硫黄島で見た米国人の退役軍人への敬意 日本の靖国神社はどうなっているのか ポトマック通信

硫黄島戦没者の日米合同慰霊式で、慰霊碑に献花し敬礼する硫黄島の戦いを生き抜いた退役軍人ら=3月29日、東京都小笠原村(坂本一之撮影)
先の大戦末期に激戦地となった硫黄島で3月29日に開かれた戦没者の日米合同慰霊式を取材した。初めて硫黄島の地を踏む中で、一番印象に残ったのが米側の「Veterans(退役軍人)」に対する敬意だ。
慰霊式には米国からヘグセス国防長官やスミス海兵隊総司令官、日本からは石破茂首相や閣僚らが出席した。
追悼の言葉が終わり、日本側の献花に続いて米側の献花が始まった。硫黄島の戦いを生き抜いた数人の退役軍人が慰霊碑に進むと、椅子に座っていたヘグセス氏ら米側の参加者が一斉に起立し、戦没者を悼む様子を見守った。日本側の献花に元兵士は加わっていなかったため、こうした場面はなかった。
ヘグセス氏らが整然と立ち上がった様子を見て、退役軍人に対する文化の違いを肌で感じた。日本は戦後80年の今も、宰相が靖国神社で国を守るため斃(たお)れた英霊を追悼することに反対の声が上がる。米側参加者の一人にそんな現状を説明すると、悲しそうな表情を浮かべ返答に困っていた。
慰霊式でヘグセス氏は、「(日米の兵士は)彼らが守っていたものが正しいと信じ、自国を信じ、仲間を信じていた」と語った。双方の兵士が示した献身をたたえたその言葉が、強く心に残った。(坂本一之)