日本人の約98%が不足「腸活に欠かせないビタミン」とは?専門医が教える「腸漏れ」に有効な食品と対策
腸の状況の改善から健康な体を手に入れる「腸活」。消化器内視鏡専門医の平島徹朗さんと秋山祖久さんによると、腸活のポイントは「たりていない栄養に気づくこと」なのだそう。おふたりに、腸の活動を改善するために必要な栄養と、おすすめの食品について詳しく伺いました。

腸漏れ対策に有効な食品を伺いました(※画像はイメージ)
【図解】食物繊維がバランスよく含まれている食品
腸から栄養が漏れる「腸漏れ」に要注意

水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれている食品
日頃からしっかり栄養を摂っているはずなのに、なぜか太りやすいし、疲れやすいし、老けやすい…。そう感じるのは、腸から栄養素が漏れてしまう「腸漏れ(リーキーガット症候群)」を起こしている可能性があります。腸漏れが起きると、十分な栄養素を口から摂っていたとしても、「栄養不足」の状態をつくり出してしまいます。
この腸漏れを予防するために積極的に摂りたいのが「食物繊維」です。食物繊維は腸内の善玉菌のエサとなる栄養素。これが増えれば腸内の活動が正常化し、腸漏れも改善しやすくなりますが、食物繊維もまた不足している人がほとんどなので積極的に摂取するようにしましょう。
食物繊維は「水溶性」と「不溶性」の2種類ある。理想バランスは「1:2」

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、理想は「1:2」のバランスで摂取すること。
現代の日本人は、不溶性食物繊維よりも水溶性食物繊維のほうが不足していますので、納豆や海藻などの水溶性食物繊維を多く含む食品を意識して摂るようにしましょう。
食物繊維はいろいろな食品から摂り入れる
腸内細菌が食物繊維を食べてエネルギーにすることを「発酵」と呼んでいますが、腸内で発酵が起これば起こるほど、腸内細菌はエネルギーを生み出して活性化します。
また、ひとつの食品から食物繊維を摂り入れようとせずに、さまざまな食品から摂り入れましょう。腸内細菌によって食物繊維が発酵するまでの時間は異なるので、いろいろな食品から摂ることで発酵のタイミングが増え、善玉菌が元気に活動する時間が増えます。
食物繊維を毎食摂れなければ、朝と夜に食物繊維をしっかり摂ることで発酵が持続し、腸内細菌は24時間働くようになります。結果、腸内環境がよくなり、腸漏れの対策にもつながります。
「ビタミンD」は腸を健康に整えるうえで必要

ビタミンDを多く含むおすすめの食品
ビタミンにはさまざまな種類がありますが、なかでも腸漏れ予防にとても効果的なのは「ビタミンD」です。
ビタミンDは腸粘膜の細胞の結合を改善してくれる栄養素です。つまり腸の細胞と細胞をしっかりつないですき間をとじて、腸漏れを防いでくれるのです。結果、ほかの栄養素の吸収力を高めてくれたり、体にとって不要なものをブロックしてアレルギーや炎症を予防してくれたりするというわけです。
さらにビタミンDを継続して摂取することで腸内細菌の多様性が高まり、善玉菌が増えることがわかっています。
日本人の約98%は、ビタミンD不足
また、ビタミンDは人間の体内でつくれる唯一のビタミンでもあり、いわずもがなですが、とてもすばらしい栄養素なのです。UVBという波長の紫外線が皮膚に当たると、体内のコレステロールからビタミンDが産生されます。
この理論からいうと、腸活のために日光浴がよいのですが、UVBはガラスやサングラス、日やけ止めなど、日やけ止め対策をしてしまうとブロックされるため、日光を浴びても産生されません。
昨今の紫外線は強く、あまり浴びると皮膚への悪影響も懸念されます。無理に日光でビタミンDをつくろうとせずに、食事やサプリメントから摂取するようにしましょう。国が推奨している栄養素量は病気にならない最低量、死なない程度の最低量となっていますので、これだと栄養学的にはかなり不足となってしまいます。
われわれは1日4000IUをおすすめしています。採血でビタミンD濃度(25〔OH〕ビタミンD)が50以上になるように栄養指導、サプリメント指導しています。
東京慈恵医大の検診を受けた5万人を解析したら98%がビタミンD不足ということが判明しました。いわゆる食事だけでは日本人の98%がビタミンD不足となっていることが判明しました。
「1μg=40IU」というのも薬局などでビタミンD含有量を把握するのに必要な豆知識です。
「腸漏れ対策に有効な食品」8種類を紹介

腸漏れ対策に有効な食品
昔から健康な食生活を送るために体にいい食材の頭文字1文字を取って「まごはやさしい」といわれてきました。私たちは、これを腸活的にアレンジした「たまごわやさしげ」を提案しています。ぜひ、チェックしてみてください。
●た:たまご
食物繊維とビタミンC以外のすべての栄養素を含む完全食品。生卵でもゆで卵でもOK! 消化・吸収に優れるのは半熟卵や温泉卵。
●ま:豆類
納豆、豆腐、みそなど。とくに納豆に含まれる「納豆菌」がいい働きをする。
●ご:ごぼう、タマネギ、アボカド(オリゴ糖を含む食材)
オリゴ糖は、腸内細菌であるビフィズス菌、乳酸菌などのエサになり、腸に善玉菌を増やす。
●わ:わかめ、昆布、のりなどの海藻類
海藻類には不足しがちな水溶性食物繊維が豊富に含まれる。
●や:野菜類
葉物野菜、根菜など偏らずに摂取しよう。ビタミンは熱に弱いので定期的に生野菜を摂るのも大事。
●さ:魚などの魚介類
肉だけに偏らず、魚介から動物性タンパク質をとるのも大事。特に魚にはビタミンDが豊富。
●し:しいたけ、きくらげなどのキノコ類
便のかさ増しをしてくれる食物繊維が豊富。乾燥しいたけなどをストックしておくと便利。
●げ:玄米
玄米は不溶性食物繊維、もち米は水溶性食物繊維が豊富。
この「たまごわやさしげ」を意識すると、日々の腸の動きが大きく改善されるはずです。料理をするとき、外食をするとき、ぜひ意識的にとってみてくださいね。
※ この記事は『胃と腸のプロが図解で徹底解説 腸漏れ解決とたんぱく質で最新腸活!』(扶桑社刊)より一部抜粋、再構成のうえ作成しています