吉村紗也香が藤澤五月の涙を引き継いで五輪へ!【カーリング女子日本代表が決定】

『フォルティウス』のスキップ・吉村紗也香。産後2ヵ月で氷上に復帰し、宿敵ロコ・ソラーレを破って勝利を収めた
3チームとも実力差は紙一重
涙あり、笑顔あり……氷上の女神が最後に微笑んだのは挑戦者だった。
9月11〜14日の4日間、北海道稚内市内で『カーリング女子日本代表決定戦』が開催された。本大会は、’26年に開催予定のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックの世界最終予選に出場する日本代表を決める重要な一戦。五輪2大会連続メダル獲得の王者『ロコ・ソラーレ』、ロコ・ソラーレの長年のライバルである『フォルティウス』、平均年齢22.8歳の新興チーム『SC軽井沢クラブ』の3チームが3戦先勝方式の試合に臨んだ。試合は各チーム2勝2敗で並び、タイブレークと決定戦の末、フォルティウスが初の五輪挑戦権を獲得した。
経験値に勝るロコ・ソラーレが優位かと思われたが……。カーリングの取材を15年以上続けるスポーツライターの竹田聡一郎氏は、こう分析した。
「藤澤五月選手(34)率いるロコ・ソラーレと吉村紗也香選手(33)を擁するフォルティウスは’22年北京五輪の代表選考会でも、拮抗(きっこう)した試合を繰り広げていました。しかし、フォルティウスは五輪切符に王手をかけながら逆転負け。この4年前の悔しさをバネに、今回の大会ではずっと集中力を切らさなかった。3チームとも2勝2敗同士で実力差は紙一重でしたが、シンプルにフォルティウスがロコ・ソラーレを技術的に上回ったに尽きますね」
さらに、こう続ける。
「藤澤と吉村はカーリング界でとくに注目度の高い″黄金世代″で、ともにスキップというチームの司令塔。しかも、二人は同じ北海道出身の同学年でジュニア時代から切磋琢磨してきたライバル同士なんです」
試合後、負けた藤澤の瞳からは大粒の涙がこぼれ続け、悲願の勝利を遂げた吉村は満面のスマイル。涙を拭(ぬぐ)った藤澤は、「フォルティウスさんのパフォーマンスが素晴らしかったです」と勝者を称(たた)えた。
五輪まであと少し
ライバル対決に決着がついた……が、本番はこれからだ。世界最終予選は12月からカナダ・ケロウナで開催。出場枠10のうち、開催国枠のイタリアと、他7ヵ国は昨年と今年の世界選手権の成績で決定。残り2枠をかけた8チームによる争奪戦が始まる。
「フォルティウスが″負けたら終わり″という緊迫した試合を12月の最終予選直前に経験できたことは有利だし、実戦でも活きてくる。課題でいえば、″安定感″が欲しい。アイス(氷上)は時間帯や観客の入り具合、石との相性で変わってくる。アイスのコンディションを早く察知したチームが優位に立てるでしょう。最終予選に出場するチームは世界選手権で上位に入れなかったチームなので、勝つ可能性は十分あります」(前出・竹田氏)
ライバルたちの悔し涙を糧(かて)に、五輪出場を懸けた大一番を制してほしい。

『ロコ・ソラーレ』のスキップ・藤澤五月。五輪2大会連続メダル獲得に貢献し、″氷上の女王″として親しまれている

『SC軽井沢クラブ』の上野美優&結生姉妹。次世代スターたちの活躍にファンからも注目が集まる
『FRIDAY』2025年10月3・10日合併号より