2週間かといいますと、規模の大きな低気圧ですと、発生から消滅するまでのいわゆる寿命が最長2週間ぐらいなんですね。ですから、我々の予測できる幅もそこが最大というところです。

川崎:逆にこの3週間前に予測しても、危険性が生まれていないわけですね?

森山:そうなんですよ。西からどんどん低気圧がやってくるといったものもない状態からですと、さすがにリスク予測は難しいんですけれども。規模の大きなものは、2週間ぐらい前から捉えられます。先ほどの線状降水帯のような規模が狭いものについては、5日前とかで捉えられただけでも、なかなか難しい部分もあるということになります。

川崎:線状降水帯というのは突然現れるんですね?

森山:それだけ狭い範囲で、より激しいというものになります。

川崎:ピンポイントなんですね。

森山:2つ目の減災ポイントは、市区町村別に5段階リスクで自分ごと化できるというポイントになります。

3つ目が天気予報と併せて使っていただくことで、日頃の天気予報のチェックの延長線上で危険な日がいつかというのを、ついでに見るぐらいの気軽さに。

防災とかまえるとですね、「やらなきゃ!」というふうになってしまうと思うんですね。そうではなくて、「来週末どうかな? 再来週末どうかな?」というのを見るついでに、危険な日がないかというのを見ていただくことができます。

川崎:習慣になっていたほうがいいわけですね。わざわざ見にいくというものではなくて、日常的に確認している流れで防災のこともわかったほうがいいと。

気象庁の数値予報モデルを独自に解析・分析

森山:そうなんです。そういった意味で、天気予報の事業者でもある我々がお勧めの使い方はこちらになります。

例えばこういったカレンダー上の「30日間天気予報」というのも、我々の独自の予測で発表してやっています。そういった30日間の天気予報と気象防災シグナルの危険リスク予測を組み合わせて表示して、いつも見ておく。

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そうすると、例えば「あっ、10日火曜日に大雨の危険性がかなり高いんだ。9日から10日はかなり注意しなきゃいけない」といったことが、早めにチェックできたりすると思います。

川崎:これは今週の鹿児島市の生データということですか?

森山:そうですね。日曜日の段階で予測した2週間先までのリスクになりますね。具体的には降水量も見通せるのが特にお勧めです。あとは技術的な面も、ちょっとご紹介させていただきます。

川崎:今、Q&Aも来ていまして。「この予報は気象庁では実現できなくて、なぜベルシステム24で実現できているのか?」「御社独自のモデルなんですか?」といったご質問もいただいております。

森山:ありがとうございます。ちょうどこちらに表示があるように、ポイントとしては、経験豊富な気象予報士の予測。(私たち気象予報士は)いつどこでどれぐらい危なくなる可能性があるかというのを、さまざまな数値予報データをもとに解析・分析するんですね。

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その結果、ここでどれぐらいの量が降り、どのような影響があるかといったコンサルティングをしてお客さまにお伝えします。この知見やノウハウを自動アルゴリズム化したことが1つ目の大きなポイントになります。独自のモデルというよりは、気象庁の数値予報モデルについて、独自の知見で最適な解釈を行っているものです。

市区町村ごとの地形や災害の歴史も加味して予測

川崎:データの取得時点の出発点は一緒なわけですよね。ただ、それをどう解釈するか、あるいはメッシュなどのエリアにするかといったあたりに独自性があるということですね?

森山:はい。同じ日の予測でも複数の数値予報データが何パターンもあるんですね。それをどう分析して、どれになる可能性がどのタイミングで高いかといったところに、独自の部分が入っています。

川崎:あぁ、そうですか。失礼しました。もう気象予報なんて単一の何かがペラっと出ているんだと素人的には思っていたんですけど。

森山:そうですね(笑)。

川崎:そんなこともないよと。今は、いろんな角度の情報が得られる時代だということなんですね。

森山:それらを専門的な知識や知見で分析しています。2つ目のポイントが、市区町村別の地域のもともとのリスクデータを反映しているというところです。例えば、同じ150ミリの降水量がA市に降ったとしても災害にはならなくても、B市に150ミリが24時間で降ると大変な災害になることがあります。

もともとの土地や地形、もしくはこれまでの災害の歴史なども含めて、市区町村が持っているデータを応用的に掛け合わせて予測をしています。

川崎:それはどちらかというと、国交省が持っていそうなデータもこの中の参考に入っていると。

森山:そうですね。そういった基準値を取り入れています。オフィシャルの基準値をさまざまなかたちで取り入れて掛け合わせることで、例えば同じ石川県でも、「この日はどこが危ないか」という影響度の大きい場所を面で把握できるという特徴があります。

川崎:「降る、降らない、何ミリ降る」だけじゃなくて、それがこの地域でのどういう作用になるのかという掛け算になっていると。

森山:はい。同じ量でも降る場所によって影響が変わるというところまで配慮しております。

リスク度合いを5段階で評価

川崎:もう1つ、「予測の出し方として、防災の観点からわりと最悪の事態を想定した予測でしょうか? あるいは商売上の発注で参考にできる予報なのかどうか?」というご質問をいただいています。

森山:ありがとうございます。一番は想定外を減らすという部分を重視していますが、必ずしも多く見積もるわけではないということです。

川崎:「危ないぞ! 危ないぞ!」って、ある種「狼少年」的になんでも危ないと判定を出しているわけではないと。

森山:そうではなく、その時にどれぐらいの最大値になる可能性があるかというのを算出できるような仕組みになっています。

それで5段階設けています。一番上になるともう本当に、いつどうなるかわからないぐらい危ないかもしれない。一方でランク2ぐらいですと、ちょっと今後の情報を確認して変更がないか見ていただきたいという、注意喚起につながるようなレベルもあります。

川崎:じゃあ、何でも危ないと言うわけではなく、比較的冷静な5段階区分になっているということですね。

気象庁が線状降水帯を半日前に予測できたのは約4割弱

森山:そうですね。みなさんもちょっと気になるのが、精度的な部分だと思うんですね。

川崎:2週間先の気象予測リスクの根拠部分ですね。どういう検証とか期間とか場所とか。精度みたいなところのご質問も来ています。

森山:これは一例ですが、2024年は線状降水帯が全国で21事例あったんです。参考データにはなりますが、気象庁の線状降水帯の半日前予測の捕捉率は、事前に捉えられた確率が38パーセントだったと公表されています。

川崎:約4割弱。

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森山:そうです。裏を返せば、残念ながら62パーセントが見逃しになってしまっていたと。

川崎:一方、このモデルでは、1日前で半分は予測できている?

森山:そうですね。2024年1年間の線状降水帯事例について、1日前、2日前で、極めて危険な集中豪雨になるというところを50パーセント以上は検知できました。

川崎:2024年1年間の全データをぶつけてみて、この精度が出ていると。

森山:はい。先ほどの輪島市のようなものになります。あとは右側ですね。少なくとも大雨にはなりますよという検知は、3日前までに90パーセント以上。

川崎:集中豪雨と大雨というのは違うわけですね?

森山:先ほどの危険性ランクで「危険性やや高い」、ランク2以上を少なくとも予測できた確率がこちらになります。

川崎:あぁ、そういうことですね。90パーセントというと、非常に高いんですね。

森山:そうですね。なので検証結果としては、見逃しはかなり防げると出ています。

川崎:完璧ではないにせよ、かなり前から相当な確率でわかるということですね。

北海道・中標津町で実際に起こった大雪を検知

森山:というところで、これまで大雨の話をしてきました。実は、気象防災シグナルは雨だけではなくて、短時間強雨と雷のシグナル、大雪、暴風と、4つのシグナルがあります。

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川崎:とにかく大雪で配送遅延ですとか、2024年だけでも相当ありますよね。雨というと夏場のイメージがありますけど、冬にトラックが動かないということも相当ありましたね。

森山:そうですね。私自身、北海道出身なので、まさに大雪が北日本の方にとっては一番のリスクになります。

川崎:悩み深いですね。

森山:そこで実際に、この3月に大雪に見舞われた中標津町さんという、北海道の東部の町があるんですけれども。低気圧で大雪になって、24時間で46センチ降った日がありました。本当に交通網も大きな影響を受けたり、学校も休校になりました。

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川崎:北海道は3月でも降るわけですよね。

森山:この大雪による影響を、気象防災シグナルではどのように予測検知できたか検証しました。具体的には、3月17日の4日前に中標津町の防災担当者さまへ大雪のリスク検知を伝達し、土日を挟んで17日月曜日の大雪に対して、どのような事前対応が可能だったかという検証です。

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最初の検知は8日前で、4日前の13日木曜日の時点では44センチの大雪となる予想で、危険性がかなり高くなっていたため、中標津町役場の防災係の方へ、メールと電話で直接お伝えしました。そうしたところ、実際に早めの想定情報によって、さまざまな防災対応がスムーズにできたとフィードバックいただきました。

川崎:なるほど。逆に言うと、中標津町の防災係の方は、こういうことをやらなきゃいけないんですね? 休校にするべきか……。

森山:そうですね。いろんな連携調整をしなきゃいけない。バスの運行判断。そして除雪のタイミングを業者さんに連絡したり。

川崎:除雪車は、やはり1回走らせるといくらという税金ですよね?

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森山:そうですね。この事例では土日を挟んでの大雪ということもあるので、そういったことを、早めに調整する必要がありました。

記録的大雪を4日前に誤差2センチの高精度で予測

川崎:木曜日にそれがわかっていると、手配や関係者への周知が違ってくるというのは、けっこう具体的にイメージできます。だから、役場ですとこうですけど、実際は商業的なお店や運送業も、「在庫の手配はどうする? トラックの手配はどうする? その分ほかにどう逃がす?」といったことが考えられるわけですね。

森山:そうなんですよ。備える時間を作れるということになります。

川崎:これは具体的でわかりやすいですね。

森山:実際に最終的には、この日も気象庁から大雪警報が出たんですけども、「あっ、やっぱり出たか」と捉えて、しっかり最終的対処を行うことができる。

川崎:「気象庁から大雪警報が出た。さぁ、どうする?」じゃなくて。「あっ、やっぱり出たな」と、確認作業になるとぜんぜん違いますね。

森山:実際に振り返りのレポートをいただきまして、気象庁からまだ情報が出ていない段階で、早期に余裕を持って警戒できたという所見をいただいております。あとは、実際に46センチ降ったところ、44センチという精度が良かったこともあって、今後も町にスポットを当てた早期予測は大変助かるというお声をいただいています。

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川崎:やはり町単位できめ細やかにいろいろやらなきゃいけないことがあるので、当然、予報も町単位で欲しいわけですよ。

森山:はい。それはありますね。

川崎:本当に全国のいろいろな市区町村、行政の方が、今ご覧になられていると思いますけれども。こういった確実な情報を得られることが、住民の方や税金の効率もそうなんですけれども、非常にいろいろなメリットにつながっていくということで、ご検討いただいてもいいのかなという気がしますね。

森山:そうですね。本当に自治体の防災担当者さま、そして、やはり企業のBCP(事業継続計画)対応の担当者さま。総務の方が担っていることも多いと思うんですけども、こういったところでも、今後は早期の想定でうまくスムーズに回すというところでお役に立てていただきたいと思っております。

経済的損失を防ぐだけでなく、チャンスとしても活用

川崎:そうですね。企業にとっては、経済的損失を防ぐっていうダメージコントロールの観点ももちろんあるんですけれども、「超危険」までいくと、従業員の安全という話になると思います。「やや」とか「それなり」の大雨だとわかった時の商売のあり方。

チャンスかもしれないという面も含めて、いろんなグラデーションの中で、やはり情報が多い者が常に勝つというのは商売の基本ですから。

森山:そうですね。そういった意味では、ポジティブにも使えます。小売・流通の業界の方などは、早めに仕入れの調整をしたりといったところにもつながると思います。気象リスクへの備えは、本当にさまざまな業種のみなさまに求められると思いますし、活用もできると思います。

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川崎:農業関係ももちろんね。

森山:そうなんですよ。

川崎:晴れた日じゃないとできないわけですから。

森山:そうなんですよね。そういったところで共通する点で言うと、いつからどれぐらい対応が必要なのかを明確化できるというのが早期想定のリスク情報になります。これをもって、リスクを最小限にすることにつなげていただきたいと。

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4つの業種で見る、「気象防災シグナル」の活用

森山:具体的なシーンを4つの業種に分けて、ご案内したいと思うんですけども。

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川崎:なるほど。仕入れに関わってくる小売・流通。そして物流。もちろんこの台風の通り方とか、物の動かし方に関わってくる交通まひも当然起こるでしょうし。介護・福祉は、安全をどうやって確保するかという切実な問題。農業も。

防災と言っていますけれど、防災以外の切り口でも情報を出せるわけですか?

森山:そうですね。実際に農業の方に向けても、例えば気象防災シグナルというソリューション名ですけれども、今後は「農業気象シグナル」という農業に特化した情報展開も想定しています。

川崎:お届けしたい情報は一緒のことですよね。

森山:はい。今後のサービスブランドとしては、「備えーるシグナル」というかたちで、より多くのみなさまにこの早期想定のリスク情報をご活用いただけるような準備を進めていきたいと思っています。

川崎:これからはもう、こういうことが当たり前になってくるわけですか?

森山:そうですね。こういったことをうまくキャッチして対応することで、ビジネスもうまく回りますし。

川崎:そう考えてみると、天気ってもう全員平等に影響を受けていませんか?

森山:そういった意味では、唯一のものですよね。天気はもう本当に、人の気分もそうですし(笑)、災害もそうですし。農業もそうですし、経済的にさまざまな影響があります。

川崎:ましてや日本は、すごく気象リスクが高いと言われる中で、気象に経済活動も何もかも影響されまくっているわけですから。

森山:そうですね。本当に知らず知らずに(影響を)受けているケースも本当に多いんです。

川崎:我々、当たり前だと思っちゃっていますよね。今のあらゆるビジネスって「しょうがない」で片付けてしまっていますけれども、損を被るのも、あるいはチャンスをつかみにいけないのも、情報がないからなので。

それがわかれば、損を最小化してチャンスをつかみにいくようなことができちゃうわけですね。

“影響度”を具体的に知ることができる

50年に一度のレベルを超える降水量を予測可能に, 人的被害も経済的損失も最小限にするために, 減災につながる3つのポイント, 気象庁の数値予報モデルを独自に解析・分析, 市区町村ごとの地形や災害の歴史も加味して予測, リスク度合いを5段階で評価, 気象庁が線状降水帯を半日前に予測できたのは約4割弱, 北海道・中標津町で実際に起こった大雪を検知, 記録的大雪を4日前に誤差2センチの高精度で予測, 経済的損失を防ぐだけでなく、チャンスとしても活用, 4つの業種で見る、「気象防災シグナル」の活用, “影響度”を具体的に知ることができる, 「気象防災シグナル」のリスク予測のお試し利用がスタート, 「リスク先読み型経営」を実現するための情報源, テクノロジーを駆使して、気象災害リスクを最小化する, “命しか守れない防災”からの脱却

森山:そうですね。冒頭で申し上げたように、気象自体が両極端化が進んでいるということがあります。より激しく、より極端にというところで言うと、今後は影響もそれだけ大きくなるおそれがより高まっていきます。

なので、備えるための情報として、気象防災シグナルでは単なる5段階のランクでお伝えするだけではなくて、例えば大雨のシグナルですと、日最大の降水量と、それが起こる時間帯ですとか。

そういった量的な予測プラス、暴風シグナルで言うと、日最大風速。その風が吹いたらどれぐらいの影響度があるかという、各種のシグナルを元にしたアドバイスも併せてみなさまにお届けしたいというものになっています。

川崎:確かに風速何メートルって言われてもぴんと来なかったりしますからね(笑)。

森山:そうですね。具体的なコメントと併せて「これぐらいの影響があるんだ」という情報を見ていただく。データとしては、APIのデータでの提供が基本です。

そして、予測の単位は、日本全国、市区町村、約1,900地点単位ですけれども、ご要望もけっこういただいてですね。より地域細分化できないかといったご相談もいただいています。大きい面積の市区町村なんかもありますよね。

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川崎:あぁ、確かにサイズが違いますよね。

森山:そうですね。都市部と山側と海側とでぜんぜん違うところにもうまく予測を出せればというところです。

川崎:だから国土地理院的なデータもあるし、国土交通省的なエリアのデータというのは、市区町村よりももっと細かいデータがあるわけですか?

森山:例えば、平成の大合併でたくさんの市区町村がくっついたのもありますよね。なので、例えば旧市区町村区分で出してほしいというところも要望としては挙がってきているところです。

「気象防災シグナル」のリスク予測のお試し利用がスタート

森山:もう1つのポイントは、気象防災シグナルはあくまでも翌日から14日先までを予測の対象としていることです。当日は、気象庁の警報や「キキクル」という危険度分布とか最近あるんですけど、そういった情報を使っていただきたいです。

川崎:もっと早期予測をしたいということですね。

森山:早いタイミングで予測を出して、(気象庁から発表される警報や自治体からの避難情報など)直前の防災情報にうまくバトンタッチするという役割も大きいです。

川崎:これ、「APIデータって何ですか?」みたいな時も相談していいわけですか?

森山:ぜひお気軽にご相談いただければと思っています。

川崎:なんか我々、デジタル系は「そう、APIだよね」なんて言っちゃいますけども、まずご相談くださいということですね。

森山:そういったご相談も含めて、実はこういったカレンダー上で、天気予報と気象防災シグナルのリスク予測を一目でチェックできるお試し利用を今月から始めています。

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川崎:これはAPIじゃなくてWebページですか?

森山:専用Webページです。トライアル利用をご希望のお客さまには、パスワードやIDをお渡しして、専用ページをお試しで使っていただけます。

お試し期間は、効果を確認できるところまで。具体的に言うと、大雨シーズンを1つ見ていただいたりというところを想定しています。ぜひお気軽にご相談いただきたいのと、実際に全国のいくつかの自治体や企業で、こちらのような予測が見られる専用WEBページでトライアル利用いただいております。

川崎:自治体も企業も相当天気に苦しめられていないところってないですからね。

森山:そうですね。天気のリスクを感じているという自治体や企業のみなさまは、ぜひお気軽にお問い合わせいただきたいと思っております。

「リスク先読み型経営」を実現するための情報源

川崎:すごいですね。森山さん、なんでこれを開発しようと思ったんですか?

森山:私はもともと気象キャスターをやっていたんですけれども、天気予報の時間は、1分とか2分とかですよね。北海道全域のことを伝えなきゃいけない時に、なかなか細かい市町村単位で伝え切れないことがありました。そういった時に、残念ながら伝え切れなかった場所で被害が大きくなってしまったという経験を何度かしまして、その悔しさもあってですね。

川崎:そこでやはり、忸怩(じくじ)たる思いがおありだった?

森山:そうですね。十数年かけて構想を練って、なんとか形にできました。キャスターが伝えられる範囲はどうしても限られるので、自動的になんとかできないかという思いで、こちらを開発しました。なので、こういった気象防災シグナルで、地域や企業の防災になんとか貢献していきたいと思っております。

早めの的確な想定ができると、備えが変わると思うんですね。備えが変わると行動が変わって、被害を最小限にできますので、我々がお役に立てるとすれば、想定外をなくすこと。そういったリスク予測によって地域を守っていきたいと思っています。

あとは、「リスク先読み型経営」と名付けましたけど、企業の方々にもこういった支援をしたいなと。そういったことが今後より一層、社会的信用・責任においても、企業、そして地域住民を守る行政に求められる部分になってくるかと思います。

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我々は、気象防災シグナルを通じて、命や会社の事業、地域を守るパートナーとしてお役に立てればといった思いでいます。

テクノロジーを駆使して、気象災害リスクを最小化する

川崎:ベルシステム24自体も、北は北海道から南は沖縄まで、全国に数十拠点ありまして、国内で言うと3万人ぐらいが働いているわけですけれども。やはり家族の安全や気象災害リスクは年々本当に切実な問題になっています。

人事や総務はこれをどう捉えるのか、あるいは経営としてどうBCPを持つのか。コンティンジェンシープラン(緊急時対応計画)をどうやって持つのかというのは、本当に、何を材料に判断していくのかがわかった時点で「まぁ、最大限こうするしかないよね」みたいなことだったんですけども。

ここにテクノロジーの力が入って、だいぶ前からわかるとなると、選択肢が増えてくるわけですよね。当然賢い経営になってくるとも言えますよね。

森山:そうですね。早めの想定で備える時間を最大限化する。そして、備えーるシグナル。

川崎:「備える」から来ている。

森山:「備えーる」ですね(笑)。それで、リスクを最小限にするというところでぜひお役に立てたらなと思います。

“命しか守れない防災”からの脱却

川崎:これをご覧になっているみなさん、本日いろいろな話題が出てきました。防災というのは当然、命だけでなく経済活動まで含めた幅広い影響があります。

ただ、あまりに直前の話だと、もう命ぐらいしか守れない。それが前もってわかると、命はもちろん、そのほかのいろいろな経済活動まで幅広く守れて、利益につながるような行動もこれからどんどん生み出されていくんじゃないかということですね。

これをまさに今リリースしたところでございますので、これからいろんなユースケースが出てくると思います。いろんな市区町村の方、行政の方、行政の長の方には特にお願いしたいですね。

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森山:そうですね。ぜひご興味を持っていただければと思います。

川崎:企業の経営企画の方ですとか、いろいろな事業をおやりになっている方は、どうかお問い合わせいただければと思います。本日は、森山さん、ありがとうございました。

森山:ありがとうございました。

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