マクラーレン、物議を醸したチームオーダーを説明。ステラ代表「公平性を保つための、原則の範囲内だ」

 マクラーレンがF1イタリアGPでランド・ノリスとオスカー・ピアストリのポジション入れ替えを決断した背景には、「公平性」と「原則の一貫性」があったと、チーム代表のアンドレア・ステラが説明した。

 レッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションからレースを支配した今回のF1イタリアGP。マクラーレン勢はピットストップを遅らせて逆転を狙ったが、彼らが有利になるような何かは起きず、レース終盤に諦めてピットに向かった。

 3番手を走っていたピアストリは45周、2番手のノリスは46周を終えたところでピットインしたが、ノリスはタイヤ交換が遅れ数秒のロス。これでピアストリがノリスの前に出ることになったが、チームはピアストリに2番手をノリスに譲るように指示した。

 ピアストリは渋々ながらノリスを先行させる指示に従ったものの、ピットストップの遅れは「レースの一部」とみなされるべきだと主張し不満を露わにしていた。結果的にノリスが2位、ピアストリが3位となったことでふたりのポイント差は31点に縮まった。

 ステラ代表はレース後にこの件について言及し、ポジションを入れ替える決定は、ドライバー間の公平性を保つためマクラーレンが重視する「原則の範囲内」であったと述べた。

 さらに、ピアストリを先にピットインさせた判断はポジション維持を意図したものであり、ポジション入れ替えによるこの方針の継続は「チームの利益」にかなうものだと付け加えた。

「ピットストップの状況は公平性の問題だけでなく、我々の原則との整合性の問題でもあると考えている」とステラは説明した。

「そしてチャンピオンシップの状況がどうなろうとも、マクラーレンが掲げる原則とレースの価値観、そしてドライバーたちと共に築き上げてきた理念のもとで運営されることが重要なんだ」

「ドライバーを入れ替える状況はピットストップのみに関係するものではない。この点を明確にしておくことが有益だ。これはまた、オスカーを先に、次にランドをピットインさせることで、2台のピットストップの順序を調整したいという意図にも関連している」

Lando Norris, McLaren, Oscar Piastri, McLaren

 本来、前を走っているマシンが不利になることがないよう、先にピットインをするのが定石だ。ただ今回、先にピアストリがピットインしたのは、4番手を走るシャルル・ルクレール(フェラーリ)からポジションを守るためだった。

 そのため、チームはこのピットストップによってマクラーレンのふたりのポジションが変わるようなことはあってはならないと考えていたようだ。

「我々は、これがポジション交換につながるべきではないという明確な意図を持っていた。これは単にルクレールをカバーするために行なわれたものであり、同時に赤旗やセーフティカーの出動を最後の瞬間まで待っていたのだ」

「したがって我々はチームの利益を追求し、この利益を最大限に活用するために、まずオスカーを、次にランドをピットインさせる必要があった。しかし明確な意図は、これが順位入れ替えをもたらすものではないということだった」

「これが我々の取った行動であり、我々の原則に合致するものと確信している」

 ステラ代表は、ピットストップが遅れた原因を検証すると述べた。またマクラーレンが方針を見直すかどうか問われると、ステラは「チームは常にプロセスを見直している」と応じたが、それは変更を意味するものではないと付け加えた。

「自らの行動が完璧だと考え、個人やチームとして何一つ見直さないなら、進歩はありえない」

「つまり私にとって『見直し』とは『必ず変更が必要だ』という意味ではない。見直しを通じてさらに調整し、確認する可能性があるということだ。この言葉を使うからといって、必ずしも変更があるわけではない」

「この言葉を使う事実こそが、マクラーレンの物事へのアプローチ方法を示しているのだ。エンジニアリングや運営において極めて重要なこの”見直し”は、レースへの取り組み方にも適用される。ドライバーと共にレースに臨む姿勢にも同様に適用されるのだ」

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